「ホームズとワトソンの「微妙な関係」とふたりのハネムーンの行方? (~_~;)」シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム 梅薫庵さんの映画レビュー(感想・評価)
ホームズとワトソンの「微妙な関係」とふたりのハネムーンの行方? (~_~;)
快作。
「007」がよりハードな路線にシフトした今、シリーズ初期の雰囲気を漂わせつつ、今風ギャグセンスが散りばめられている。ダウニーJr.&ロウのコンビは伝統の「珍道中」スタイルを踏襲しつつ、ラブシーン無しの「オトコくさい」コンビになっている。
何しろ、ホームズがワトソンの結婚に焼餅を焼く。嫉妬以上の「何か」の感情をそのあいだに思わせる関係は、如何にもイギリス人監督の演出したというオブラートには包まれているものの、「インディ」シリーズや同種の冒険活劇ものにはない、雰囲気。
そして前作に引き続き、監督リッチーのケレン味たっぷりの演出が冴えている。ホームズの謎解きや格闘場面での「先読み」は、このシリーズの面白さの象徴。また本筋とは関係ないホームズの兄、マイクロフトとその爺ちゃん執事のギャグには、ゲラゲラ。
しっかりとチェックして行けば、原作への敬意に溢れた場面逸話があるのだろうけれど、少なくとも呆気ないと一部で言われている、あの終盤の決着の付け方は、そのひとつ。あの終わり方は好きですね。次作にも当然つながるし。
役者陣は皆、GJ。マッチョなホームズ&ワトソンは前作に違わずいいし、以前はちょっとダメだと思っていたワトソン夫人も、出番は限られているものの、後半で思わぬ活躍をする。それに何と言っても最高なのが、さっき書いた、ホームズの兄、マイクロフトと彼の爺ちゃん執事。これが案外作品中で一番の笑いどころかもしれない。
宿敵モリアリティ教授を演じたジャレット・ハリスは、英国の名優リチャード・ハリスの息子だということ。知らなかった。最初印象が弱い気がしたが、後半になってからは、憎々しさが増した。 そういえば、このひと、ショーン・コネリーが主演した007「ダイヤモンドは永遠に」のプロフェルド役のチャールズ・グレイに雰囲気が何となく、似ている。
3月10日 立川シネマシティ2