「「母親奮闘記」の映画。良い作品です」おおかみこどもの雨と雪 yoneさんの映画レビュー(感想・評価)
「母親奮闘記」の映画。良い作品です
観てきました、細田守監督の最新作「おおかみこどもの雨と雪」。
今日上映開始だったんだけど、こういう楽しみにしてる映画は初日に観るようにしてるのです。
左の写真は映画館で撮ったポスター。
これはキャラデザインの貞本義行さんのサインかな?絵も描いてあるし。貞本さんはご存知エヴァンゲリオンのキャラデザインでも知られてる方です。キャラ観ればすぐにわかると思うけど。
そういえば、この映画のトレーラーで、ついにエヴァの新劇場版「Q」の予告があったのは驚き!!やっと上映されるのね。今年の11月17日らしい。これはこれで、今から楽しみが増えた!!
閑話休題。。
この映画、どういうストーリーなんだろう?って思ってたんだけど、お話の中心は「お母さん」だったのね。ポスターもそういう絵だもんね。映画観終わって、すごく腑に落ちた。タイトルはこどもたちだけど、母親奮闘記です、ひとことで言うと。
ここから先はネタばれもあるので、まだ観てない方はご注意を。。
お母さんの「はな」は、様々な苦労もモノともせず、とにかく頑張り続ける。笑顔で。だからこそ、物語のラストはこどもの2人が「自立」したところで終わったんだろう。映画のエンドロールで流れてた曲の歌詞もそういう内容だった。母について。作詞は細田監督だったので、やはりこの映画は「母親」について語りたかったんだろうな、ってよくわかった。
そういう話である以上、父親役は必要無い。
なので、すっごく唐突にオオカミである旦那さんが死んでしまう。ここがこの話の一番腑に落ちなかったところ。都会とは言え、成犬となったオオカミが死んでしまうような危険がどこにあると言うのだろう??まだ、田舎で間違えて銃で撃たれたとか、崖から落ちた、という設定の方がわかる。あまりにあっけなさすぎる。。車にでも引かれた、って設定だったのか?うーーむ。。。。
けど、それ以外は納得いくストーリーだった。
印象的だったのがタイトルの「雨」と「雪」のシーン。
「雨」は弟、「雪」は姉の名前なんだけど、この作品では「雨」が降るシーンと「雪」が降る(降った)シーンがすごく印象的だった。特に「雨」の方が。
作品観ててずっと不思議だった。
「雪」の方がお姉ちゃんなんだから、タイトルは「おおかみこどもの雪と雨」で良かったはず。しかし、この作品は弟である「雨」の旅立ちの話でもある。きっかけになる、先生であるきつねの死も雨の日だったし、最後の旅立ちも雨の日。思えば、お父さんが死んだ日も雨の日だった。
「雨」のシーンは、弟である「雨」の心象風景も現していたんじゃないだろうか?
だからこそ、旅立ちを決意した瞬間、空は晴れ、鮮やかな朝日が差し込むシーンにつながった。
なので、タイトルは「おおかみこどもの雨と雪」なんだな、って観終わってわかった気がした。まぁ、深読みし過ぎかもしれんけど(笑)
「雨」はオオカミとして生きて行く道を選び、「雪」は人間として生きて行く道を選んだ。おそらくその後の人生は「雪」の方が苦労するんだろうけど、そこまで描く必要ない。こどもたちが自分の道を選んだ時点で母親としての役割は終わる。だから、そこで物語も終わる。
良い終わり方。納得です。
にしても、都会のシーンは印象悪かったなー(笑)良いところが全然無かった。「はな」と旦那さんが巡り会えたってことくらいか。隣人は最悪だわ、行政はヒドいわ、公園行ってものんびり散歩も出来ないわ。まぁ、オオカミって設定だから仕方無いんだけど。そういえば、あの公園、井の頭公園だったな。。
あと印象的なシーンが、オオカミになった「雨」と「雪」の視点で滑走するシーン。
自転車好きでいつも乗ってる自分としては、この視点、スピード感は、「自転車からの視点」にすごく似てた。それがすごく心地良かった。
細田監督の映画作品は「ONE PIECE THE MOVIE オマツリ男爵と秘密の島」「時をかける少女」「サマーウォーズ」と全部観てるんだけど、今回の作品が一番良かった。
オススメです!ぜひ劇場へ観に行ってください。
あの大自然のシーンは大画面で観た方がより心に沁みると思うので。