「あくまで本題は人類の起源の探究です。」プロメテウス だいすけさんの映画レビュー(感想・評価)
あくまで本題は人類の起源の探究です。
2089年、考古学者のエリザベスとチャーリーは世界中の古代遺跡の壁画に
「ある共通点」を発見します。
巨大企業ウェイランド社は、宇宙船プロメテウス号を造り、エリザベスをはじめとする
十数名のチームは「人類の起源」を探るため、古代遺跡の壁画が指し示す星に
向かうのですが・・・。
最初にネタばらしをしてしまうと、
この作品は「人類の起源」を探る物語であると同時に、
今やSF映画の古典になりつつある「エイリアン」の起源が判明する物語です。
主人公エリザベスは、「エンジニア」と呼ばれる人類の創造主を発見するんですが、
それと同時に、「エンジニア」が造り出した危険な「生物兵器」に襲われることになります。
劇中に登場する黒い液体が恐らく「生物兵器」の元で、宿主となる生物の体内に
入り込むことで、宿主のDNAを取り込み違う生物に変質させるんでしょう。
ラストでは、あの見慣れた姿の「エイリアン」が登場します。
「エイリアン」シリーズを観た人なら判ると思うんですが、
この作品に登場する「エンジニア」はエイリアンの1作目に登場した化石化した宇宙人の
遺体と同じものです。
「エンジニア」の宇宙船も同じくエイリアンに登場しています。
(「エイリアン」で発見された時に、なぜあの状態だったのか?が本作で判ります。)
その他にも「エイリアン」シリーズを知っている人なら、
そういうことだったのか!と思うシーンが沢山でてきます。
コアな人なら「ウェイランド社」という名前だけでもピンとくるでしょうね。
エイリアンシリーズとの繋がりを考えずに作品単体として観ても、
映像のクオリティは素晴らしいです。
物語は正直言って、エイリアンの1作目と同じような感じではあるんですが、
「エンジニア」が、なぜ人類を創造し、なぜ生物兵器を使って人類を滅ぼそうとしたのか?
という大きな謎が残されているので、続編が楽しみでもあります。
エイリアンの登場はあくまでおまけで、本題は「人類の起源の探究」の方だと
思うので、本作単体で評価するのではなく、今後製作されるであろう続編とセットで
評価すべきでしょうね。