おとなのけんかのレビュー・感想・評価
全52件中、1~20件目を表示
子どもケンカの話をしていたはずなのに
11歳の少年が遊んでいて友達の少年を小突いて怪我をさせてしまう。怪我をさせた少年の両親が怪我をした両親のもとを訪ねる。 最初は寛容な態度を見せる被害者両親、謙虚に謝罪の姿勢を見せる加害者両親、社会的な顔で取り繕い、何とかまるく収まりそうになるのだが、些細なことがいくつか重なって、ボロが出始める。 それぞれの両親の計4人がリビングで話し合うだけの作品。が、演じる4人の役者の奥深さに、精密に計算された舞台を観るように、引き込まれていく。 口論の論点は次第に、被害者-加害者だけでなく、それぞれの夫婦間の対立、男-女、男-男、女-女、父-母、家族-仕事、世俗-理想などなど、様々な対立軸へ飛躍していく。 こうした、怒りという感情が引き出す、様々な「飛躍」の妙が実に見事。子どもケンカの話をしていたはずなのに、というシーンは、鑑賞者の思い当たる節を刺激する。時折、苦笑いしながら鑑賞する大人の作品。 タイトルを全部ひらがなで「おとなのけんか」とした訳者は優秀。(原題の「Carnage」は虐殺という意味)
笑顔の裏に少しずつ積もっていくイライラがリアル
なっ… なんだこれ…!? なんか凄いものを見たぞ…! 約70分間、大の大人がひたすら喧嘩をする映画(?) キャストがキャストなだけに、演技力はもの凄い。 でも内容は大人の喧嘩。 そして待ち受ける驚愕のラスト。 ちょっと…! えぇっ!? おーいっ!(笑) 何かすごく大事な事を伝えようとしている感じがするのだけど… ごめんなさい! 私は一度見ただけではそのメッセージを掴む事ができませんでした!🤣💦 いやもう… ただただヒートアップしていく皆さんの演技力に圧倒されました。 80分あれば見れますから! 興味がある方は是非!
被害者と加害者
リベラルな作家であるペネロピ(フォスター)、金物商マイケル(ジョン・C・ライリ-)のロングストリート夫妻。投資ブローカーのナンシー(ウィンスレット)と弁護士アラン(ヴァルツ)のカウワン夫妻。最初は穏やかに解決しようとしていたのだが、マイケルが飼ってたハムスターを外に置き去りにしたことなど、些細なことからいがみ合うことになってゆく・・・ 英語圏のコミュニケーションというのは、言葉一つ一つに思いやりがあって、1つ罵倒しても、すぐさまフォローが入るなど、日本語から考えると興味深いところがある。ちょっとした会話の誤解が直後に解決したとしても、心の奥では因縁が残ったりする面白さ。80分間、ほぼ密室劇なのに心のやりとりが非常に面白い。 子どものケンカがいつのまにか大人のいがみ合い。よくある話だと思うが、四人四様に穏便にすまそうとする平和主義が見え隠れする。その中でもペネロピだけが“被害者と加害者”を分けて考えてる様子。男同士、どこか仲間意識が現れるところなど、ほんと面白い。まぁ、世界の戦争などといった、縮図とまではいってないが、争いごとは絶えないという皮肉もあるにはある・・・かな。
会議は踊る、されど会議は進まず。
丁々発止、 インテリゲッチャのギャグ満載です。 口角泡を飛ばす言葉の応酬は、誰かの表現だが、「言葉のキャッチボール」ではなくてこれはまさしく「言葉のデッドボール」ですねー(笑) 「スーダンでは~!」 「難民キャンプでは~!」 と金切声をあげる先進的イノベーター、ジョディフォスターに「あんたのお友達のジェーンフォンダは〇〇」とブラックにおちょくる弁護士クリストフ・ヴァルツ。 環境、地域紛争、富の不均衡、株価、ジェンダー、ハリウッドスキャンダル、花、セーターそして希少な画集・・、すべてが戦いのための実弾。何でも有りのつかみ合いの喧嘩です。 偏差値高め。 台本、超厚そう。 俳優たちの実力には腰を抜かす。 あのイーサン・ホークの「ビフォーシリーズ」が嫌いでないあなたなら、きっとハマる。そんな“ウルトラ会話劇”です。 切り上げどころを失った二組の夫婦の喧嘩は、“やれるところまでやってやろうじゃないか”状態で、観客として傍観する僕としては連中のやり合いが可笑しくて仕方がなかったのだけれど、 ゲロよ。 ケイト・ウインスレット様のゲロ、凄まじい。 下着姿もついに平気で晒したり、とうとうド突き合いも始まるし、電話で相手の母親を愚弄までして、これこそまったくみっともない“こどものけんか”ですね。 「お前のかーちゃんデベソ」レベルまで逝っとる訳で。 で、クスクス笑いが止まらないのは、きっとこれは誰しもが思い当たるからなんですね。 「虫の好かない相手」が私たちにも日ごろから存在する。(もしかしたら)こんな収拾のつかない喧嘩を自分もホントはやってみたい、・・そんな憧れが、僕らの心の奥にあるからなんだろうなあ。 違いますか? ・・・・・・・・・・・・・ 2×2、そして3×1と、この目まぐるしく攻守入れ替わるバトル・フォーメーションの変化は、今をときめくコントグループ「東京03」のセオリーと同じで、僕の大好物です。仲間かと思っていたら次の瞬間には敵になる人間関係。 あのジャニー喜多川さんはフォーリーブス結成に当たって「3人グループでは喧嘩の時に2対1になってしまうから、仲間割れをしても2対2でおれるようにね」と、4人結成にしたのだと。人智ですね。 でもこの映画ではジャニーさんの思いやりはオシャカでした。 「敵の敵は味方」。3対1になったり、4人がバラバラになったり、手を結んだり。 反目と結託の目まぐるしさと言ったら(笑) ・・・・・・・・・・・ オススメ映画 「スマホ」が小道具になるのは、同じワンシチュ物の「おとなの事情」(イタリア2016)。
舞台劇らしい作品
2021年6月20日 映画 #おとなのけんか (2011年仏独ポーランド)鑑賞 子ども同士の喧嘩を話し合うために集まった2組の夫婦。はじめはお互い遠慮して理性的に話し合っていたのだが、徐々に抑えていた忍耐を解き放ち・・・ 4人の会話劇のみの映画なんですが、人間の醜さとかがよく表現されていました
最高のキャスト!!
4名の役者が素晴らしいから、ずっと笑ってられました。 吐いてから元気になり、酔ってからますますパワーアップのウィンスレット良かった!ジェーン・フォンダまで例に出されたペネロペ(ジョディ・フォスター)、こういう人居ます、居ます。小道具からわかります!ベーコン、ココシュカ、フジタの画集、そういうのをリビングのテーブルに置く感覚、スーダンのこと言ったり、アフリカ土産みたいのを壁に飾るセンス。客が来るから用意した、黄色の沢山のチューリップを大きいガラスの花瓶に入れるのもそう。「リベラル」な「インテリ」。そういう人の夫が、荒物屋の主人というのも面白い。 そして、クリストフ・ヴァルツ!一番平静を保っていたがゆえに、バスルームでズボンを脱いで乾かしてる場面と、携帯水没後の斜め座りには、涙が出るほど笑えました。ガーガーうるさいドライヤー、何度もかかってくるこれまたうるさい携帯と電話(小道具、うまいな!)。あの、ちょい嫌みなウィーン男が、そんな姿になるなんて! 文脈外せば、言ってる台詞は理性的で別におかしくない。でも、誰が誰に、どんな風に、どのタイミングで、どんな言い方をするかのタガか外れてしまったがゆえの、凄まじい大人の喧嘩!子どもはとっくに仲直りしてるよ~! 酔っ払いの演技って凄く難しいと思います。日本版ってできるかな?変な顔芸はしてもらいたくないし。特に「ペネロペ」は、かなり欧米的な現象だと思うので、日本のコンテクストだったらどんな風な女性にしたらいいのかな、と思う。 誰もがこんな喧嘩を、「表面的」な親しい相手にもふっかけたいのでは?(私だけ?) クリストフ・スマイル、良かった!
最初から最後まで笑いっぱなし、だけど……
芸達者な4人の、軽妙で滑稽な密室会話劇。喧嘩がヒートアップしていく描き方が秀逸で、節目節目のきっかけ(ゲロ吐くとか酒飲み始めるとか)とうまく連動しているので、違和感なく入り込めた。味方と敵がくるくる目まぐるしく入れ替わるのもおもしろい。笑いっぱなしだけど、やがて、ふと、自分もこういう感じなんだろうなあと思わされて背筋がぞっとした。終わり方は、見た時は「?」って感じだったけど、もとの日常が復活したことを象徴しているのかと思うと、あれが良いような気もする。
ロマン・ポランスキー至極の一本
個人評価:3.8 最高に贅沢なキャスティングの会話劇。それをあの巨匠がまとめ上げる。 子供のケンカの為に集まった両夫婦。始めは穏やかに丁寧な口調から、最後にはエキサイティングに大口論。子供のケンカの様に、大人は仲直りできるのかしら。 ロマン・ポランスキーの至極の一本。
日本でリメイクしたどうなるかな
被害者の親の家に加害者の親が話し合いに来て、 話がどんどん逸れていくのをリアルタイムに映す。 舞台はほぼ変わらず、演者も4人で固定なので、 「演劇みたいだなあ」と思っていたら、 原作は舞台劇らしいです。 それを巨匠ポランスキーがブラッシュアップして、 ここまでスタイリッシュな映画になったのは、 やはり脚本の出来の良さ。 そしてそれをやりきった演者の台詞回し、演技。 話題によって4人の関係性が変化していくのだが、 それをカットによって、この二人、今度はこっちの二人、 ここはひとりぼっち、とか、 見せていくカメラワークも秀逸。
【”ヤスミナ・レザ”のオリヴィエ賞とトニー賞受賞舞台劇をポランスキー監督が、熟達した役者4人の演技合戦に仕立てた映画。特にクリストフ・ヴァルツ演じる会話途中に矢鱈に携帯で話す男が秀逸だと思った作品。】
ジョディ・フォスターとジョン・C・ライリー、ケイト・ウィンスレットとクリストフ・ヴァルツが2組の夫婦を演じる室内でリアルタイムに進行する会話劇。 こどものけんかがきっかけで、最初は取り繕っていた二組の夫婦が真剣なけんかに発展するくだりがとても面白い。 クリストフ・ヴァルツの演技と、ロマン・ポランスキーってこんな映画も撮るんだと驚いた作品。 <2012年5月21日 劇場にて鑑賞> <その後、一度NHKBSシネマにて鑑賞>
爆笑。ケイトウィンスレットの顔。もともと不機嫌そうな顔だからハマっ...
爆笑。ケイトウィンスレットの顔。もともと不機嫌そうな顔だからハマってる。花瓶の水の中に携帯水没させるときに奥でやったぜーい!って腕回すところとか良い。ポカポカ殴るとこも良いしジョディフォスターの動きがかなり面白い。 ゲロはモザイク必要。
まさにタイトル通りの物語
いわゆるワンシチュエーションの会話劇。 子供の喧嘩で傷を負わせた子と負わされた子の両親が集まって話し合ううちにどんどん険悪になり、最後にはみっともなく罵倒しあうという舞台劇を名匠ロマン・ポランスキー監督が監督したコメディー。 最初は取り繕って上辺の会話をしている彼らが、次第に対立する様子が会話の流れのなかで自然に描かれていて、笑っちゃうけど、ちょっとした一言からお互いの化けの皮が剥がれていく様子がちょっと怖くもある。 たった80分の物語に色々な要素が詰まっている名作。
あまり好きじゃないかな
出演者は四人。 それぞれ、素晴らしい演技で引き込まれたが、それぞれ本音をぶちまけたあと、進展がなくなり、何の解決もなく突然終わる。 え? って感じ。 結局、子どもは親がどんだけでしゃばっても、子ども同士で解決できるよって話なのか…… 私にはわからん話だった。 ゲロのシーンはいらない。女優魂を感じたが、気持ち悪すぎ。 役者の素晴らしい演技を堪能したい方にはおすすめですが、落ちのある物語を堪能したい方にはおすすめしない。
会話しているだけなのにこんなに面白いとは!
二組の夫婦が、子供が起こした暴力事件の和解を目指す会話劇。ジョディ・フォスターの血管が切れてしまいそうで心配になった。各登場人物に対する印象がどんどん変わっていくのが楽しい。当事者同士だけで解決するのって難しいんだなあと改めて思った。
舞台みたいな
舞台みたいな感じだったかなー! マンションの一室ぐらいしか使ってない。笑 こんな映画もあって良いんじゃないかと思った。 でも、こういう映画こそ、実力のある人じゃないとやれないと思う。 ごまかしが効かないから。 ダイナマイト、バーン! ファンタジー、キラキラ〜! 音楽、ドーン! とか、そんなのが無いわけだから。 普通が一番難しい。 複雑な人間の感情が変化していくところを、上手にみなさん演じきってらっしゃる。 クリストフ・ヴァルツ、好きなんだよなー。 上手いんだよなー。 あの電話の感じもイライラしたなー。 なんていうか、分かりやすいキレる感じとかではなく、無神経な、絶妙な、人をイライラさせる感じ。 ケイト・ウィンスレットも綺麗だなー。 色気あるわー。ほんと、保護者でいそう笑 ゲロ苦手なので、かなり嫌だったけど、 大切なものの上にゲロ吐かれた時の気持ちったら、、、 ジョディ・フォスターもお上手。 良い感じのヒステリックさ?怒り。
日本人が笑えるアメリカンジョーク
アメリカンジョークは声を出すほど、おもしろくはないものですが、この作品はくすくす笑ってしまいました。女優ふたりがここまでするか?と、演技力も最後でした。吹き替えで観るのをおすすめします。
全52件中、1~20件目を表示