「観たかった度○鑑賞後の満足度△ 忍耐を強いられる135分。強いられないのは睡魔。「鬱」というものを映像化したかったんだろうな、とうっすらと分かるけど鬱病罹患者にとってはこんな甘いものではない。」メランコリア もーさんさんの映画レビュー(感想・評価)
観たかった度○鑑賞後の満足度△ 忍耐を強いられる135分。強いられないのは睡魔。「鬱」というものを映像化したかったんだろうな、とうっすらと分かるけど鬱病罹患者にとってはこんな甘いものではない。
①名作といわれる『ダンサー・イン・ザ・ダーク』は私の嫌いな映画十指の入るので、ランス・フォン・トリアーとはとことん相性が悪いんでしょうね。
②2時間も自分の結婚式に遅れたのに済まなそうな顔もしない花嫁。その後も花嫁に求められる必要最低限の笑顔はするが、それ以外は仏頂面の花嫁。そのうち花嫁なのに席を外すことが多くなり、結婚式に乗り気でないのがバレバレになってくる。はじめから鬱状態だった様。
ブチブチ文句垂れる俗物の義兄、みんなの間を駆け回って何とか収拾をつけようとする姉(キルスティン・ダンストとシャルロット・ゲンズブールはとても姉妹には見えないけれど)、若くて豊満な両ベティを両手にご機嫌なジョン・ハートの花嫁の父(だが、余計なことを言って元妻を怒らせる)、それに応えて結婚式の席上で「結婚なんて意味がない、こんな式なんて馬鹿馬鹿しい」と言い放つシャーロット・ランプリング!の母親、花嫁の自己チューにキレて顔を見まいとするウド・キアーがおかしい、等々いやもうこんなに気の滅入る結婚式は今まで出席者したことがない。でも他の出席者は楽しそう。なんで?
それに衛星(「メランコリア」)が地球に衝突するかも知れないことに対する心配や不安も全くないようだし。
③鬱病になると頭の上に黒い雲がいつも乗っかかっているような気分になる(実体験)。
地球に迫ってくる衛星(「メランコリア」)はその暗喩だと思うが、義兄は自殺し、一番平常心があったようだった姉は取り乱して泣き叫び、鬱病の妹は逆に微笑さえ浮かべてしっかりと最後を迎える。
“だってアタシもう経験しているもの”。
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