「楽しいけれど、平均年齢もテンポも若干ダウン」REDリターンズ 浮遊きびなごさんの映画レビュー(感想・評価)
楽しいけれど、平均年齢もテンポも若干ダウン
退職した危険なエージェントが暴れまくるアクション映画
『RED』の続編。監督は前作のロベルト・シュヴァンケから
秀作SFコメディ 『ギャラクシー・クエスト』等の監督
ディーン・パリソットに交代。
* * *
相変わらず老練な戦いぶりを見せるフランク、
予測不能の行動で場を引っ掻き回す恐るべき恋人サラ、
敵に回したら世界一怖いおばあちゃんヴィクトリア。
前作のエキセントリックなキャラ達が再び大暴れ!
前作からの続投組はもちろん、新キャストも楽しい。
フランクに恨みを抱く凄腕の殺し屋役にイ・ビョンホン。
前作でカール・アーバンが演じた役に近いポジションだが、
さすがにアクションは他のキャストより遥かにキレッキレ。
彼とフランクのファイトシーンやコンビニでの大暴れは楽しかった!
キャサリン・ゼタ・ジョーンズは元KGBで主人公フランク
の元カノ。フランクとの息の合ったアクションが良い。
嫉妬に狂う今カノ・サラとのみっともない意地の張り合い
(まあみっともないのは全部サラの方だが)も笑えます。
そして、大好きなアンソニー・ホプキンス様が大活躍!
長年の幽閉生活で完全にイッちゃってる科学者役で、
ニカニカ笑いながら人に迷惑をかけまくる(笑)。
飄々とした雰囲気で振り幅の広~い役をこなしてきた
彼ならではの役で、なんかすごく生き生きして見えた。
* * *
ただ残念なのは、キャサリン・ゼタ・ジョーンズも
イ・ビョンホンもまだまだ若い。
いや、ふつうは誉め言葉なんだけど(笑)、
モーガン・フリーマンやリチャード・ドレイファスが
出てた前作よりも平均年齢はダウンしているので、
今回は『リタイア組がんばってます』感が
なんか薄れちゃったような気がするなあ。
あとは、テンポもずいぶん悪くなったような気がする。
冒頭から派手なアクションがあるのでワクワクしたけど、
実はアクション的な見せ場は案外少ないし細切れ。
アメリカ・欧州・ロシアとあちこちに舞台を移すのも、
スケールやスピード感が出たというより散漫になった印象。
あんまり舞台を移さずにどっしり腰を据えて、
見せ場ひとつひとつを丁寧につなげて見せて欲しかった。
それに! 何より! マルコヴィッチが大人しい!
前作であんなにブチキレてたのに、どうしたのさ!
ブタちゃんのぬいぐるみで敵を爆殺してくれよ!(爆)
* * *
とまあ、前作ほどにハッチャケてなかったなあという
印象はあるのだが、相変わらず笑えるシーンが多く、
適度なサスペンスも盛り込まれた楽しい続編でした。
あの黒幕の正体には驚いたしね。
観て損ナシの3.5判定で!
〈2013.11.30鑑賞〉
余談:
ところでイ・ビョンホン氏。『G.I.ジョー2』と同じく
またしてもムダに脱いでバキバキの筋肉を披露(笑)。
ひょっとしてハリウッド映画に出るときは
毎回脱ぐ契約になってるんだろうか、この方……。