劇場公開日 2012年7月21日

「違和感があるモノは受け入れない・・・」おおかみこどもの雨と雪 蛇足軒瞬平太さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0違和感があるモノは受け入れない・・・

2017年4月27日
PCから投稿

幸せ

単純明快、勧善懲悪、奇想天外、そして明快な起承転結。
昨今の映画のほとんどが、こうでないとイケナイ空気に縛られている。
その狭い土俵の上でどれだけ、アタラシイ風の、とか、ミタコトナイ風の、とか、見せ方をするか?

なぜこうなるのか?
違和感があるものは受け入れない。(その違和感をなぜ提示しているか考えない。)
理解不能の作品は駄作・・・。

あえて、それらに抗う作りでエンターテインメントに挑戦!
だって前作、前々作で上記のような作り方で結果は出しているでしょ?
同じような事をやっても縮小再生産、あるいはジブってるとかポニョってると言われるでしょ?
だったら常識破りの作り方でやってやる!
と言わんばかりのチャレンジ作品、結果はこの人気振りに証明されている。

上記の四文字縛りの作り方に沿うと父と母の出会いは1シーン程度に削除して
あるいはナレーションで説明して、
雨と雪のそれぞれの生き方が決まった所で起承転結の承。

そこから転→結とストーリーをうねらせて、大掛かりな見せ場とカタルシス・・・・。
もう見飽きたでしょ?そんな展開。
だったら本作は起承の部分をじっくり描いて観客を唸らせてやろう。
消化不良の人も出てくるだろうが、この二幕をじっくり味わう作品だ。
そして転結である、雨雪花のヒアアフターは観客それぞれの生き方や家族と共に無限に広がっていく。
とオッサンコドモ(私)の勝手な想像。

おじいさんのあからさまに協力はしないが、みんな応援してやろうや、
このヨソ者たちに・・のスタンスが印象的。

蛇足軒瞬平太