「なんだかジャックがパっとしない作品」パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊 アイダホさんの映画レビュー(感想・評価)
なんだかジャックがパっとしない作品
これ、ジャック・スパロウ出す意味あったのかなぁ?
というのが正直な感想。外伝『キャプテン・バルボッサ』を見てる気分
バルボッサと娘のカリーナとの絆いいよね的な
序盤のうだつの上がらない落ちぶれたジャックが後半に連れて活躍するってわけでもない
ただの酔っ払いのマスコットって感じが強まり、運と閃きでひっかきまわすトリックスターという魅力が薄れてしまった
コンパスを1杯の酒と交換するのは流石にライン越えでしょ…情けないシーンばかりでカッコいいシーンがなーんもない
過去の栄光が回想でのみ語られるっていうのは寂しい限り
ターナー君とエリザベスが出てきたところは懐かしさを感じたけれど、「全ての呪いはポセイドンの槍」とか言われてもイマイチ盛り上がりに欠けるし、世界観が小さくなったようにも思える。
呪いっていうのはこう、正体不明で理不尽だから怖いっていうかロマンがあると思うんだけど、実はバルボッサが既にすべての呪いの原因を見つけていて、今回はそれをその地図通りに見つけて終わりっていう流れで、いまひとつ冒険感というものが薄い。
敵もバルボッサ(不死身の海賊)→デイヴィ・ジョーンズ(海の魔物)→黒ひげ(実在の伝説の海賊)
からスケールダウンした感は否めない。いやまぁ前作の黒ひげ自体結構期待外れだったけどさ…というか黒ひげの時も父と娘ネタやったよな?
地上に上がれないネタはジョーンズでやったし。「呪い根源は同じ」っていう伏線なのかもしれないけど、二番煎じ感は否めない
海賊同士の荒くれものヒャッハーな雰囲気も薄れたし、すっかり角が取れた原石って感じ
この刺激のなさは徐々にマイルドになっていった「ヴェノム」シリーズに近いものを感じる
とはいえバルボッサがかっこいいってだけである程度は面白いし、夏休みとかでファミリーで見るならいいんじゃないかな

 
  