劇場公開日 2014年5月1日

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「【”或る夏の日、家に来た男が僕と母に作ってくれたピーチパイが齎した事。”今作は、脱獄した男と夫に逃げられた女とその息子が一夏の5日間の間で育んだ強い絆を描いた作品である。】」とらわれて夏 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 【”或る夏の日、家に来た男が僕と母に作ってくれたピーチパイが齎した事。”今作は、脱獄した男と夫に逃げられた女とその息子が一夏の5日間の間で育んだ強い絆を描いた作品である。】

2025年10月7日
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鑑賞方法:VOD

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■息子ヘンリー(ガトリン・グリフィス)と静かに暮らすアデル(ケイト・ウィンスレット)の前に脱獄犯のフランク(ジョシュ・ブローリン)が現れ、脅されるまま彼を匿うことになってしまう。
 だが、フランクは二人に危害を加えることもなく、家の中の壊れた箇所を修理し、車を修理し、慣れた手つきで臨家のオジサン(J・K・シモンズ)がくれた熟れた大量の桃を使ってピーチパイを作り二人に振るまうのであった。
 その過程の中で、子を何度も流産、死産し、夫に逃げられ傷ついていたアデルは徐々にフランクに惹かれ、ヘンリーも又彼を父の様に慕うのであった。
 だが夏休みの灯が過ぎる中、フランクに警察の追跡が迫っていた。

◆感想<Caution!内容に触れています。>

・脱獄犯のフランクを演じたジョシュ・ブローリンが、無骨ながらごく自然にアデルの家を修理し、車を修理し、共に庭で野球をする様が良い。
 それまで、笑顔が無かったアデルには笑顔が戻り、ヘンリーも男として知っておくべきことをフランクから学んでいくのである。

■今作はアデルとフランクの恋物語でもあり、ヘンリーの成長物語でもある事が、劇中から分かるのである。

・カナダへ共に逃げると決めたアデルとフランク。ヘンリーが自分は又、捨てられるのかと危惧する中でアデルが笑顔で言った”あなたも一緒よ。”と言うシーンは沁みる。

・ヘンリーも夏休みの間に、謎めいた女の子とキスをし、少しづつ成長していくのである。

・だが、アデルとヘンリーが銀行で大金を現金で引き出したり、近隣の且つて障害の或る息子を数時間アデルに強引に預けたオバサンが、家にいるフランクを観てしまったりして、到頭、警察がやって来て、フランクは再び逮捕されてしまう。

・その後、ヘンリーは実父に引き取られるが、一人になった母を心配し実家に戻り、成人してからパイ屋を開き、評判になるのである。そのパイは勿論フランクがアデルとヘンリーに振舞ってくれたパイである。

<その後、時は流れ、フランクは獄中でヘンリーのパイを食べ、手紙をアデルとヘンリーに記すのである。
 そして、刑期を終えた彼は老いたアデルの家に戻り、彼女を強く抱きしめるのである。
 今作は、脱獄した男と夫に逃げられた女とその息子が一夏の5日間の間で育んだ絆を描いた作品なのである。>

NOBU
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