「がっかりのパがすごい。」パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊 tera.さんの映画レビュー(感想・評価)
がっかりのパがすごい。
[がっかりその1]
ウィルターナーとパール号
オーランドブルーム出演ということで、ダッチマン号の船長という非常に面白い設定のキャラがどう活躍するか楽しみだったが、期待は完全に裏切られた。
ダッチマン号船長としての活躍シーンが全く無いまま呪いが解けるのはがっかり。ダッチマン号の船長になった意味が全くない。(3作目以降は出演したくないという本人の希望が尊重されているのか)
瓶に入ってるパール号という面白い設定も全く活かせてない、全く。
(前作ラストシーンでの、
ギ「ジャック、そいつを瓶から出すにはどうするのか知ってんのか?」
ジ「これを中から出すには、、、、石弓と、砂時計と、三頭のヤギが必要だ。それから、おれたちのどちらかがラッパを吹けるようにならなくちゃいけない。」
ギ「ヤギを飼ってる男なら知ってるぜ」
という伏線を回収することもなく、、というかこの設定はガン無視でパール号は救出される。ヤギを飼ってる男って誰だったんだよ。)
以上の3作目と4作目の遺産の回収がなされないまま今作のストーリーは暴走する。挙げ句の果てには海賊なのに地図を投げ捨てて星を見て航海するぞ!とか言い出しちゃう。
[がっかりその2]
登場人物について
①サラザールの乗組員たち
3作目までは、敵船の乗組員は個性派で見応えがあったが、今作の敵船乗組員はほぼ船上で刀を振ってただけ。もったいない。
②囚われの身のスキンヘッド魔女
なにもしてない。見た目のインパクトのみ。1作目でのティアダルマくらいの活躍はしてほしい。ほんとになにもしてない。次回に期待だが、ジャックとの接点がないように思えたのでどうなるのか心配。
③デービージョーンズ
ラストシーンでデービージョーンズのフジツボが登場した。もし仮に生き返ったとしたなら、万能の秘宝「ポセイドンの槍」(チートアイテム)でこの世の全ての呪いがなくなったのになんでまだ彼だけタコなのか。本作の設定とは矛盾している。
④バルボッサ
映画のポスターにも毎回描かれるメインキャラを簡単に死なせるな。次作があるならバルボッサの欠場はかなり痛い。また生き返ることになったらほんとになんでもアリになってしまうのだが、、、。
⑤ジャックスパロウ
今作では頭脳派という感じではなかった。このシリーズは、ジャックの駆け引きや、とっさの判断が見ものであったが今作では目立たない。
⑥サラザール
頭が悪い。おそらく歴代最弱、今作でもバルボッサの言いなりである。かつての悪役たちはカリスマ性をもった強敵だったが、こいつはそういった感じではなく、ただ復讐という感情に突き動かされてる感じ。ジャックを捕らえる作戦はなく、目の前に現れたジャックを追いかけるのみ。ポセイドンの槍の力でジャックを振り回すシーンも、ジャックへのダメージはなく、なにをしたかったのかわからない。ラストシーンで使った「憑依」する能力をもっと活かしてほしい。
最後に、サブタイトルの「dead man tell no tales」は、東京ディズニーランドのアトラクションで乗船中にアナウンスされるほどのこの物語にとって大切なキーワードであるが、それが邦画タイトル、字幕版では伝わらない。やや仕方のないことのように思えるが、これは残念である。
このシリーズは3作目までが本編で、4作目、5作目はスピンオフといった感覚。