おとなのけんかのレビュー・感想・評価
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子どもケンカの話をしていたはずなのに
11歳の少年が遊んでいて友達の少年を小突いて怪我をさせてしまう。怪我をさせた少年の両親が怪我をした両親のもとを訪ねる。
最初は寛容な態度を見せる被害者両親、謙虚に謝罪の姿勢を見せる加害者両親、社会的な顔で取り繕い、何とかまるく収まりそうになるのだが、些細なことがいくつか重なって、ボロが出始める。
それぞれの両親の計4人がリビングで話し合うだけの作品。が、演じる4人の役者の奥深さに、精密に計算された舞台を観るように、引き込まれていく。
口論の論点は次第に、被害者-加害者だけでなく、それぞれの夫婦間の対立、男-女、男-男、女-女、父-母、家族-仕事、世俗-理想などなど、様々な対立軸へ飛躍していく。
こうした、怒りという感情が引き出す、様々な「飛躍」の妙が実に見事。子どもケンカの話をしていたはずなのに、というシーンは、鑑賞者の思い当たる節を刺激する。時折、苦笑いしながら鑑賞する大人の作品。
タイトルを全部ひらがなで「おとなのけんか」とした訳者は優秀。(原題の「Carnage」は虐殺という意味)
笑顔の裏に少しずつ積もっていくイライラがリアル
被害者と加害者
リベラルな作家であるペネロピ(フォスター)、金物商マイケル(ジョン・C・ライリ-)のロングストリート夫妻。投資ブローカーのナンシー(ウィンスレット)と弁護士アラン(ヴァルツ)のカウワン夫妻。最初は穏やかに解決しようとしていたのだが、マイケルが飼ってたハムスターを外に置き去りにしたことなど、些細なことからいがみ合うことになってゆく・・・
英語圏のコミュニケーションというのは、言葉一つ一つに思いやりがあって、1つ罵倒しても、すぐさまフォローが入るなど、日本語から考えると興味深いところがある。ちょっとした会話の誤解が直後に解決したとしても、心の奥では因縁が残ったりする面白さ。80分間、ほぼ密室劇なのに心のやりとりが非常に面白い。
子どものケンカがいつのまにか大人のいがみ合い。よくある話だと思うが、四人四様に穏便にすまそうとする平和主義が見え隠れする。その中でもペネロピだけが“被害者と加害者”を分けて考えてる様子。男同士、どこか仲間意識が現れるところなど、ほんと面白い。まぁ、世界の戦争などといった、縮図とまではいってないが、争いごとは絶えないという皮肉もあるにはある・・・かな。
会議は踊る、されど会議は進まず。
丁々発止、
インテリゲッチャのギャグ満載です。
口角泡を飛ばす言葉の応酬は、誰かの表現だが、「言葉のキャッチボール」ではなくてこれはまさしく「言葉のデッドボール」ですねー(笑)
「スーダンでは~!」
「難民キャンプでは~!」
と金切声をあげる先進的イノベーター、ジョディフォスターに「あんたのお友達のジェーンフォンダは〇〇」とブラックにおちょくる弁護士クリストフ・ヴァルツ。
環境、地域紛争、富の不均衡、株価、ジェンダー、ハリウッドスキャンダル、花、セーターそして希少な画集・・、すべてが戦いのための実弾。何でも有りのつかみ合いの喧嘩です。
偏差値高め。
台本、超厚そう。
俳優たちの実力には腰を抜かす。
あのイーサン・ホークの「ビフォーシリーズ」が嫌いでないあなたなら、きっとハマる。そんな“ウルトラ会話劇”です。
切り上げどころを失った二組の夫婦の喧嘩は、“やれるところまでやってやろうじゃないか”状態で、観客として傍観する僕としては連中のやり合いが可笑しくて仕方がなかったのだけれど、
ゲロよ。
ケイト・ウインスレット様のゲロ、凄まじい。
下着姿もついに平気で晒したり、とうとうド突き合いも始まるし、電話で相手の母親を愚弄までして、これこそまったくみっともない“こどものけんか”ですね。
「お前のかーちゃんデベソ」レベルまで逝っとる訳で。
で、クスクス笑いが止まらないのは、きっとこれは誰しもが思い当たるからなんですね。
「虫の好かない相手」が私たちにも日ごろから存在する。(もしかしたら)こんな収拾のつかない喧嘩を自分もホントはやってみたい、・・そんな憧れが、僕らの心の奥にあるからなんだろうなあ。
違いますか?
・・・・・・・・・・・・・
2×2、そして3×1と、この目まぐるしく攻守入れ替わるバトル・フォーメーションの変化は、今をときめくコントグループ「東京03」のセオリーと同じで、僕の大好物です。仲間かと思っていたら次の瞬間には敵になる人間関係。
あのジャニー喜多川さんはフォーリーブス結成に当たって「3人グループでは喧嘩の時に2対1になってしまうから、仲間割れをしても2対2でおれるようにね」と、4人結成にしたのだと。人智ですね。
でもこの映画ではジャニーさんの思いやりはオシャカでした。
「敵の敵は味方」。3対1になったり、4人がバラバラになったり、手を結んだり。
反目と結託の目まぐるしさと言ったら(笑)
・・・・・・・・・・・
オススメ映画
「スマホ」が小道具になるのは、同じワンシチュ物の「おとなの事情」(イタリア2016)。
舞台劇らしい作品
最高のキャスト!!
4名の役者が素晴らしいから、ずっと笑ってられました。
吐いてから元気になり、酔ってからますますパワーアップのウィンスレット良かった!ジェーン・フォンダまで例に出されたペネロペ(ジョディ・フォスター)、こういう人居ます、居ます。小道具からわかります!ベーコン、ココシュカ、フジタの画集、そういうのをリビングのテーブルに置く感覚、スーダンのこと言ったり、アフリカ土産みたいのを壁に飾るセンス。客が来るから用意した、黄色の沢山のチューリップを大きいガラスの花瓶に入れるのもそう。「リベラル」な「インテリ」。そういう人の夫が、荒物屋の主人というのも面白い。
そして、クリストフ・ヴァルツ!一番平静を保っていたがゆえに、バスルームでズボンを脱いで乾かしてる場面と、携帯水没後の斜め座りには、涙が出るほど笑えました。ガーガーうるさいドライヤー、何度もかかってくるこれまたうるさい携帯と電話(小道具、うまいな!)。あの、ちょい嫌みなウィーン男が、そんな姿になるなんて!
文脈外せば、言ってる台詞は理性的で別におかしくない。でも、誰が誰に、どんな風に、どのタイミングで、どんな言い方をするかのタガか外れてしまったがゆえの、凄まじい大人の喧嘩!子どもはとっくに仲直りしてるよ~!
酔っ払いの演技って凄く難しいと思います。日本版ってできるかな?変な顔芸はしてもらいたくないし。特に「ペネロペ」は、かなり欧米的な現象だと思うので、日本のコンテクストだったらどんな風な女性にしたらいいのかな、と思う。
誰もがこんな喧嘩を、「表面的」な親しい相手にもふっかけたいのでは?(私だけ?)
クリストフ・スマイル、良かった!
最初から最後まで笑いっぱなし、だけど……
ロマン・ポランスキー至極の一本
日本でリメイクしたどうなるかな
【”ヤスミナ・レザ”のオリヴィエ賞とトニー賞受賞舞台劇をポランスキー監督が、熟達した役者4人の演技合戦に仕立てた映画。特にクリストフ・ヴァルツ演じる会話途中に矢鱈に携帯で話す男が秀逸だと思った作品。】
爆笑。ケイトウィンスレットの顔。もともと不機嫌そうな顔だからハマっ...
まさにタイトル通りの物語
あまり好きじゃないかな
会話しているだけなのにこんなに面白いとは!
舞台みたいな
舞台みたいな感じだったかなー!
マンションの一室ぐらいしか使ってない。笑
こんな映画もあって良いんじゃないかと思った。
でも、こういう映画こそ、実力のある人じゃないとやれないと思う。
ごまかしが効かないから。
ダイナマイト、バーン!
ファンタジー、キラキラ〜!
音楽、ドーン!
とか、そんなのが無いわけだから。
普通が一番難しい。
複雑な人間の感情が変化していくところを、上手にみなさん演じきってらっしゃる。
クリストフ・ヴァルツ、好きなんだよなー。
上手いんだよなー。
あの電話の感じもイライラしたなー。
なんていうか、分かりやすいキレる感じとかではなく、無神経な、絶妙な、人をイライラさせる感じ。
ケイト・ウィンスレットも綺麗だなー。
色気あるわー。ほんと、保護者でいそう笑
ゲロ苦手なので、かなり嫌だったけど、
大切なものの上にゲロ吐かれた時の気持ちったら、、、
ジョディ・フォスターもお上手。
良い感じのヒステリックさ?怒り。
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