「理不尽な不幸に対しいつも笑顔の花が気持ち悪い」おおかみこどもの雨と雪 wakaさんの映画レビュー(感想・評価)
理不尽な不幸に対しいつも笑顔の花が気持ち悪い
2人のおおかみこども(狼人間)の姉弟とそれを育てる母の話です。
アニメの画風はおとぎ話でもなく現実でもない不思議な世界観によく合っていたと思います。
ところでこの作品を見ていて、この作品の主人公である母親・花に嫌悪感を覚えました、いつも笑顔で気持ち悪いと思ったのです。
作中で人間ではない子供を育てるために花は理不尽な不幸に襲われます。
国立大の学生という、恐らく苦労して手に入れただろう立場を捨て、住居を移り、陰口を叩かれ、都会人はと馬鹿にされ、子供は問題ばかり起こし、慣れない田舎の生活に苦労し、子供の将来のことについても気が重かったでしょう。
そういった状況で常に笑いつづけている花は非人間的な自己犠牲の塊であるように感じました。
男の身ながら母性というものは痛々しい程の自己犠牲を笑顔でやってのけるものなのか、とも思ったのですがやはり違和感があります。
自分は子供を育てた事はないので自分の母親のことを考え、母は自分を育てる時に、これほど自己犠牲の塊だったか、とも考えました。
母は人生のかなりの部分を子育てに費やし苦労もしていましたが、それは自己犠牲と感じさせるものではありませんでした。
その2つの差が何であるかを考えたとき、この映画には人生の8割を占めるであろう平凡な生活のちょっとした幸せが描けていないのではないかと思わずにはいられません。
映画というジャンルの特性上、2時間という短い時間のなかで話を完結させる必要があり、どうしても描かなければいけないイベントの目白押しになってしまいます。平凡な幸せをじっくり描くのは難しかったのだと思います。しかしそれを表現してこそはじめてこの作品の花の行動に説得力が生まれるのだと思います。
子育ては大変ですが子育てから得られる喜びもあるはずです。前者についてこの作品はしっかりと描けていると思いますが、後者についてはおざなりになってしまっている。そのためこの作品はリアリティに描けてしまっていると考えます
私の家族も母と子供二人、大変な苦労をしたはずですが、母はそんな素振りを少しも見せませんでした。いつも笑っていました。昼はパートで働き、夜は私達と一緒に内職をしていました。六畳一間のおんぼろアパートでした。いつも母は笑顔でした。
母親ってそんなものですよ。
気持ち悪いとしか表現出来ないなんて、悲しいですね。哀れですね。
こんにちは。
花に嫌悪感を覚える・・・それは、亡き父の教えでそうしているのです。その父のお葬式にも笑っていたら怒られた・・・説明映画にならないように、行間を読ませるための映画にするために、極力説明は省いているのに、その花の生い立ちと、苦しければ苦しいほど笑ってこらえる。そこの説明はしっかりとありました。
それでも違和感を感じられるというのは・・・・どの映画を観ても、自分の価値観に合わないキャラを認めることがない方なのでしょうか?
『人生の8割を占めるであろう平凡な生活のちょっとした幸せが~』始めからズーッと丁寧に書かれていましたが気づきませんでしたか?もしかして、幸せな時期が少ないから見逃されてしまったのでしょうか?
何か反対ばかりしているようで申し訳ありません。
チラッと拝見して、え”~と思ってしまったので書かせていただきました。
母親っちゅう存在をなめたらいかんですよ。
世の中にはあの程度の苦労なんてものともせず、笑顔で頑張って子育てしている母親はいくらでもいますよ。
うちの母もそうでした。
シングルマザーで理不尽な差別を受けながらも、不幸な顔ひとつ周りに見せた事無かったですよ。
でも人知れず泣くこともあったかもしれません。花もそうなんじゃないでしょうか?
子供をほったらかしてパチンコやってる親もたくさんいますが、花みたいに健気に頑張る母親もまたリアルに存在しますよ。
ただまあ私もあなたと同じように説明不足な部分が気になったクチです。
連続ドラマでじっくり描いて欲しかったと残念な思いです。
子育ての最大の喜びは、子供の成長だと思います。
それはとても丁寧に描かれていたと思いますよ。
花の人生は、彼の分身である子供達を
育てることが最大の目的になったのだから、
雨と雪の成長が 彼女のすべてになってもおかしくありません。
親としては、とても共感できますよ。
子どもを産んで育てることがべストだと思いますが、
想像力(子どもを育てることの意味、両親の自分に対する献身的な辛い想いと裏返しの歓び)が足りなさ過ぎと思います。