「We Need to Talk About Kevin」少年は残酷な弓を射る misakiさんの映画レビュー(感想・評価)
We Need to Talk About Kevin
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すごく深くって考えさせられる映画やった。子どもを身籠った為に自分のキャリアを捨てなければいけなかった母と、まるでその後悔を見透かしているかのように全てのことにおいて反抗する息子。様々な行動で執拗に自分の母親を追い詰めて行くEzra Millerが演じるKevinとその狂気に苦悩し恐れるTilda Swinton演じるEva。彼らの考えつくされた一挙一動に及ぶ緻密な演技はホントに圧巻!!きっと映画の解釈は沢山あるし結末に納得いかない人もいると思う。難しい映画で、事件を犯した当人であるKevinでさえEvaの"Why?"の問いかけに明確な答えを提示していない。映画の中で彼が最後に発する言葉は"I used to think I knew. Now I'm not so sure."であり、つまり「分かってるつもりだった。」と言うわけであるが、何が分かっているつもりだったのかは明らかではない。それに何故母親だけに敵意を向けるのか、一体Kevinは憎しみ(?)•怒り(?)•嫉妬(?)どのような感情を抱いていたのか、どうして母親だけ殺さなかったのか、逆にどうして妹に加えて父親までもを殺したのか…など疑問に対してもはっきりした解答は示されない。でも私はその答えが出てないからこそこの映画は評価されているのだと思う。まるでミロのヴィーナスのように、そこにあるものを観客に想像させるという余韻を残すからこそ美しくあると感じるのだ。観るとEzraの美貌までもが怖く見えるし決してスッキリはしないけどものすごく好きかも。でもね、最後に一言だけ言わせて…この邦題はない。笑
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