「アイドルオタクではなく格闘技オタクとしてのアングルも必要なのかもしれない」DOCUMENTARY of AKB48 Show must go on 少女たちは傷つきながら、夢を見る 全竜さんの映画レビュー(感想・評価)
アイドルオタクではなく格闘技オタクとしてのアングルも必要なのかもしれない
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世代のギャップゆえか未だに人気の熱波に乗れない私なので、劇場ではなくDVDで観賞。
客観的に観たのがプラスになったのか、予想以上の面白さだった。
東日本大震災が現代日本の分岐点となったように、彼女たちの価値観・アイデンティティが被災地慰問を通して自問自答していく導入部は、いつも目にする華やかさとか可愛らしさetc.とは一線を画す輝きを放ち、観る者を牽引していく。
大人数の集団を束ねていく各リーダー(特に高橋みなみ)の統率力、
じゃんけん大会などの企画力、
そして、厳しい縦社会の中において切磋琢磨する個々の才能の開花力etc.etc.
芸能界の荒波に挑むガチンコスタイルは死闘に近い下剋上社会の迫力を見せつける。
特に、恒例の総選挙とドームコンサートは、結集した熱き想いが爆発した2大メインエベントと云えよう。
どちらの決戦場でも巨大なプレッシャーに押し潰されそうになりながらもエンターティーナーに徹した前田敦子のアイドル魂に純粋に拍手を送りたくなった。
個人的には総選挙で大惨敗した板野友美が、廊下で独り悔し泣きしていた孤独感に哀愁があり、一番グッと惹かれたけどね。
故に、アイドルオタクとしてだけでなく、格闘技オタクとしてのアングルから今作と接するのもAKBの魅力をより倍増させる嗜み方なのかもしれない。
絶対王者・前田が卒業する今年、彼女たちの新たな飛躍に注目しながら、最後に短歌を一首
『笑み揺らぐ 悪夢のあとに 立つ舞台 喝采に咲く ガチの花束』
by全竜
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