「女性の地位」アルバート氏の人生 ジャーニーさんの映画レビュー(感想・評価)
女性の地位
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生きるために女であることを隠し通さなければならなかったアルバート。
たまたま秘密を知られてしまうことで転機が訪れる。
ひっそりと息を殺すかのように静かに日々を送るつまらなそうな表情の前半に比べ、微かな希望を感じてからの後半のアルバートの表情に物悲しさを感じてしまった。
ペンキ職人ヒューバートとは違って身も心も女性なのになぜ若いヘレンとの結婚を考えたのか、ここがちょっと謎だった。
商売のため?夢のため?
女よりはずっとマシだけど男社会の底辺にいたジョー。(本物のボイラー技士は結局どこ??)
こっそりと字の練習をするシーンがまた切ない。
ヘレンを通してアルバートからお金をむしり取ろうとするクソだけど、心底憎むことが出来ない。
極端な格差社会だったアイルランドでは当時、赤ちゃんは父親がいないと孤児として手放さなければならなくなるらしかった。
ヒューバートの最後の一言は、そんな男社会による悲劇に、わずかな希望を与えてくれる。
赤ちゃんは、男の子。名前はアルバート・ジョー。
ドレスを着たアルバートがぎこちなく歩き始め、最後には浜辺を走り出すシーンもまた切なかった。
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