「トニー・スタークを明確に深堀り出来た作品」アイアンマン3 NandSさんの映画レビュー(感想・評価)
トニー・スタークを明確に深堀り出来た作品
前提として
・多分3回目。
・原作と思しきものは未読。
・フェーズ1のMCU作品は全て視聴済。
・シェーン・ブラック監督の他作品は未視聴。
『アイアンマン』シリーズの中で一番好き。
まず何よりも、まとまりが良い。
『アイアンマン』『~2』とは違った角度だが、"トニー・スターク"というキャラクターが自身の過ちやトラウマを克服していく構図としては同じ。かつメンターのような存在も出てくる。今作はこのメンターに対しての唐突感や忘れさられている感が無かった。
今作のメンターと言えばもちろんハーレー君のこと。癒し役も兼ねている。今作ではDUM-EとU(あのかわいいロボットアームのこと)が中盤居ないので、彼には大いに助けられる。
戦闘シーンも楽しい楽しい。
トニーの天才的な頭脳と生身では皆無の戦闘スキル。スーツが無い時の臨時の戦闘方法が特に面白い。そこに付随して科学捜査的なシーンも、トニーの新たな魅力を見出して面白かった。
ローディの戦闘シーンも、対比が効いていて面白い。スーツで戦闘するシーンはほぼ無かった、むしろスーツを着ているときの方がやられている印象の彼。生身でトニーと敵地に侵入するときが非常に面白かった。ヒーローの前に、ローディが軍人であることを実感させる良いシーン。
そしてエクストリミス・ソルジャー。今までの二作と違い、まさかの超人兵士。銃で撃たれても即座に回復。腕を斬られても回復。爆発もなんとかなる。もはやゾンビ。この緊迫感が良い。大体捲いて逃げるかトンデモ火力でぶっ飛ばすかの二択なのも丁度良い。
そしてもちろんアイアンマンスーツ。今回のメインはMark42。愛嬌があり、決める時は決めるが基本的に抜けていたり、遅刻魔だったり……。これまでのスーツには無い魅力があった。この末っ子大好き。
DUM-EとUの動くところももう少し観たかったけど、その分息子たち(スーツ)の魅力が目一杯あったので良しとする。
他にも見どころはたくさんあるし、音楽だって最高。"アイアンマン"っていうより"トニー・スターク"っぽい音楽。
それでも気になるところというか、ケチをつけれるところはある。
上映時間が若干長いこと、序盤がローテンションで始まったこと、VFXが若干甘いところ、「私はアイアンマンだ」の効力がぼやけてしまったところだ。
逆に言うとそれぐらいしかない。
エンタメとして色々な箇所がパワーアップしつつ、人間ドラマとして主人公の深堀りをしっかりとしつつ、MCUのフェーズ2として最高のスタートを切った。そんな作品。
