「ワケ有り物件はルームロンダリングしてください!」ドリームハウス kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)
ワケ有り物件はルームロンダリングしてください!
ジム・シェリダン監督がサイコスリラーを描いていたとは驚き。しかも中盤にはいきなりのどんでん返し的な展開が待っている。あ、早くないですかネタばらし?などと思いつつも、キング作品のような雰囲気がビシビシと伝わってくるのだ。
小説家というか文筆家?のウィル・エーテンテン。名前からして怪しいダニエル・クレイグだったが、家族を愛する優しいお父さん。郊外の家に引っ越してから、地下室で町の不良たちが殺人現場である家を崇めているというおぞましい光景。先に住んでいた妻や娘たちは気づかなかったのか?とか、そんなところに隠し部屋が!とか、ハテナマークが次から次へと浮かんでくる序盤の展開。いや、その前に近所の評判とか不動産屋とか、ワケ有り物件だと説明しなかったのか?
という不思議感は丁度中盤で明かされる。皆殺し事件の犯人と思しき人物ピーター・ウォードを探っていくと、更生施設を出所したばかりで、その部屋にはウィルの家族の写真があった。精神病院で説明を聞いていると・・・なんと自分がピーターだった(驚)。なんということだ。一家を惨殺したのは俺だったのか。頭にも銃創があるし・・・
頼りになる者は向かいに住むバツイチ奥さんナオミ・ワッツだけ。最初はみな彼に近寄ってこなかった理由もわかり、自分が犯人でもいいから5年間妄想を続けた過去を取り戻したかったのだ。結局、家族の幽霊を見ることができるのは自分だけ。立ち退きを食らっても愛し続けていたいと家族想いの悲しい心が伝わってくる。いや、あんたが殺したんじゃないよ!と徐々にクレイグに感情移入しやすくなってくる展開だ。
真犯人が「家を間違えた」とか言ってたけど、「右側3軒目」とジャックが言ってたから、ジャックが間違えたんだろ~と、最後はハラハラさせられもするが、やっぱりジェームズ・ボンドだからと安心して見れた。