パーフェクト・センスのレビュー・感想・評価
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惹き込まれる
コンテイジョンに似た感じ。
違いはコンテイジョンはパニック映画風というか病気に重きを置いているが、今作は人間模様?人間関係?に重きを置いている。
徐々に五感を失っていく感じがめっちゃ怖い。
失う前にある感情が爆発するのも良い設定だと思った。
コンテイジョンより面白い。
恋愛もメインで意外とベッドシーンが多くてびっくりした。
ユアンの見えてるよね、、?笑
嗅覚、味覚がなくなるのはコロナに似ている。
嗅覚を失うのは記憶を無くすのと一緒。匂いに紐づいている記憶も一緒に無くしているというセリフにハッとした。
聴覚と視覚が無くなるのは絶望でしかない。一応超バッドエンドってことでいいのかな。いやデッドエンドか?
最後すれ違ったシーンで、もしかして2人とも会えずに終わる胸糞映画なのかって思ったがしっかり再会できてて良かった。
ここにもユエン・ブレムナー出ていた。トレスポ、ブラックホークダウンに引き続きこの2人大好き。
ちなみに調理場の上司?役の人はユアン・マクレガーの実際の叔父らしい。
人間のもろさ
五感が徐々に失われていく感染症が世界中で流行。そんな希望のない世界での一組の男女のラブストーリー。
まず、あらすじで引き込まれた。「絶対おもしろいだろうなー」と思い視聴。期待を裏切らず、めちゃくちゃ面白かったですね。
後半30分の聴覚を失うあたりから完全なホラー作品でした・・・。そんな絶望的な状況でも希望を捨てずに、自分の仕事をまっとうしたり、自暴自棄にならず真面目に生きてる人もおり、現実にいたとしたらマジで尊敬ですね。
五感を失う前の感情爆発が人間の弱さというか、脆さみたいなのが表現されてる気がしました。
なんというか、どんな人間でも小さい病原体ごときで、感情を狂わされ、全てをコントロールされる。抗うことができない。人間って弱い存在だなーと思いました。
肉体的な痛みや苦しみは一切ないが、精神的にこれ以上つらい病はないですね。五感を失うなんて。
ラストはついに視覚を失い、そして終わるわけですが、流れ的に五感が回復せず、いつか触覚も失ってい、生きてると感じることもできなくなりそうですね。
I can't smell anymore. 死に至る病、そして
レビュワーのクリストフさんとtalismanさんに「コンティジョン」のレビューコメントでオススメ頂いた本作。遅ればせながらやっと観ました!うん、面白かったです。オススメありがとうございました。
本作は感染というか、不思議な感じです。次々と感覚がなくなっていく。あれは結局なんだったんでしょうか?変な話、人類の終わりを観ているようでした。あの症状は滅びる時の為に人間のDNA に刻まれているような、神様のマスタープランなイメージでしょうか?よくよく考えるとメッチャ恐いです。
しかし、感情が溢れだした後に一つ一つ感覚がなくなっていくという設定を思い付いたのはスゴい!感覚が一つなくなる度にそれに対応していく姿はなるほどなぁっと思いました。味覚がなくなれば食感で料理を作ったり、聴覚がなくなれば振動で音楽を聴いたり。設定だけで終わる事なく、ちゃんと掘り下げてある所が面白かったです。
そしてエヴァ・グリーンが美しいですね。端正な顔立ちで、いかにもパリ出身って感じです。ユアン・マクレガーも良い俳優さんです。感情が爆発してるシーンはホント説得力があります。マリファナ吸ってるとどうしても「トレイン・スポッティング」を思い出してしまいますね。
んー、でも本作は人類全滅エンドなのでしょうか?それとも五感全てをなくしても人類は続いていくのでしょうか?映画の中では明確にならなかったので後はそれぞれで考えてって事なんでしょうけど。例えば自分が五感全てなくなったと考えると・・・うわっ、生きていける自信ないわ~。
救いようがなさそうで、救いのある世界かも
ウイルスが蔓延して世界が混乱するパンデミックものかと思ったら、着眼点がかなり独創的で、想像していたものとは違いました。(『アウトブレイク』のように、ウイルスを解明して解決に向かう…というそんな流れのストーリーではありませんでした)
謎のウイルスによって「嗅覚」が失われ、人々が重症嗅覚障害症候群(SOS)に悩まされることから始まるストーリー。SF風でありながら、科学で一つずつ解決するわけでもなく。スーザンとマイケルのラブストーリーが軸となって進んで行く、ヒューマンタッチのドラマ。ヨーロッパ調の落ち着いた色彩が地味ながらも美しいアートな作品になっています。ジャンル分けの難しい映画かもしれません。
嗅覚、味覚、聴覚が順に失われていく中、人々は絶望的なはずなのに、それでも「日常」を生き抜いていき、悲しみや切なさがあるものの、人は与えられた環境の中で順応性を発揮しているようにも思えました。(終盤、聴覚を失った女性たちが、手話でおしゃべりをしているシーンが印象的でした)
ついには、視覚をも失った、ラストのスーザンとマイケル。それでも、二人は寄り添い、互いを感じる。もしかして、ふれ合う感覚(触覚)がなくなっても、本能??のような、特別な感覚で2人は(人類は)結びついているのかも。こうなると、魂と魂の交歓というか?
ハリウッド映画のような派手さもなく、曖昧な感じでラストに続きますが、ある意味、人間の強さ(しぶとさ)を感じました。
不思議な映画でした。
最後に残された感覚を失うとき
『コンテイジョン』や『アウトブレイク』のような、科学的な感染ものとは一線を画す映画。
主役は感染病研究者ですが、蘊蓄を語る場面はほぼ無いですし、次々襲う奇病に対しては全くの無能。奇病SOSは脳の病気だと思わせますが、脳外科医なども一切登場しません。
そういったことよりも、人の五感の重要性を詩的に描き、徹底的に主役二人の周囲の世界だけを丹念に描くことで、何気ない生活の美しさを観る者に再発見させようとしています。
失っていく五感は一つずつ感情に結びついており、最後に残されたのは愛したい、愛する人に触れたいという欲求。
触感さえ失ったときに、側にいて欲しい人がいないなんて、暗闇に一人いることと同じで、とても悲しく恐ろしいことでしょうね。
映画からは、時を惜しみ、今を大事に生きてくださいというメッセージを感じました。
『ブラインドネス』など似たような感染パニックものは分断や暴力を、『ワールド・ウォー・Z』などゾンビ系ものは恐怖を描く類なので、徹底して喪失と慈しみを描いたこの作品は、感染ジャンルの中では稀有な存在といえます。
結局奇病は?
かなり意表を突かれた映画でした。
先ず、意外とベッドシーンが多いw
いやー、エヴァグリーンのオッパイはビューティフォー!
さておき、冒頭から「奇病が云々」て話なので、
その煽り方がベタだなー、所謂「ベロベロバー」というか、
お化け屋敷的な感じで、思いっきり外れを引いたと思いました。
ネタバレになりますが、最終的には4感を失います。
その事が怖いぞー、ではなくて、
そーなった時に人間はどう行動するのか、
普段当たり前な、見て聞いて嗅いで味わう事が出来ないと、
最後の「センス」をどうするのか、これがラストです。
「パーフェクトセンス」てこーゆー事かと。
猿とウサギが同じ画に映るシーンがあって、
特に何か起こるわけでもないけど、すごく平和を感じました。
このセンスは人間にもあるんだよ、みたいな。
ただし、このラストにまで持っていく過程が大変。
突然の食欲のシーンはかなりグロいし、
聴覚失うところは、映画の音も無くなるので、
「あれ?壊れた?」とか思っちゃうし、音ないから眠っちゃうし。
実際これ初見では爆睡して記憶無しです。
この過程で評価は分かれるんでしょうね。
自分はあのラストは良かったので、過程も評価します。
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自宅にて鑑賞。英国・アイルランド・デンマーク・スウェーデンの合作で、D.マッケンジー(共同)製作総指揮・監督作。派手さに欠けるが、現実のニュース映像を挿みつつ、終始落ち着いた語り口で叙情感溢れる詩的な描写が続く。同じパンデミック系でもド派手なハリウッド製に一石を投じ、ヨーロッパ臭漂う静的な本作の方が伝わるモノも有る。五感が失われる過程に妙な説得力が有り、ラストも余韻を残す。本篇の邪魔をしない巧く溶け込んだM.リヒターの音楽も佳い。地味な印象は否めないが、大人にお薦めしたい一作。70/100点。
・“スーザン”のE.グリーン、魅力的に描かれており、某作の共演をきっかけに良からぬ関係になり、おしどり夫婦と云われたJ.デップ離婚の一因になったと噂されるのも頷ける。亦、レストランのオーナー役、D.ローソンは、実生活でも“マイケル”を演じるE.マクレガーの叔父にあたる。
・鑑賞日:2012年6月29日(金)
ラブストーリーというジャンルを超えた作品。
恋人に勧められて見た。
本来愛するということは
真っ暗な中でお互いだけを感じて
お互いのことだけを思うことなのだろう。
設定がとてもいい。
最後の数秒で涙が出てきた。
ラブストーリーというジャンルを超えた作品。
着眼点が素晴らしい
典型的なパニック 群衆心理 破滅 と進みそうな題材を、二人の男女を中心にしながらも広い視野でとても穏やかな空気に仕上がっています。
音楽もこの物語の世界観をわかりやすく表現している。
着眼点の良さ、特にそう思ったのは「理性を取り戻す」 ここが素晴らしい。
失ったものを追わないある意味とても前を向いたお話し。心の物語でした。
触感て、五感には入らないんでしたっけ??
石鹸食べるのは御免被りますが、五感がなくなってもセックスで愛し合えるならそれはそれで良いと思いました。
ただ、こういう世界で生きていくには「完全なる孤独に耐えられる」または「一生付き合えるパートナーを持つ」人でないといけませんね。
もし私がこの世界で暮らすとしたら、アラブ辺りのハーレムがある所がいいなあ、寂しくないから。
終末映画かと思ったら・・・
この作品の劇場チラシには荒廃した都市の姿が描かれ、「終末」や「人類最後の瞬間」の言葉も使われているが、実際の内容は普通のパニック映画やディザスター映画とは少し趣が違う。
人々はまず過去の出来事を思い出して、後悔や悲しみにくれた後臭覚を失う。次に強烈な飢餓感に襲われた後味覚を失う。そして更に怒りに我を忘れた後で聴覚を失い、ラストで視覚さえ失ってしまう(触覚を失う描写はない)。
人類が未知の病気に襲われるという作品の場合、ストーリー展開としては「その原因を解明し、人類を救おうとする医師や科学者の活躍を描く」か「病気の蔓延によって文明社会が崩壊した後、新たな環境のなかで人々はどう生きるのかを描く」のどちらかが多いが、この作品はそのどれとも違う。感染症研究者のスーザンは全く無力だし、社会は混乱するが崩壊はしない。
確かに感覚を失う度に人々は混乱し、一部で破壊や殺人も行うが、それでもしぶとく日常を取り戻そうとする。それを象徴しているのがマイケルがシェフを務めるレストランの描写である。人々が感覚を失う度に客足は減り、オーナーは店じまいを口にするが、それでも色々な工夫(味ではなく食感に訴えるなど)で客足は戻ってくる。
またパニックに襲われる世界でも、冷静に誠実に自分の職務を果たしている人々も描かれる(姿は出てこないが発電所が動いて電気が来ているのもその表れ)。製作者は安易な解決策を提示することも、声高に人間の愚かさを訴えることもなく、淡々とあり得べき姿(マイナスもプラスも)を描いていく。そしてラスト、視覚をなくした暗闇のなかに提示される「それでも人は生きていく」というメッセージこそがこの映画のテーマであると思うのだ。
涙ボロボロの大感動作ではないが、観終わった後映画の中の人々に「これから大変だろうけど何とか頑張って。僕も自分の人生に頑張ってみるわ」と呼びかけたくなる佳作であった。
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