劇場公開日 2013年6月8日

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「(前作からの変わりっぷりが)ハイパー半端ねえアクション続編」G.I.ジョー バック2リベンジ 浮遊きびなごさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0(前作からの変わりっぷりが)ハイパー半端ねえアクション続編

2013年6月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

単純

『2』を『to』と読ませるのっていいかげん古臭いのうと思う点はさておき、
超ド派手展開の連続だったアクション大作『G.l.ジョー』の2作目が登場!
監督は『ハムナプトラ』シリーズのスティーブン・ソマーズから
ジョン・M・チョウという方にバトンタッチ。なんでもダンス映画や
ジャスティン・ビーバーのドキュメンタリーを撮った人だとか。
どんな経緯でこんな人選になったのかは知らないが、
兎にも角にも前作とはガラリと変わったアクション映画になっていた。

大きな変化点その1。
まず前作で活躍したG.I.ジョー部隊のメンバーは総入れ替え。
主役を演じる事が多い割には影の薄いチャニング・テイタムはともかく、
シエナ・ミラー姐さんがいないぞ、おいどういう事だッ(笑)。
G.I.ジョー部隊で続投はスネークアイズくらいだが、いかんせん彼は
顔分かんないしなあ。顔見えないのに再出演したレイ・パークは偉い。

新主人公はドウェイン・ジョンソンだが、なんか彼は地味というか、
画が重くなるんだよね。その他のメンツもなんだかインパクトに欠けるし。
大御所ブルース・ウィリスはユーモラスで楽しいが、アクション的な
見せ場はたかだか3分くらい。本編での活躍よりも「映画館で
待ってるジョー」と言わされて怪訝な顔してる様子の方が記憶に残っている。

あ、イ・ビョンホンのファンの方はご安心を。
前作からの続投組で一番得してるのは彼(またはジョナサン・プライス)。
アクションシーンも多いし最後の展開もオイシイよね。
服脱いだせいで背中をヤケドするシーンには危うく爆笑しそうになったが、
その見事なモムチャン(筋肉)を女性のお客さんは喜ぶだろうから、
エンタメ映画としては非常に正しい(笑)。
それにしても序盤にて、むさ苦しいオッサンと黒ずくめのマスク男と
ムキムキ半裸兄さんが並んで立ってるシーンのシュールさと言ったら無い。

大きな変化点その2。
前作のような荒唐無稽なアクションシーンがグンと減った。
砂漠の基地やら海底のアジトやら未来兵器みたいなメカの数々やら、
中学生向けのSF戦争映画みたいなノリだった前作からスケール大幅縮小。
ギミックだけちょっと近未来風の軍事アクションって感じに。
それでもフツーのアクション映画の110%くらいの派手さはあるが、
全体的には新味が薄いかな。せわしないカメラワークのせいで
ドウェイン・ジョンソン等の格闘アクションがしっかり見られないのも△。
けど、スネークアイズが活躍する絶壁での格闘シーンやストームシャドー
との対決とかはケレン味たっぷりで面白かった。
もっとこういう見せ場が欲しかったなあ。

まあ派手さが減ったお陰で良かった点もある。
個人的に、前作は最初から最後まで派手なシーンばかりで
途中でダレてしまったのだが、今回は話のメリハリが多少は出たと思う。
それに、基本ド単純なストーリーではあるが、敵組織“コブラ”の狙いが
明らかになる最後の展開は面白かった。荒唐無稽な展開が減った分、
ちょっとだけ、ほんのちょっとだけだが、現実味が出た。

結論!
派手さが減った分、展開にメリハリがついたが、
主演陣の魅力や画的な楽しさも減少したので、
結果的にプラスマイナスゼロ。前作と同じ3.0判定で。
けど、前作が気に入ってた人には不満タラタラな出来だろうなあ。

それにしても、未だにアメリカにおけるニッポンのイメージって
ああいうアジアの何処ともつかない摩訶不思議カントリーなのかしら。
少なくともRZA師匠は日本人じゃないぞッ。

〈2013.06.01鑑賞〉

浮遊きびなご