「うーん…とにかくジャックが情けなさすぎる。」パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊 桜さんの映画レビュー(感想・評価)
うーん…とにかくジャックが情けなさすぎる。
先にいい所から。
・ウィルとエリザベスの子供と、なんとなんとバルボッサの子供を出したのは面白かった!その2人がくっつくのも海賊の血って感じだし、そこはウィルとエリザベスを見ているようで良かった。
・バルボッサの最後には、男らしさが垣間見えて感動した。ただ、別にあの状況だったらカリーナを助けつつ逃げられたような気がしたけど、まぁそこは大人の事情とかあるのかもしれないし、美談としてこの結末になるのもありかもしれない。
・今回初めて明かされるジャックの少年時代というのも、「ジャック・スパロウ」という偉大な海賊が出来上がっていく様を見れたのでよかった。
ここから良くない所。
・そもそもジャックいる?という話。
普通にヘンリーとカリーナの2人でどこからか船と乗組員を金貨か何かで手配して、真っ直ぐポセイドンの槍まで向かっていけばいい気しかしないし、寧ろジャックがいるせいでサラザールに追いかけ回される羽目になっている感じが否めない。全然ジャックも活躍してないし。
・しかもそのジャックが情けない事限りない。
冒頭から仲間に見限られて、飲んだくれた挙句酒をコンパスで買う始末。
彼にあんなバックグラウンドがあるなら尚更酒代になんて使う筈がない。
からの、普通に飲んだくれて海軍に捕まるとか、見てられなかった。ジャックを探しに来たヘンリーにナイフ突き付けるとか、その辺の雑魚海賊じゃないんだから、せめて一作目のように堂々と捕まってて欲しかった。
そして終始逃げてばっかり。
2作目でも逃げ続けていたが、仲間とパール号の為に戻って来たあのシーンには本当に痺れた。でも今作はそういうシーンゼロ。ホントに何しに海出たの?という感じ。
サラザールとの戦闘シーンも、見せ場なくオドオド逃げ惑いながら何とか勝てたという感じで、本当に情けない。
それに、ジョニーデップの演技のせいなのか、今回吹き替え版で視聴したが、何か声が終始情けなくないか?
うわーーとか、ぎゃーーとか、これまでのジャックだったら大事な場面ではもう少し落ち着いてかっこよかったし、叫び声まで吹き替えしているせいで、余計情けなく聞こえる。ヘンリーーーとか叫ばないで、と思う。ダサすぎる。
・サラザールが弱いし、頭悪過ぎる。
このシリーズは各作毎にボスがいて、そのカッコ良さもパイレーツの魅力の一つだが、今作が一番弱いと思うし、要所要所頭が悪過ぎて、全然覇気とかカッコ良さが感じられない。
亡霊だから死なない所とか、檻とかすり抜ける所とか、デイビー・ジョーンズの劣化版みたいで既視感があったし、呪いが解けて死ねるのとか、一作目のバルボッサじゃね?と思ってしまった。
作中でもずっとバルボッサの言いなりだし、ジャックへの恨みも自業自得感が否めないし、逆恨みの単なる殺戮者にしか見えなかった。
しかもそのサラザールが魔の三角海域から抜け出せる理由も過去作と辻褄が合わない。
4作目までで、ジャックがコンパスを手放す瞬間なんて何度もあったのに、今更売ったくらいで復活するのっておかしくない?
まぁあんまり映画にメタ発言するのは好きではないけど、それにしても無理矢理すぎるなぁと。
こんな所かな。
またスピンオフ?って感じ。
ヘンリーの父親を救いたい所とか、サラザールの劣化版デイビー・ジョーンズみたいな所とか、昔の仲間がいたりいなかったり(コットン、ピンケル、ラケッティは?)だとか、森で罠にかかって捕まる所とか、過去作をオマージュしたスピンオフか別のB級映画にしか見えないというのが感想。
一回目を映画館で見終わった直後は、まぁ面白かったかなとは思ったが、2回目3回目を過去作と連続して見ていくと、まぁ粗が目立つこと目立つこと。
個人的には、パイレーツシリーズで1番の駄作だと思う。期待していただけに残念だ。
こんな感じでどんどん劣化していくなら、変にデイビー・ジョーンズとか復活させないで、パイレーツ自体を終わりにした方がいいのでは?
以上、長々とお読み下さりありがとうございました。
追記:今作では4作目まで素晴らしい音楽を担当していたハンス・ジマー氏が、降板していたよう。
だから過去作の音楽ばっかり使ってて、全体として新しめのないつまらない音楽だったのか。