「生き方」英雄の証明(2011) FUMITさんの映画レビュー(感想・評価)
生き方
信念を貫いて生きる....男としてはもちろん、人として憧れる生き方だよね。
でも、現実的には様々なシガラミや人間関係の中で、必ずしも貫き通せるものでは無いということは、俺自身40年以上生きてきて、イヤという程に実感してきたことだよ。
でも、だからこそ、揺ぎない信念を貫き通した人の姿にはある種の畏敬の念を抱かずにはいられない。例えそれが「不器用な生き方」だという側面があるにしても。
原題「Coriolanus-コリオレイナス」。シェイクスピアの戯曲を現代に置き換えて解釈し直した人間ドラマだ。
いや、シェイクスピアのそれと同様「悲劇」に分類されてもいい作品だったな。
結末の無情感は悲劇そのものだと思ったよ。
至ってシンプルな構図。
自分の信念を貫き、己に正直に生きる男。コリオレイナス。
決して自らが望んだわけではない権力の座を巡って仕組まれる謀略。
耐え難い屈辱の後に復讐の鬼となる彼。
そして、復讐の果てのほんの一滴の情が、彼を悲劇の結末へと導く。
彼が一体何をした?
誰に対しても正々堂々と、ただその信念を貫いただけではないか。
ただ純粋に生きただけじゃないのか。
哀しい物語だと感じたよ。
ただ、おそらく、コリオレイナス本人には悔いはないのかも知れない。
なぜなら、その最期まで信念を貫き通すことができたのだから。
主演はレイフ・ファインズ。あのハリーポッターで【ヴォルデモード卿】を演じた怪優。今回も坊主頭での出演だったよ(笑) 確かにあの頭は見覚えがあったね(笑)
無骨で短気な軍人を上手に演じていたように感じたな。うん。
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