「お父さん最高だよ。」スープ 生まれ変わりの物語 ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
お父さん最高だよ。
この人も、どちらかというと(大泉洋的な扱いで)
コメディアンじゃなかったの?という指摘が多い生瀬勝久。
奇しくもサラリーマンNEOのメンバーが被ってるし^^;
結局ナニ?お笑い映画?なんて、つい思ってしまうところ。
う~ん、、なんて言えばいいのか。
前半グダグダ、後半感動、完成度ではまったく普通の作品。
これ「スープ」ってタイトル付けてるけど、
スープがそこまで重要な役割を占めていないんだよなぁ。
死んであの世へ逝ってしまった人間が、生まれ変わるために
選ぶひとつの手段。ということで、スープを飲めば早々に
生まれ変わって現世に戻れる。でも記憶は失われる、という。
(飲まなくてもサッサと生まれ変わってしまうヒトもいれば、
いつまでたってもあの世で暮らしているヒトもいるんだという)
娘に想いを遺したまま亡くなった父親(生瀬)は、生まれ変わって
娘の傍に行きたいんだけれど、記憶を失っちゃー困る!という
ことで、なんとかスープを飲まずして生まれ変わる方法を享受し、
16歳?になって現世へと戻るのだったが…。
娘との確執や妻との離婚、仕事でうだつの上がらない前半は
観ていて溜息もつけないほど、つまらない(爆)
上司役の小西真奈美も驚くほどイヤな女で^^;失笑続きとなる。
ところが後半、
生まれ変わって学生となった主人公が、同級生(とはいえ?)と
繰り広げる青春群像劇は、かなり面白い。家族との繋がりも
しっかりと描かれ、ラスト近くではおそらく号泣できるはず…。
こうも前後半でガラリと変わる作品も珍しいが、
若手俳優たちの意気揚々とした演技が曇天を吹き飛ばす勢い。
あー良かったねぇ、生まれ変わった今の方がいいじゃん!?と
主人公に対しては皆が思ってしまうところ(想いとは裏腹に…)
父親が娘に言い遺したかったこと、あんな形でこの世を去れば、
さぞ心残りに違いない。そしてそれは娘にとっても同じだった。
あれだけ反抗した父親に対する思慕は母親よりも尊大だった。
後半でほんの少ししか出てこない伊藤歩、やはり巧かったなぁ。
生瀬の演技をどこかで笑ってやろうと^^;
そんな思惑はどこかへ消えて、このお父さん最高じゃないか!と
手を叩きたくなる自分がいることに、やがて気付くのだった。
(広瀬アリスも巧かったねぇ。元の姿は想像したくないけど~^^;)