劇場公開日 2012年3月16日

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「ザ・メリル・ストリープ・ショー」マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0ザ・メリル・ストリープ・ショー

2012年9月7日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

知的

イギリス史上初の女性首相マーガレット・サッチャーを、メリル・ストリープが演じる。
アカデミー賞ではさぞ話題になるだろうと思っていたが、まさか受賞するとは!
正直、「ヘルプ」のヴィオラ・デイヴィスを応援していたので意外な気もした。
しかし、今マーガレット・サッチャーを演じる事が出来る女優は、世界広しといえメリル・ストリープしか居ないと納得させるほど。
さながら“メリル・ストリープ・ショー”だ。
サッチャーを完コピしたメリルの演技には風格すら感じたが、ストーリーの方は驚くほど弾まない。
老いて認知症を患ったサッチャーが、“政治家”としての姿と“女性”としての姿を振り返る回想形式。
男社会の政治世界に果敢に飛び込んだ一人の女性のサクセスストーリー、その政治手腕、妥協しない姿勢…多大な功績を残し偉大な女性政治家と言うのは分かるが、その描かれ方があまりにも淡々として、説明的にしか感じなかった。
公務に身を捧げ、果たして自分は良妻賢母だったか?と苦悩する姿も描かれるのだが、夫が亡くなっても幻が見えるほどの夫婦愛を軸にするのはイイが、子供たちへの描写はほとんど無く、何だか中途半端な印象も受けた。

マーガレット・サッチャーの深みのある伝記映画を期待して見ると少々肩透かしを食らうが、メリル・ストリープの貫禄の名演を見るだけでも価値アリ。

近大
Mさんのコメント
2023年10月20日

未だにサッチャーさんにいいイメージはないのですが、彼女がいなかったら、イギリスは今も斜陽の国だったかもしれませんね。

M