「原作者は不満?でも観客は幸せ!」苦役列車 サマーサマーさんの映画レビュー(感想・評価)
原作者は不満?でも観客は幸せ!
まず、役者がいい。
主演の森山未來はもちろん、それ以外の役者が個性的。画面に映り込んでくる登場人物が皆味わい深い。
なかでも、マキタスポーツはよかったなあ。
あと、あっちゃんの出演シーンはとてもいいシーンなのでAKBファンは安心して観に行くといいと思います。
美術・衣装も完璧。
ちゃんと80年代になってた。つっこむところなかったです。
キャラクターごとに気配りされた衣装はそれだけで登場人物の設定を物語っています。NCAAの缶ジュースとか細かすぎ。
シンコの音楽は、特にラスト近くはシンコの音楽でよかったなと思った。シンコじゃなかったら違う印象の映画になってしまってたかも。
原作者は不満だったようだけど、原作者が気に入ってるけど面白くない映画より、原作者は不満だが心底面白い映画のほうが観客は幸せなんじゃないかな?
原作にとらわれない脚色をした脚本のいまおかさんもほめないと。
しかし、このくっさい映画をなんでここまで愛おしい作品にできるんだろうか。
この監督の作品は何本か観てきましたが、全くはずさないです。
やっぱりすごい才能なんだと思います。
全体に流れるユーモア感覚は天才の証です。
巨匠と呼ばれる監督の映画はどうしても後追いになってしまう僕ら世代ですが、リアルタイムでこの監督の作品を観れるのはもの凄くラッキーで誇らしいことなんじゃないかと思うのです。
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