劇場公開日 2012年1月14日

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「三国志✕カンフーアクションの奇跡的融合」三国志英傑伝 関羽 バラージさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 三国志✕カンフーアクションの奇跡的融合

2025年10月27日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

興奮

斬新

DVD邦題は『KAN-WOO/関羽 三国志英傑伝』。「KAN-WOO」って何だよ、「KAN-WOO」って。変な改題しやがって。

『三国志演義』の五関突破をネタにした作品で主演はドニー・イェンと来れば、果たして予想通りというべきか歴史映画というより武侠映画のノリ。『演義』では無個性な斬られ役の五関の雑魚武将を個性的なカッコいい武人に作り替えて次々と息詰まるアクションを展開したかと思えば、チアン・ウェンが曹操の懐が深く一筋縄では行かない大物っぷりを見せてくれ、さらに合間にはヒロイン役の劉備の側室・綺蘭(オリジナルの架空人物。演じてるのは今やチャン・イーモウ映画でヒロインを演じるまでになったスン・リー)とのラブロマンスもちゃんと入れちゃうというツボを押さえたサービスっぷり。元ネタを上手く換骨奪胎した映画で、『正史』派の僕としては単調で退屈なこのあたりの『演義』の話を理想的に面白く作り替えてくれたという感じ。もっとも最後の最後にかなりぶっ飛んだフィクションがあるが、それもご愛嬌。

観た人の感想を映画サイトで読むと、ドニー・イェンに興味のない三国志(または関羽)ファンと、三国志(関羽)に興味のないドニーファンの双方から別々の理由で低評価のようだが、三国志とカンフーアクションのどっちも好きで、なおかつ映画そのものがそれ以上に好きな僕としては大変面白かった。ドニーの硬質な演技(つまりちょっと大根)が関羽の堅すぎる性格と奇跡的にマッチして、曹操の底知れぬ懐の深さを演じるチアン・ウェンと好対照を為していた。

バラージ
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