「2012年、最後を飾る作品」トワイライト・サーガ ブレイキング・ドーン Part 2 マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)
2012年、最後を飾る作品
2008年の「トワイライト〜初恋〜」から4年、完結編にあたるシリーズ5作目。
少女っぽかった主演のベラ役、クリスティン・スチュアートもすっかり大人の顔になった。
人間のベラ、ヴァンパイアのエドワードの初恋にはじまり、そこにオオカミ族のジェイコブが割って入り三角関係に至った本シリーズ。ヴァンパイアとオオカミ族の相容れない種族の仲違いを経るが、ベラとエドワードのあいだに生まれたレネズミがジェイコブの“刻印”の相手とわかり、双方のわだかまりが収束に向かうというのが前作まで。
今作は、いよいよヴァンパイアを取り仕切る王族ヴォルトゥーリとの一騎打ちが描かれる。
カレン家とヴォルトゥーリが対立するにはきっかけが必要だが、それをレネズミがヴァンパイア族にとって災の子〈不滅の子〉であるとしているが、どうもこの〈不滅の子〉なるものがどういうものなのかピンとこない。どうやら自制心の利かない悪ガキらしく、仲間をも襲って滅亡に追い込むというものらしい。だが、そういったらヴォルトゥーリ族自体がアブない存在だし、あのメンツが子供一人を恐れるというのは、どうもしっくりしない。設定にもうひと工夫ほしいところだ。
それはさておき、今回の見どころは3つだ。
まずヴァンパイアとなったベラの能力。これはけっこう面白いネタをしつらえてある。
次は、レネズミとジェイコブの関係。レネズミの秘めた力も気になるが、ジェイコブが命を懸けてレネズミを護り通すことができるのか、そして二人を待ち受ける将来とは?
そして最後が、いきなりまさかのシーンで始まるカレン家とヴォルトゥーリ族の闘い。ぎょっとするような激しいカットが続き、知った顔が次々と葬られていく。
ラストは少々手荒な反則ワザではあるが、将来に夢と期待を残した点はこのシリーズらしくていい。
鳴り物入りで始まったシリーズが中途で頓挫する昨今、無事完結したことに祝儀として☆(★の半分)を上乗せ。
この作品、ゴールデン・ラズベリー賞に11部門ノミネートされたが、そんなに悪くはない。むしろ面白い。惜しむらくは、1作目のVFXを担当したILMが、2作目以降、予算もしくはスケジュールの関係か外れてしまった。あのままILMが継続したなら、もっとクォリティの高いシリーズになっていたことだろう。