「ヘタなホラーより怖い」少年は残酷な弓を射る こまめぞうさんの映画レビュー(感想・評価)
ヘタなホラーより怖い
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全ての子供を持つ可能性のある人にとつて
よく考えるとこんなに怖いことがあるだろうか。
特に母親にとって。
己の腹を痛めた子だからといって、
己の分身ではないし
完全に理解出来る存在ではないのが子供だ。
それに親が、こうあってほしいと願う子供像を
重ねて見たいと言う気持ちが
子供を見る目を曇らせる。
この話の父親は都合のいいところしか見なかった。
母親はどう対処すればいいのかわからず
後回しにしてしまっていた。
誰も長男を正面から受け止めていなかったのだ。
子供にとって不幸なことである。
しかし難しいのは、じゃあ
完璧によく出来た親なら
完璧な子供が出来あがるのか?という
決まり事などない事だ。
どんなにダメな親でも素晴らしい親でも
サイコパスの子供を授かる可能性はありうる。
それはフィクションのホラーより
何倍も怖いことではなかろうか。
それでもこのラストに、
やっと母親が息子の目を正面から見て
2人の関係が今後変化があるかもしれないと
思えるのが唯一の救いではある。
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