「後編も楽しみだ」進撃の巨人 ATTACK ON TITAN 古泉智浩さんの映画レビュー(感想・評価)
後編も楽しみだ
原作は2巻まで随分前に読んだきりで、大体の内容をぼんやりと把握してるくらいだった。主人公の三浦春馬じゃない方の名前が最後までなんて言っているのか分からなかった。髪型が似ていて並んでいないとどっちが出ているのか分からないし、性格も二人とも暗いし、二人とも「自分のせいで」と内省的だった。超売れてる原作だから、原作とは別の話といいながらも原作と照らし合わせて見るようになっているのだろうか。なぜ二人に分ける必要があったのかと疑問に思った。
腰につけてぶら下がって移動する機械や刀みたいなのの説明や訓練シーンは絶対に見たかった。要するにスパイダーマンやバットマンみたいな移動方式なんだろうけどメカニズムの説明をもっとしてほしい。画面が暗くてどうなっているのかさっぱり分からなかった。そこは原作漫画でなんとなく記憶しているけど、きちんと映像で見たい。また、ちょっと説明しただけであんな熟練が必要な道具を渡されて使いこなせという態度で、軍はどうなっているのだ。ガスが足りなくなると使用できなくなるというのも、足りなくなる直前に初めて分かった。
巨人が人を食べる場面がいかにも残酷に食べますという演出だった。もっと普通の食事のように、枝豆やサキイカを食べるように人間を食べて欲しかった。お腹から噛まれているのに喋っている人がいるし、三浦春馬が口の中に飛び込んで歯を肩にかずいているのは、噛む力あんなに弱かったのかと驚いた。
軍がアホみたいに見えた。夜道で急に停車して兵を展開した意味が分からなかった。そんなことしてないで道を急いでほしかった。超やる気のない女が所属していて、怖がってすぐ弱音をはくし、その上あいつは、電気つけて喋っている人がいる横でセックスしようとしていて、ハプニングバーで興奮するタイプ。
ちょいちょい法がどうとか結婚が許可制とか、社会の仕組みがセリフで出てくるのだけど、法律が機能している社会にあまり見えず違和感があった。
最初に超でかい巨人が壁を壊していて、開けた穴から小さい巨人が街に入って来る。スケールが良く分からなくて、小さい巨人は人間くらいのサイズなのかと思ったら、人間を丸のみするくらい相当でっかかった。最初の壁を壊した巨人はその後出てこなくなるのだけど、どこ行ったんだろう。後編に出るのかな。
主人公が三浦春馬に「お前は家の仕事を継いで満足なのか」と跡継ぎに対しての嫌味を言われる。実家暮らしで家業に携わってなくて常に肩身の狭い思いをしているオレには気になるセリフだった。跡継ぎをしようなんて立派な男に、立場を分かってないくせに勝手な事を言ってほしくない。
結局原作を読んでないと楽しめない作りになっているようで、置いてきぼり感があった。でも後編も楽しみだ。