エクソシストのレビュー・感想・評価
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タイトルなし
(精神)医学vs宗教、みたいな観点では面白い。キュアという名の肉体への暴力性。
しかし全体的にはカトリック文化圏でないとわからないものがあるんだろうなーと。
ヴァチクソはかなりこれをトレースしてるんだなと思った。
ホラー映画の金字塔だが無駄なシーン多し
初鑑賞
一部のシーンは何度も観たが最初から最後までは初めて
悪魔は嘘つきだ
悪魔は嘘に真実を混ぜ攻める
そういう人ってリベラル系に多くいるね
73年の作品
宮沢りえが生まれイチローが生まれオイルショックの影響で主婦たちがこぞってトイレットペーパーを買い求めたあの年
半世紀経つのか
少女に悪霊パズズが憑依する話
母は病院で診て貰うがどんな検査をしても結果は正常でお手上げ状態
医者の1人は希みは薄いがエクソシストに頼ることを提案
エクソシストとは悪魔祓いを行う神父のこと
悪魔対神父の戦いの火蓋は切られた
見どころはやはり悪霊が乗り移った少女の異形な姿
はじめは天井裏から犬系の生き物のような鳴き声
少女と共にベッドが激しく揺れる名シーンはほんの序の口
やがて少女の目と顔色が変わり顔はひび割れ邪悪な表情に変貌
少女の声は全く別人のハスキーな声に変わり喋る言葉の内容は下品極まりない
度々口から緑のスライムのような物体を吐く
ベッドは浮き少女もマジックのように浮き上がる
あとポルターガイスト現象
最後は煽られカラス神父に乗り移ったものの宿主が窓を突き破り階段を転げ落ち死亡?したので呆気なく物語は終了した
ホラー映画の傑作
悪霊パズズといっても銅像で実態を出さないのが良い
おそらく今ならCGをフル活用するだろうがそれがいけない
見えないのが良い
見えないからこそ恐怖心を煽る
人々の想像力を掻き立てる
首が不自然に曲がり死んだ映画監督の姿も登場しない
刑事がこっそりカラス神父に話すだけだ
それが良い
金田一耕助シリーズなら映像として再現してしまうだろう
それはとてもお粗末なものに
それが良くない
褒めてばかりはいられない
無駄なシーンが多い
冒頭の発掘シーンはいらない
そもそも神父は1人だけでいい
メインはあくまで悪魔少女であり神父のプライベートの詳細はいらない
若いと頼りないから経験豊かなベテランにすればいい
死んだのは神父の母親でなく妻にすれば良い
そのまま老神父にパズズが乗り移り宿主と共に死に絶えジ・エンド
それでいいのに
若い神父の苦悩は監督や原作者からすれば必要なのだろうが
インテリはそれを理解できるだろう
だが僕はもっとシンプルさを求めたい
映画は本来娯楽なんだから
配役
悪霊パズズが憑依する少女のリーガン・マクニールにリンダ・ブレア
リーガンの母親で女優のクリス・マクニールにエレン・バースティン
精神科医なのになぜか神父をしているデミアン・カラスにジェイソン・ミラー
悪魔祓いの経験豊富な老神父のランカスター・メリンにマックス・フォン・シドー
クリス出演の映画を撮影中だった映画監督のバーグ・デニングスにジャック・マッゴーラン
マクニール家の近くで発見されたバーグの変死体について捜査をしている警部のキンダーマンにリー・J・コッブ
デミアンの母親のメアリー・カラスにバシリキ・マリアロス
悪霊パズズの声にマーセデス・マッケンブリッジ
子役だったリンダ・ブレアはやがて大人になりポルノ女優という肉体の悪魔に変貌することになったこともあり感慨深い
世界的に当時の男性諸君の多くは拍手喝采で喜んだだろうが自分としては若干複雑な思いだ
もちろんそれは仕事の一環に過ぎずヌードを披露したことに対しネガティブな論調をする気はないが
あと公開前にジャックとバシリキが亡くなったがそれは偶然に過ぎない
たぶん
やっぱり怖い
昔観たけど、改めて観ると、今見てもよく出来てる。CGとかも無い時代なのに、じょうずに作られてる、バックグラウンドとかをもっと描きたいけど、端折ってなんとかまとめた感はあるけど、それがなんか新鮮に感じた。ラストはなんとも言えないけど、よくできてるなぁーと思う。
公開初日の上映時に異変(?)で、場内ザワザワ
劇場初公開の際、中学生時の1974年7月13日(土)の初日に東急文化会館の「渋谷東急」で鑑賞しました。
劇場内の雰囲気は開始時間が迫ってくるにつれ、普段とは違っている緊張感が漂っているようにさえ感じられ、開始巻頭から静まりかえりました。
前半の何気ない日常の場面から次第に予兆を感じさせる辺りまでで、後半の恐怖シーンへの緊張のボルテージが高まり切った、息が詰まるような感覚のうちに突入していった感じです。
まさに、「未体験の、未知の領域の世界に踏み込んでいってしまった」という精神状態と言うのか。
特に「悪魔憑き」が表面化して以降では、冷静に客観的にストーリーを理解しながら観る、というような次元とは全く違っていたと思います。
劇中に取り込まれて体験しているような、目撃者であるかのような状態というか。
この映画に関しては、この時に全身の神経を動員して注視して、観て感じた事こそが全てだったように思えます。
後年、様々な映画的解釈や解説的な説明、感想が試みられている作品ですが、この初公開時の衝撃やこの映画の本質についてを言葉で言い表すという試みについては困難というか、殆ど不可能に近く虚しいであろうとさえ思えてなりません。
この時から26年の時を経て公開に至った「ディレクターズ・カット版」の際にはこの時とは違い、映画的な受け止め方で鑑賞する事が出来たように思います。
因みに初公開時の鑑賞の際、上映途中でフィルムに異変が。
場内、恐怖(?)に慄きました。
忘れもしない、カラス神父が母親のことで葛藤し、地下鉄の入り口付近で去って行こうとする母親の幻影を見てうなされるシーンの所で突然にフィルムが引っかかったかのように「カッカッカカカ…..」みたいになって映像が乱れて中断したのでした。
「何か起こったのかっ!?」みたいになり、これにより更にゾッとして、何かあるんでは….、状態に恐怖が増幅された事は言うまでもありません。
デジタル上映が一般化された現在では、起こり得ない珍事ですね。
今でも懐かしく思い出します。
ただ、今考えてもこの件に関しては妙に思えます。
それは通常、ロードショー初日の“蔵出し状態”のような真っ新なフィルム(=「封切り」)がこのようなトラブルを起こすということは極めて考えにくい事であり(名画座などでの使い古されたコンディションのフィルムや老朽設備では無いので)、後にも先にもそのようなことが起こったのは、この時以外には経験が無い事です。
そもそもこの当時、公開に先立っては良く雑誌などのメディアで、同期に公開が控えていた他作と共に「巻頭特集」が組まれたりされて、そこに掲載された恐怖場面を抜き出した画像に震え上がり、恐れ慄いて、「観に行く?」、「絶対に観ないしっ!」などと騒いだりに。
同級生の1人などは例の悪魔に取り憑かれたリーガンの顔のアップを「見てしまった」事だけでその呪いを受けたであろうと大いに後悔し、深夜(丑三つ時?)に近所の神社に「呪いのお祓い」詣でたくらいで….. (冗談で無く真剣に)
映画って、誰々と一緒に観たとか、何処で観たとか、あの頃の自分はどうだったとか、色々な思い出と共に記憶されて、決して映画の作品内容だけに限ってのことでは無く、いつまでも自分の中に存在しているような作品って一生物です。
映画も、音楽も、書籍も、何でもかんでも「配信」で処理され、バックグラウンドが伴うことが少なくなった現在の在り方は何だか物悲しい気がしてならないです。
決して、比較してどうこういうつもりじゃ無いですが、今の若い世代が少し可哀想な気がしてしまいます。
まあ、ただの戯言ですが。
世界にオカルトブームを巻き起こした名作!
ホラーベスト5にも入れている名作映画です。しかし、当時子供の頃にはこの映画を観た時は、オカルトという映画にトラウマを感じた作品ともなりました…。
懐かしく当時を振り返ると、最初の上映時はまだ産まれていない時代でしたので、たしか中学の頃くらいにに今では懐かしいビデオテープをレンタルして観た記憶があります。その後にディレクターズカット版が映画館で上映するということで観に行きました。が、怖い怖すぎる。何度観ても怖いのです。前述したように衝撃の映像のオンパレードで途中で映画館を抜けたい気持ちになるほど…。もぅ涙目です。。。
ですが、この映画への感想があるときから変化していきました。割といい大人になりホラー映画にも耐性が付いてきた時に、改めて鑑賞したのですが、単純に怖いだけのホラー映画と語れない感じるものがあったのです。
少女救うため命を張る神父達と母親の姿。少女を助けることが出来ない自分達の力に苦悩しながらも自らの力を信じ戦い続けます。母親からしてどうしようもない少女を命を懸けて救おうとしている神父たちがどれほど心強かったことでしょう。しかし少女にとり憑いた悪魔は、あざ笑うかのように悪態をさらけ出し続ける…。ほんと憎たらしいしいのです。
そして…神父の悲しい結末…もう何とも言えません…
監督はこの映画をホラー映画と単純に片付けて欲しくないといいます。恐怖に克服して映画の本質を知ることができた今はそのメッセージが伝わりました。怖いものに命を懸けて立ち向かう人達の姿、少女に関わる周りの人達の苦悩の日々を描くことで、人間ドラマの一面を持っているのです。まさしく本作が特別に高い評価をされる所以ではないでしょうか。
伝説のカルト映画と言われるのには訳がある気がします。
宗教って…
無宗教の私達には、本当のところはきっと分からないんでしょう…
人間の深層心理も深く関わっていて、見終わった後にはどっと疲れるものがありましたが、50年経って未だこれだけの力を保っているとは…
人間の本質は未だ何も変わっていないことに衝撃。
悪魔払い作品でこれを超えてる作品まだ無いです!
古いとか関係なく こんなに怖くて恐ろしくて
ラストも強烈で公開の時の年代を考ると改めてとんでも無い映画をよく作ったなあって思います 神父が家に到着するシーンや首がグルっと回ったり 緑のゲロのシーンなど名シーンだらけだし 音楽も最高ですし 神父の雰囲気も最高だしホラー映画が好きで相当自分は見てるほうですがエクソシストはオールホラーのベスト10やっても上位に食い込むくらい凄い作品だと思ってます!最近のホラーとかCGでバンバン出まくって逆に全く怖く無いしそれをカバーする為に音響でビビらそうとしてるのが逆に白けるのでエクソシストとかを見習って欲しいって思ってます今時の若い人で古い作品だからちょっとなあって人が居たとしても ホラー好きなら絶対見ないとダメなやつって思ってます(アルジェント作品やカーペンター作品や80年代に流行ったスプラッターやスラッシャー作品も)
とっても面白い
いま配信されているエクソシストは
非常に高画質で、本当に70年代の映画なのかと
見まがうほどなので、全然違和感なく見れる。
内容的にはさすがに知っている映画だが
何となく見直してみたところ
素敵な描写が多く、素晴らしい映画だった。
この監督は、テレビドキュメンタリーの名手らしく
前半の丁寧な人物描写はその手腕によるものだと理解できる。
ただ、この前半部分が後半の加速に比べてものすごくゆったりで
結末や、有名なシーンをみたい勢からすると
退屈そのものであるのも事実。
初見だとすれば、こんな人間ドラマが
あんな事になるなんて…と衝撃もすごかっただろう。
ただ、すべての設定、舞台が揃ってからは
外連味大解放!超絶面白映画であることは
この映画の功績からも疑いようのない名作だった。
現代のホラー映画のような低予算でもなく
しっかりと作りこまれた、こういう映画は今見ても面白いし。
死霊のはらわたのようなアイデアに富んだ低予算ホラーもまた
今見ても十分におもしろい。
ホラーは、素晴らしいジャンルである。
歴史に残る名作
【✦✦ネタバレ無し✦✦】
良質なホラー映画は80年代以前にしか無いのか?というレベルで本作も例に漏れず今観ても迫力満点でかつ面白い、最高の”映画”でした。
エクソシスト。なんか悪魔に取り憑かれてる女の子を悪魔祓いする話って部分は知っている方も多いと思います。あのベッドが浮いてるシーンとスパイダーウォークくらいは知ってる、私もそんな内の一人でした。
もうね、、、、これは人間ドラマなんですよ。
主人公のカラス神父は信仰心100%のすんごい神父とか別にそんな事は無いんです。普通にランニングとかしてるし皮肉もかましちゃいます。そして病気の母の世話をしていて決して裕福でも無く、男としても冴えない。まるでジョーカーの前半を観ているかのようでした。
そもそも意外だったのが、本作はもっとオカルト的な世界観かと思いきや【逆】で、【科学】の進んだ【科学】が信じられている当時の普遍的な世界をベースとして描かれている点でした。
もっとそこら中を神父が歩いているような宗教タウン(言い方)かと思いきや、全然医学の力で解決しようとするし、「悪魔祓い?寝言はよせ笑」なんてノリなんです(笑)。
そう、本作肝なのが最初っから「悪魔よ去れ~~!」なんて濃さは無くて、むしろ「悪魔なの?」「やっぱり変な病気?」みたいな現実的な視点から入っていくところに面白さと【恐怖】が存分に絞り出されているんです!!
『まあ言うてもそういう事が起きるまでの雰囲気は怖いとして、実際の悪魔祓いのシーンは70年代の映画だしチープなんじゃないの?』
・・・・・・・・・いっっっっっっさいそんな事は無かったことをご報告したいと思います。
もうね、怖すぎやろと(笑)。
「子役が悪魔に取り憑かれた演技頑張っとるな~」、なんて次元じゃないんです。もうそこには女の子の可愛さとはかけ離れた恐ろしい悪魔が取り憑いているようにしか見えないんです。実際、本当に撮影中は大変だったらしいですからね。
怖いし汚いし悍ましいしで、この迫力はこの年代のメイク技術と画質と音声の粗さがミックスされた雰囲気でしか出せない究極的な芸術とでも言いますか。
もうとにかく悍ましいんです。やっぱりホラーって昔なんですよね。今のは綺麗過ぎる。
そしてそんな悪夢を乗り越えた先のどこか受験シーズンでも過ぎたかのような達成感。。。。これはショーシャンクの空にでも味わった感覚に似ています。良質な映画ってなんでこんなに後味が良いんでしょう。
是非観てください。今すぐ。
悪魔は、全てを知っている。
/年取った信者を助けろ/デミー、何故わたしをこんな目に/ギリシア語の母の声/私の母ではないっ!/聞くな/この映画を観た人は、デミアン・カラス神父と同じく、悪魔の存在を信じてしまう事でしょう。それほどに、脚本1台詞、演出1場面ごとの説得力がありすぎます。
/なぜ、知っている?/知ってるんだ!/その部分での理性と感情がカラス神父と見事なまでに同調します。悪魔の存在を現わす為の至高の演出だと思います。そしてその悪魔の形が明確になればなるほど、対比する神(全)の存在も、エクソシストの存在も、明確になってゆきます。極めつけは、その広げすぎた風呂敷の畳み方です。oŌmaI gˈɔʃ。ものの5分で、腑に落ちない点がまったく見当たらないほど、現実的に、綺麗に折りたたまれます。そして最後に流れる一度聴いたら永遠に記憶されるチューブラー・ベルズ。正に至高の122分、いえ、悪魔の122分といえる作品です。ウィリアム・フリードキン監督最高。ウィリアム・ピーター・ブラッティ氏最高。マイク・オールドフィールド氏最高。Ms.リンダ・ブレア、Ms.エレン・バースティン、Mr.ジェイソン・ミラー、Mr.マックス・フォン・シドー、Mr.リー・J・コッブ最高。
オカルト映画の古典
超有名な映画だけど、初めて見た!
何ともう50年も前の作品。
単なるホラーを超えた、いや単なるホラ-なんだけど、正しくはオカルト映画?なんだけど、そんなに深みはないのに、なぜか重厚感があって、見応えがあった。
NHK BSプレミアム
神と悪魔
学生時代に周りから煽られ、覚悟して友人と観に行った。 恐怖シーンは指の間から、覗き見して慄いた。
それがこの歳になると、少しも怖くない
神父さんの心の葛藤の方が面白かった。
信仰心とのジレンマ。
そして、神と悪魔との戦い。
スッキリはしなかったけれど、
悪魔は何処かへ飛んで行った。
犠牲を伴い後味悪く。
神はいるのか
神はなぜ黙っているのか
神はなぜ不幸を作るのか
神は共に苦しんでくれているらしい
神はあの世で答えてくれるらしい
あの世の方が永いのだから
悪魔の存在は
人間が悪魔になる
悪霊が取り憑く
そんな考えが交差し終わった。
最大の恐怖場面はカットされていた。
鑑賞価値のある作品だった。
始めて見た
全く怖くは無かった。グロく無かったので、良かった。3人の神父の贖罪なのだろうと思うが、僕はキリスト教徒ではないので、良く理解できないが、アメリカのキリスト教徒のその後に起こった色々な出来事を考えると、不幸の始まりなのかもしれない。悪魔に憑依されたアメリカ。そうではないと否定するが、相手がイラクだけに、見事に予言しているのかなぁ?宗教だけにジョークは言えないが。
あえて、ジョークを言う。南無阿弥陀仏。怖くないが、恐い映画だ。
明後日は真珠湾攻撃の日。それもアメリカにとっては、悪魔の侵略行為だ。今日が12月8日じゃなくて良かった良かった。クワバラクワバラ。
「フレンチ・コネクション」に続くフリードキン監督の見事な演出作品
私の若い頃は、映画にもブームがあって、
初めは「ダーティー・ハリー」や
「フレンチ・コネクション」の刑事もの。
次が「ゴッドファーザー」などの
マフィア映画ブームと
「ポセイドン・アドベンチャー」などの
パニック映画ブーム、
そしてその後に、
この「エクソシスト」をはじめとする
オカルト映画ブームがやってきた。
いずれも、
ロードショーの際は
観客が映画館を取り囲む程で、
まだ映画が芸術文化をリードしていた時代の
日常的な風景だった。
さて、この「エクソシスト」、
おどろおどろしいシーンの描写は
特撮技術の進んだ現代作品に劣るものの、
映像的には印象的な見事なシーンの連続で、
緊迫感溢れる展開は
「フレンチ・コネクション」に続く
フリードキン監督の見事な演出だ。
そして、ロードショーでの鑑賞時点では
知りもしなかったのだが、
私は名優マックス・フォン・シドーを
この作品で初めて目撃していた。
そして、
彼が世界中に名声を馳せることになった
この作品の約15年も前に出演していた
ベルイマン監督作品を鑑賞出来たのは、
後年の名画座上映の時だった。
悪魔の存在を広めた名作ホラー
娘が奇行に走り始めたことに疑問を持ち医者に連れて行く俳優のクリス。しかし、あらゆる検査を行っても原因は特定出来ず…。
悪魔に乗り移られた少女の暴言が今見るとサウスパークレベルなのであまり衝撃的ではなかったが、静寂と陰鬱に包まれた物語と映像は今でも楽しめました。
【”イラク北部で発掘された彫像と銀の装飾品が惹き起こした事”物語構成の妙と、後半の二人の神父の壮絶な悪魔祓いシーンの凄さ。オカルト映画の雄である。】
ー 序盤、舞台はイラク北部の何かを発掘しているシーンから始まる。
地元民が、高齢のアメリカ人に発掘した彫像の頭と、銀の丸い装飾品を見せるシーンと、そのアメリカ人が荒涼とした土地で、不気味な形をした彫像と対峙するシーン。
この冒頭のシーンが、最後半に効いてくる。ー
<Caution 内容に触れています。>
□舞台は、アメリカのジョージタウンに移る。
・デミアン・カラス神父は、高齢の母を見舞い足をもんであげるが、(描かれないが)母は、孤独死を遂げる。
ー 悪魔は、人の心の弱みに付け込むと言われるが、デミアンは母の死を悔やむ。彼が夢想する、地下鉄の入口で何かをデミアンに叫ぶ母。鎖から落ちる銀の丸い装飾品。
そして、ほんの一瞬だけ映るイラクの彫像。ー
・女優クリスの娘リーガンに異常現象が起こり始める。激しく揺れるベッドの上で苦しむリーガン。徐々にリーガンは何者かに身体を支配されていく。
ー 後年、リーガンのモデルになった少年は”抗NMDA受容体脳炎”ではなかったかと言われるようになった。そして、それを題材にして、クロエ・グレース・モレッツ主演の「彼女が目覚めるその日まで」と、土屋太鳳主演の「8年越しの花嫁」が1週間違いで公開された。
2作とも、闘病映画としては秀逸であった。が、今作では時代的にあの現象が病理学的に説明できていなかった背景もあり、壮絶なオカルト映画として描かれている。ー
・クリスの家で行われたパーティで、別の男をナチと罵倒していた映画監督バークは、リーガンの部屋から謎の転落死をする。
ー ここも、シーンとしては描かれないが、バークの愚かしき人間性に悪魔が付け込んだのであろう。そして、ラストシーンをも暗示している・・。ー
・悪魔がリーガンの身体を支配し始める。縄でベッドに繋がれながらも、悪態をつき、緑色の液体を吐き、十字架でリーガンの股間を傷つける。180度回転する首。
部屋の中には、あの銀の丸い装飾品が・・。
ー 部屋の中は、悪霊が支配すると温度が下がると言われているように、寒そうで、皆の吐息は白い。そんな中、リーガンの腹部に浮かび上がった言葉”Help me"ー
・デミアン神父が所属する教会では、友人ダイアン神父を始め、悪魔祓いを決める。そこで呼ばれたのが、冒頭に登場した老齢の男、メリン神父である。
ー 悪魔の言葉を逆回転させるシーンで聞こえるメリンという声。冒頭のシーンと併せ、メリン神父が悪魔と長年関わってきたことが想像できる。ー
<二人の神父と悪魔との壮絶な悪魔祓いのシーン。メリン神父の心臓は止まり、心に母に対する悔いを持つデミアン神父は”私の体内に入れ!”と叫び、悪魔と共にバークと同じように窓から飛び降り、階段を転げ落ち、息絶える。
駆け付けたダイアン神父が、唱える言葉。
そして、ダイアン神父は、長い階段を見下ろし、悪魔が体内から去ったリーガンは何も覚えておらず、母とともに、家を後にする。
矢張り、今作は、オカルト映画の雄であろう。>
のちのホラー映画の元祖的な作品
当時小学生だった私は、テレビで吹き替え作品を見た記憶がありますが、「オーメン」の出来の良さに比べると、いかにもチャチな特撮(当時そう言っていたものです)にがっかりし、大人を驚嘆させたというリンダ・ブレアの神童的(いや、文字通り悪魔が乗り移ったような)演技にも、何も感じませんでした。
ただ、ラストの衝撃と、そのトラウマがゆえに、「エクソシスト・ビギニング」にも手が伸びない作品です。話しそのものは面白いんですけどね。
2017.8.9
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