「そろそろこの映画について書かねばならん。」エクソシスト equinoxさんの映画レビュー(感想・評価)
そろそろこの映画について書かねばならん。
「原点にして頂点」
って結構色んな方面で使われる呼ばれ方かも。
「ホラー映画」の定義が違う人とは
何をどう努力しても最後まで話出来ないし。
ホラー映画を、ワッて背中から脅かすのと
一緒にしないでよ。って言ったって
何言われてるのか理解出来ない人って
結構多いらしくてびっくりした。
これはホラー映画の枠には収められない、
大変な傑作である。
基督教に於いての悪魔についての理屈だけじゃなく
その時代の人間達をちゃんと映さないと
これだけのドラマにはならない。
ロメロ然り、いけにえ、はらわた辺りまでくらいじゃ
ないですかね。キングは映画化すると腑抜けになる。
(勿論、ペット・セマタリー、黙秘は最高です。)
ショーシャンクなんか最低、途中でやめた。
でもって80年代ホラーは全部コメディだ。
真剣に作ってないから。
だから未だに「エクソシスト」頼り。
多分ずっと「エクソシスト」頼み。
あ、「エクソシスト」は原作が凄いよ。
カラスのあくまでも精神科医の立場から、
しかも本当にボロボロの精神科医で
信仰の危機を感じている立場から観察して書かれてる。
当時の「精神医学」なんて「医学という名の宗教」みたい。
「現代医学」を語る人達程「患者」を「理解」せずに
「医学」的な「知識」を崇める。
「現代(この映画から早五十年。)」の
「医学」的な「知識」も何十年後には、
この映画に顕れているような、大掛かりな
金の掛かるコントみたいに見えてしまっているのか。
狂った世界でこんなに真面目に大袈裟に診断したり
本気で怒ったり泣いたり悩んだりすればする程
その力は簡単に「笑い」へと「昇華」してしまう。
「悪魔」はホントにスグ近くに隠れている。
(隠されている?)
重過ぎるって。一人一人が背負っててふらふらで。
真面目な人なんだから!真面目な弱者になれるのかよオマエらは!
だけどここからは負けたら自分じゃなくなる!的な。
確信を持って弱者に棲む悪魔と闘ってるのはメリンだけ。
後はみんな迷いながら悩みながらつけ込まれながら
悶絶モンで悔しがる。人間の弱さ脆さ危うさ丸出しで。
弱いから信じるのか?弱いから悪魔につけ込まれるのか?
常に悪魔を胸に刻んでおかないと
神に気付く事も出来ないのか?
だから悪魔は祓えるけど滅ぼせない。
何故リーガンだったか解らないって?
わかるまで観りゃいいンじゃん?
一言間違えただけでコンプラ「違反」になりかねない。
哀しい。嘆くしかない。
オッサンの涙腺が緩むとはこういう事か。
号泣してしまった。