「おもしろかった。」スープ 生まれ変わりの物語 balanceさんの映画レビュー(感想・評価)
おもしろかった。
初めて映画を観た時、感きわまったのは、スープを飲める場所のシーンでした。渋谷が娘に再会したくて、そのためにスープを回避して生まれ変わろうとするんだけれど、自分がもし死んでスープのことを覚えていた時に遭遇するであろうをことを疑似体験して見てたこともあるのかなって思いました。スープを飲めばこれまでのレールに乗ることができるんで、生きるって大変なこともあるけれど、安心できるところもあると思います。スープを飲まず生まれ変わることは、未知な体験だからちょっとこわい気がするけれど、渋谷が湖に飛び込む時、何か来るものがありました。
『生まれ変わりの村』を読んで、あの世からこの世に生まれ変わる時、突然消えるみたいなことも知ってたのだけれど、映像で見て初めて、不思議なことだと思いました。「一体どうなっているのか」ってセリフがあるけれど、どんな仕組みになっているか。今、生まれてから死ぬことは当たり前になっていて、あらためてそれを問うって日常あまりないと思います。もし、「スープ」の情報が常識になる時代が来たら、それはずっと未来の話かもしれませんが、映画で観た不思議だという気持ちも普通には持ちえないかもしれない。だとしたら、この変わり目の時代に生まれることが、根源的な問いを持つチャンスなのかもしれません。
映画を見ながらよく笑いました。生まれ変わった石田が修平(渋谷)に、「酒もたばこも我慢してやっているんや」みたいなセリフは、まじめなシーンなので笑えるところでもないかもしれませんが、かわいい女子高生にそう言わせていたりして、映画全体でも、そういったシーンが随所にあり楽しいです。
2時間はあっという間でした。
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