セントラルパークのレビュー・感想・評価
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その場所を全部撮る
そこに集う人々、そこに繋がる人々、そこで起きる出来事を裏から表まで全部観て遣ろうというワイズマンの面目躍如の一作です。ニューヨーク・マンハッタンの象徴とも言えるセントラルパークでは、新聞を敷いて寝ているホームレスが居たり、ドラッグでデレデレになってる男も居る一方で、無料の野外コンサートでパバロッティが歌い、野外結婚式があり、聖書を説く人が居て、恐竜の鳴き声コンテストがあり、マラソン大会に多くのランナーが集まり、AIDS物故者への追悼集会や同性愛者のパレードがあり、演劇の稽古をする人々、トランペットを吹く人、太極拳に勤しむ人、CM撮影をするグループなど、そりゃあ様々です。そして、それを支えるNPOの管理委員会の経済問題を含めた奮闘。
周囲数キロ四方のこの公園を観ているだけで、「世界は広いなぁ」「人間は様々だなぁ」と思わされるのでした。一方で、アメリカの多様性を象徴するこの場所に社会の問題や偽善の傷口が開いている事にも気付きます。
補遺:本作終盤で、エジプトを思わせる場面の映画撮影が行われている所が取り上げられます。ワイズマンらしく何の説明もナレーションもありませんが、監督はどう見てもコッポラです。
「ええ~っ?コッポラがこんな映画撮ってたのかなぁ」
と帰宅後にこの時代の彼の作品をあれこれ調べて、マーティン・スコセッシ、ウディ・アレンとの3人の監督によるオムニバス映画『ニューヨーク・ストーリー』中の『ゾイのいない生活』中の一場面であると分かりました。はぁ、ほっとした。
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