「こんな良質の映画が劇場未公開なんて悔しい!「○ッ○ャマン」や「○子3D」なんかよりずっと劇場で見る価値がある!」ペイド・バック 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0こんな良質の映画が劇場未公開なんて悔しい!「○ッ○ャマン」や「○子3D」なんかよりずっと劇場で見る価値がある!

2013年8月31日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

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1966年、イスラエルの秘密諜報機関“モサド”の工作員、レイチェル、ステファン、デヴィッドは、東ドイツに潜入し、ナチスの戦犯、収容所外科医のフォーゲルを捕らえたものの、逃亡を図った為、射殺。3人は英雄として帰国する。
1997年、デヴィッドが謎の自殺をする。3人には、30年間隠していた秘密があった…。

2007年のイスラエル映画をハリウッドリメイクしたサスペンス。
日本劇場未公開だが、監督にジョン・マッデン、キャストにヘレン・ミレン、サム・ワーシントン、ジェシカ・チャスティン、トム・ウィルキンソンと豪華な面々。
未公開の理由は、モサドやナチス戦犯などが日本人にとっては馴染み難いからだろうが、一本の映画として見応え充分。サスペンスの醍醐味たっぷり。
二つの時代を舞台にしているが、込み入る事も無く、特別小難しくも無く、見易い。
こんな良質の映画が未公開なのは惜しいと言うより、悔しいくらい。

注目の一つは、ジェシカ・チャスティン。
1966年のレイチェルを演じる。1997年のレイチェルはヘレン・ミレンで、違和感を感じさせない。
役柄によって印象を変えるカメレオン女優。
本作ではアクションも披露。多少、地味な内容に華を添える。
ちなみに、アメリカ公開時、ジェシカ・チャスティン人気でスマッシュヒットとなったとか。

ストーリーの見所は、やはり3人が隠してきた秘密に尽きる。
見所なんだけど、ネタバレになってしまうので、言えない。ああ、もどかしい!
少しだけ触れると…
こういう隠蔽は実際にあっても驚くに値しない。いや、本当にあったかもしれない。
隠し通し偽りの英雄を演じ続けるか、否を認め真実を明るみにするか、その葛藤が、映画に深みのあるドラマを作る。

先にも述べた通り、未公開なのが本当に悔しい。
同じく未公開の「ブルー 初めての空へ」が近々、期間限定で劇場公開されるとか。
こういう良質の映画を劇場公開する企画をどんどんやって欲しい。

近大