「製作者はきちんと原作を読んでいるのか?」グスコーブドリの伝記 おぽっぽこさんの映画レビュー(感想・評価)
製作者はきちんと原作を読んでいるのか?
クリックして本文を読む
映像、音楽、声優(ブドリの声が若干大人びていたか、こどもの頃のブドリはもっと高音でないと、違和感があった)とても良かった。しかしストーリーがどうしてしまったのか?
ブドリはもっと苦労をしている。そういう中での妹ネリとの再会がきわだってくる。長年生きてきた私にとって、人生は本当に何が起こるかわからない。しかしまったく偶然とでもいうべき良い事もある。そういう兄妹の感動の再会の部分をさらりとカットしてしまったのは何ゆえか。そしてラストの内容。ブドリが他者のために、自分の命を犠牲にする過程のシーンは、あまりにもあっさりしすぎていた。自分の命のこと、妹のネリのこと,死の恐怖....たくさんのことが頭を巡る。そういう中で、最終的に自分をささげたのだ。かつて自分の父、母とネリのような不幸な目に合う人が新たに起こらないようにとの深い願いがブドリの中にあったのだ。その部分が描かれていない。ブドリの死とひきかえに冷害をふせぐ事が出来たのだ。1985年公開の『銀河鉄道の夜』があまりにも良かっただけに残念。
コメントする