「何故にこんなにも涙溢れるのか。」シュガー・ラッシュ ロロ・トマシさんの映画レビュー(感想・評価)
何故にこんなにも涙溢れるのか。
これって方々からも云われてますけど、自我を持つってところがゲーム版『トイ・ストーリー』とも云えますよね。
ゲームキャラクターには実はそれぞれに自己が在って、それぞれのポリシーで以ってヒーローや悪役を演じているという。
この映画の主人公は「悪役」を演じてるんですけど、実際の性格も悪いのかというとそんなことはなく、悪役達だってヒーローやモブキャラと変わらずれっきとした一個人であり、役柄に悩み抱えてたり又は誇りを感じていたり。
別のゲーム同志で交流持ったりもしてるから「悪役の集会」や「バー」やらコミュニティまで存在してるという。悪役も夜はバーで愚痴ったりしてる訳でw
んで、その別のゲーム達との交流の舞台というのが、これが非常に上手いなあと感心したんですが、「とある老舗のゲームセンター」に限定したとこです。
ネットなんかで全世界に繋がってるとかじゃなく、コンセントを介してゲームとゲームが繋がっているという。ゲーセンがもう彼らキャラクターの生活圏。
だからアーケードゲーム機が壊れたり飽きられたら撤去されてお終い、という危うさに常日頃晒されてるんですよ。
つまりはこのゲーセンという小宇宙で形成された世界で、自分の住まうゲームという惑星が消されたら自身も消滅するか、コンセントの端っこで漂流者になってしまうか、という二者択一。実は人間社会よりかなり殺伐としてる。
全くこんな物語世界を作っちゃうディズニーはめっちゃ残酷だなと思ったしピクサーより狡猾だと思いましたよ。本家凄いですわ。
で、それらのルールなんかを観賞の前半で踏まえる訳じゃないですか。
後半はもうね、涙が止まらなくなってくるんですよ。
切ないのか哀しみなのか嬉しみなのか感動なのか。
もう色んな感情ごちゃ混ぜになって。
恥ずかしいぐらいに号泣しちゃって。ハンカチで目元覆って観とりました。
久々に涙腺やられちゃいましたね。ハイ。
必見でございます。