劇場公開日 2012年5月12日

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ロボットのレビュー・感想・評価

全26件中、21~26件目を表示

4.5恐るべし、なりふり構わぬ圧倒的な印度パワー

2012年5月19日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

興奮

タイトルバックからギラギラのCGだ。
全篇にわたって、リアリティを演出するためのVFXというより、CG使って何が悪いという、開き直りともとれるやりたい放題の映像が展開される。

話はいたって簡単だ。生みの親である博士の彼女に横恋慕するが、想いが叶わず暴れまわるというもの。しかも登場人物は実質5人だけだ。
前半は、ロボットのチッティがもつ潜在能力が次々と披露され、やりすぎのパフォーマンスや勘違いによる失敗で大いに笑える。
一生懸命、人間に気に入ってもらおうと(この時点ではまだ感情を持たないのだが)健気に働くチッティの姿を見るからこそ、後半の暴走に切なさが滲む。

恋に敗れ、創造主に潰されたチッティの悪態ぶりは半端ではない。
ターミネーターとマトリックスとトランスフォーマーが一緒くたになったような暴れようだ。
迎え撃つ警察隊の数も相当なもので、インドのマンパワーも中国に負けないほどスゴい。

インド映画といえば歌って踊ってだが、定石通りメタリックな衣装を身にまとって大音響で踊りまくる。オリジナルは40分も長いのだから、さらに踊りまくっているのだろう。
サナ役のアイシュワリヤー・ラーイは、踊っているときのほうが色っぽい。
歌の歌詞もストレートで分かりやすいい。

VFXはデキがいいに越したことはないが、求められるのはアイデアの面白さと、それを見せるための勢いと遊びだ。こういう荒唐無稽な話ほど、現実離れしたまさかの展開と、ひょっとしたらあり得ると思わせる設定のさじ加減が見る者を楽しくさせる。やり過ぎぐらいのほうがいいのだ。

昔は邦画もなりふり構わず浮世離れをゴリ押しした映画が多かった。いつの間にか、リスクを背負わず行儀のいい作品が多くなってしまったような気がする。日本はコミックなど奇抜なアイデアの宝庫だ。インド映画のしたたかさに負けずにハチャメチャな映画を撮ってほしい。

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マスター@だんだん

4.0ナンだこりゃ!

2012年5月14日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

興奮

こ・・これは・・!

好き嫌いのわかれそうな作品だけれど、個人的には面白かったですv

雰囲気としては、ターミネーター+若干マトリックス+ロボジーのスパイス

。。って感じかなあ。。(わかるでしょうか??)><

まず、ヒロインの女性が可愛いですよね♪

男性の方は、これだけで最後まで見られるのでは??

ストーリーは単純だけれど、哲学もあり、最後はほろっときます。

あと、「なんだかよくわからないのにマトリックスに見える」

アクションシーンがなかなか派手でゴージャスです。

ムトゥがお好きだった方は、また違ったインド映画ということで。。

ダンスシーンが少ないのが残念だけれど、インド脳で見るとのれます♪

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まごちゃん

5.0何とも言えない面白さ

2012年5月14日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

ツッコミさえ忘れさせる奇抜な映像の数々!

メッセージ性を見つける事はできるが,
そんなん無駄無駄無駄!

バカバカしいハチャメチャぶりを,ただ無心で全身に浴びよう。

インドが誇るスーパースター
『ラジニカーント』の見事な俺様ムービー。

めっちゃ面白い。

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AKIRA

5.0抱腹絶倒、ハイレベルなエンタメアクションに驚愕

2012年5月9日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

笑える

単純

興奮

一か月ほど前

youtubeで観た動画に唖然とさせられた
キャラの濃そうなオッサンが、武装した警察相手に大暴れ
そのデタラメな破壊力は圧巻で、今まで観たことがなく
思わず「凄え!」と声を上げた
それが本作「ロボット」のトレイラーだった
これは絶対に観たいと思わせる、麻薬的魅力を嗅ぎとった

「ターミネーター」より強く「トランスフォーマー」より人間臭く
「ATOM」よりオッサンで「リアル・スティール」より感情豊か

そして待ち望んだ本篇も、事前の高い期待を裏切らない
ここまでの刺激は、なかなか出会えない
話題に上っていないが、エンタメ性はここ数年で随一だ

バシーガラン博士は、美人の恋人サナを放置し
ロボットの開発に没頭、自身に似た風貌のロボット、チッティを作る
完成度を高めていく中で、チッティに感情を施すバシー
その結果、サナに恋してしまうチッティが安定を壊す
チッティとバシー、サナの運命やいかに というお話

お話はシンプルも、テンポ良く見飽きることはない
基本的に、リアルな話にコミカルを織り込むが
ちょっとした皮肉が、いいアクセントになる

人間に危害を加えてはならない
命令に服従しなければならない
自己を守らなければならない

アシモフのロボット三原則を否定したのも面白い
ロボットの人間化は、人間そのものを見つめ直すことに繋がる
感情持たない危うさ、軍事転用、他人を追い落とすこと
これらは業深き人間への皮肉に他ならない

ただ雰囲気はコミカルで、決して堅苦しくならない

主演は「ムトゥ踊るマハラジャ」ラジニカーント
クレジットに“スーパースター”と冠されたカリスマに笑った
彼の映画を観るのは「ムトゥ…」以来

また目を引くヒロインは アイシュワリヤー・ラーイ
ミスワールドで、華やかな美貌に溜息漏らした
「マイネームイズハーン」のカージョル
「スラムドッグ」のフリーダ・ピントといい、最近インド美人が熱い

また言葉も面白く
英語かと思えば、判らない言葉=タミル語が入り混じり
独特の雰囲気を醸し出している

またロボット、チッティのビジュアルも印象的
ダークサイドに堕ちたチッティは、一代前の北の国の独裁者にも見え
ゴルゴ13にも見え、ついには松方弘樹にしか見えなくなった
しかも、一皮剥けば浪越徳次郎似の緊迫感ない面白フェイス
エンタメを意識した作り込みがいい

だが、やはり一番の見所はアクション
序盤の列車での多人数掛けでハートを鷲掴みし
段階的にスケールアップする予測不能なアクションは
豊富なアイディアの元に、次から次へと畳みかける

その描写に抜かりはなく
アリエナイ展開を、理屈抜きで見とれさせる
途中描かれる“蚊”との戦いも独特で嫌いじゃない

行動に対するテクノロジーの無駄遣いも相まって
最高に贅沢なお遊びが、これでもか!としつこく押し寄せる
最後まで、妥協のないテンションが維持される

この面白さ、言葉では伝えきれない

しかしなにが凄いって、この映画を作ったことだ
ヤラれた感がとにかくデカい

「ターミネーター」を凌駕するアビリティを持ちながら
力を駆使する理由は、自身の恋愛のため
決して世界征服や、類全滅など仰々しくしない
高すぎる能力に見合わない目的が、実にユニークだ

日本だったら、きっとこのネタに多額の製作費は掛けられない
もっと低予算で、ほどほどの作りになるだろう
ハリウッドだったら、逆にこのテンションでは作らせて貰えない
もっと壮大で、シリアスな世界観を求められそうだ

潤沢な資金なのに、制約の少ない自由な発想の具現化
マイケル・ベイが羨む声が聞こえてきそうだ

終始コミカルに引っ張るも、ラストは名作ロボット映画を思わせ
しんみりとさせてくれる
笑いから人情まで盛り込み、余すことなく駆け抜ける
最後までテンポよく、139分という長さはあまり感じない

蛇足だが完全版は3時間弱
日本版はボリウッド映画特有のダンスシーンがカットされたそうだ

これぞエンタテイメントの極み
「スラムドッグミリオネア」に「マイネームイズハーン」と
シリアスなボリウッド映画に、すっかり魅せられていたが
アクション&コミカルな作品まで登場とは、全くもって恐れ入る

間違いなく、オレの映画史に刻まれる一作
とにかく笑いたい、派手なアクションを観たい
老若男女問わず、そんな人に勧めたい
たった1800円の最高にコストパフォーマンスのいいアトラクションだ

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いおり

3.0良く言えば寓話的。

2012年5月3日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

楽しい

単純

本国版から約40分短く再編集しても139分、よほど踊りが好きなんですね。観ている最中は何じゃこりゃ感たっぷりなんですが、終わってみると寓話的というか。でも去年デリーで経験した階級社会の現状が脳裏にあるので微妙でした。あと、宣伝物のメインビジュアルは単なるワンシーン(踊り!)で、本筋と関係なく、あざとい狙いが…。女性ロボットは出て来ません!★3.0 http://coco.to/4034

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dekatter

5.0今後のインド映画は、CGによる驚異的な描写を武器に世界的にヒットしそうな作品を続々送り出してくる予感がしました

2012年5月2日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 歌とダンスのインド映画の伝統も残しつつ、IT産業の隆盛著しいインドの技術革新が映像分野にまで及んでいることを印象づけたオープニングでした。
 オープニング・クレジットでは、本編で登場するロボットが組み立てられるところを精巧に再現していきます。その質感、緻密さはハリウッド映画と遜色ないレベル。本作も既に世界100億円の大ヒット。今後のインド映画は、CGによる驚異的な描写を武器に世界的にヒットしそうな作品を続々送り出してくる予感がしました。

 ロボットに感情を与えることで、暴発していくのはこの手のジャンヌのお決まりかと思います。でもそこはインド映画、展開の仕方が半端ではありませんでした。
 前半は、ヒロインを守ろうとするヒーロー映画もののタッチ。ところが博士に嫉妬していた悪徳工学博士の手によって殺人ロボットに改造された後半では、自分のダミーロボットを製作していき、まるでターミネイターのように人類に挑戦するロボット軍団の頭目に納まっていくのです。

 バシー博士が開発したロボットのチッティは、ちょっと目を離すと、警官に怪我を負わせたり、やりたい放題。まぁ、その程度ならかわいいのものです。ところが博士の恋人のバシー博士の恋人サナが暴漢に襲われると、一躍自己の持つ超人的な能力を発揮。列車の車内でバッタとバッタとなぎ倒していくのです。唯一の欠点は、バッテリーチャージが切れること。でも自分で電源を見つけて、再びサナの救出に向かうところなんぞ、なかなかのタフガイぶりを見せてくれたのです。

 でも、この大暴れがたたって、バシー博士が目指すインド軍への採用は見送りに。その影には、博士に嫉妬していた悪徳工学博士の妨害がありました。
 汚名挽回とばかり火災現場で救助活動にチッティは大活躍したものの、最後の裸の少女を裸のままで救出したことが非難の対象とされてしまいます。ロボットのチッティにとって人間の羞恥心など理解しようにもできなかったのです。
 裸の少女が救出されて事故死してしまうシーンは、いささか強引な展開でした、またCGも荒かったです。全体で3時間の長編を日本公開に向けて半分にした結果、このシーンのほかかなり飛び飛びになってしまったシーンがありとても残念です。DVDでは全編の公開を望みたいですね。

 博士はチッティに人間の感情を与えようと様々な教育に取り組みます。この辺のアプローチはなかなか東洋哲学的で、さすがはインド映画だなと思えました。特に博士が重視したのは、チッティに無常観を教えることだったのです。人の死と苦しみを分かられるために、仏典を記憶させたり、墓場や葬儀に参加させたりしていました。
 本作では、チッティの成長を通じて、命とは、人間の尊厳とは陰で問いかけているようにも思えます。

 こうして、感情を得たチッティはこともあろうにサナに恋をしてしまいます。博士の理想的な姿として仕上げたチッティはサナの機嫌を取ることも上手。博士は次第に自分が作った自分の分身であるロボットに嫉妬してしまうところが、なかなかユーモラスでした。サナに告白するものの振られて落ち込むチッティには、ちょっと同情。観客の目にも単なるロボット以上の存在としてチッティに感情移入してしまうことでしょう。

 後半の展開は先読み不能の怒濤の展開となります。恋敵となったチッティは博士の手で破壊されるものの、悪徳工学博士の手で殺人バージョンチップを埋め込まれて復活。チッティは、博士への復讐と、サナを手に入れるために手当たり次第に破壊し、警察や軍隊を殺戮し始めます。当初は単独だったチッティでしたが、悪徳工学博士の研究施設で仲間を量産。大勢の分身をくみ上げて、龍となったり高いタワーとなったり、巨大なロボットになったり自在に変形してインド国軍を翻弄します。
 このへんのぶっ飛び方は派手なハリウッド映画もしのぐ描写であり、さすがはインド人の考えることはひと味違うものだと感心しましたね。とにかくラスト40分のアクションは必見です。そして、チッテイの暴走を止める博士の知略に満ちた対応も見物でした。

 博士役とチッティの2バージョンの3役を演じ分けたラジニカーントの演技力は凄いと思います。全く別人のように画面に写っていました。演技だけでなく、『ムトゥ踊るマハラジャ』で注目されたダンスパフォーマンスもきっちり見せてくれます。このダンス&ミュージックも伝統的なインド映画のそれではなく、『スリムドック$ミリオネア』でアカデミー作曲賞を受賞した天才ミュージシャン、A.R.ラフマーンのノリノリのテクノ
サウンドにのせて繰り広げられるところがポイント。金銀輝くメタリックなダンスシーンがいかにも近未来のダンスパフォーマンスを感じさせてくれました。
 さらにサナ役のアイシュワリヤー・ラーイも1994年のミスワールドに輝いた存在だけに、なかなかセクシーで今後のワールドワイドな活躍が期待できそうです。

 とにかくインド映画のイメージがガラリと変わる、目からうろこ的な作品でした。

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流山の小地蔵