「たいへんよくできました」鍵泥棒のメソッド 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
たいへんよくできました
自殺に失敗した売れない役者・桜井は、銭湯で男が大転倒するのを目撃。男と自分の鍵をすり替える。
男は大転倒で記憶喪失になるが、実は伝説の殺し屋コンドウ。
男の正体が殺し屋だと分かった矢先、桜井にヤバい仕事の依頼が来て、演技でごまかす。
自分が売れない役者だと思い込んだコンドウは地道に努力し、ひょんな事から知り合った婚活中の女性編集長とイイ関係に。
そんな時、コンドウの記憶が戻り…?
「運命じゃない人」「アフタースクール」の内田けんじ監督がまたしても贈る、ユニークなサスペンス・コメディ。
内田監督と言えば、二転三転するストーリーと見事などんでん返しが持ち味。
今回は前2作ほどの騙された!という快感は薄いが、性格も人生も全く違う入れ替わった2人の二転三転するストーリーが軽快で、終始飽きずに楽しめる。
“胸キュン”なラストも後味爽やか。
堺雅人と香川照之、芸達者2人がやっぱり上手い!
堺雅人の、人はイイんだけどだらしなく、芽が一向に出ない大根役者振りが、ぴったりハマってる。(無論堺雅人は大根役者じゃありません)
香川照之の、殺し屋の強面〜売れない役者の人の良さそうな顔〜また記憶が戻った殺し屋の強面、その巧みな演じ分けに天晴れ!
広末涼子が何やらメチャメチャ可愛く、やくざのボスに荒川良々という意表を突いたキャスティングにニヤリ。
オリジナルの脚本にこだわり続ける内田けんじ監督は、西川美和監督と並んで稀有な存在。
次回作も練りに練った作品を見せて欲しい。
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