「オトナってなんだろう?」映画 ひみつのアッコちゃん harukitaさんの映画レビュー(感想・評価)
オトナってなんだろう?
私がテレビで「ひみつのアッコちゃん」を見ていたのはおそらく昭和40年代のことであろう。
当時少年だった私は「魔法使いサリー」や「ひみつのアッコちゃん」を特に女の子向けなどと思うこともなく、フツーに見ていた記憶がある。
それから40年近く経って、実写版「ひみつのアッコちゃん」が綾瀬はるか主演で上映するとあっては、実に興味津々である。しかし、さすがに中年男が1人で観るにはチョッとということで、妻と2人での鑑賞となった。
本来「ひみつのアッコちゃん」と言えば主役は少女であるが、本作は大人に変身したアッコが主であり、大人に変身した子供の視点で描くアッコちゃんなのだ。なので本作の中心人物はアッコやモコやタイシヨーやショウショーではなく、大人になっている間のアッコちゃんと会社の人たちの話である。良く言えば子供にも大人にも楽しめる作品だが、悪く言えばどっちつかずの作品とも言える。
主演の綾瀬はるかが良くハマっていて、本当に小学生が変身している様に違和感無く魅せてくれた。もしかしたら彼女以外この役は出来なかったのではないか。大杉漣、谷原章介はさすがだ。大爆笑。
個人的な感想としては、後半よその国が会社を壊そうとする下りがあるのだが、それほど世界を広げなくても良かったように思う。
そしてラストの後日談(10年後)は、エンドロールの後に入れた方が良かったのではないか。主役の二人が見た目全然変わっていないので、一区切りつけてからのほうが効果的だったと思う。
しかし良く考えてみたら見た目は大人なのに、中身は子供なんて人は結構いるのではないか。かくいう自分も「ひみつのアッコちゃん」を楽しく観ている中年男なのだから笑えない。香川照之演じる"鏡の精"がアッコちゃんに言った『オトナってナニ?』というセリフはこの映画を観た人すべてに投げ掛けられた言葉なのかもしれない。
子供がなりたいと思えるような大人になりたいものである。
(汗)である…。