夢売るふたりのレビュー・感想・評価
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短いレビューや言葉には表せない程の内容のある作品
何気なく、気軽に、久しぶりに西川監督の作品に手を出してしまった。
観はじめて、引き込まれて、見終わってみると、なんか疲れた。
明解な意味、意図を明かそうとするのは野暮だと思う。
短いレビューや言葉には表せない程の内容のある作品であることは間違いない。
何より、松たか子の迫りくる演技。恐ろしいほどの目のチカラ。阿部サダヲも他のキャストも良かったが、際立っていた。
共感や同調が起こる類の作品ではないとすぐ分かるが、非現実的な流れの劇でありながら、あまりにリアリティがあるので、自身が観客であることを忘れさせられる錯覚が起こる。
最後に、目線をこちらに向けてくる彼女と、目が合った気がするのは自分だけだろうか。
この映画を流して観れるほど僕の感覚は萎えていないし、なかなかの衝撃で、気軽に観はじめてしまって後悔した。
松たか子の演技は素晴らしかったが脚本や他のキャラに共感できるような...
松たか子の演技は素晴らしかったが脚本や他のキャラに共感できるような点がなかった。
松
松たか子は元々好みでないのだが西川作品ということで見てみた。が、松たか子いいなとは、やはり最後まで思えなかった。火事で家が燃えていて呆然としていようと、夫が他の男と寝ていることを考えて眉をひそめていても、一人オナニーをしていようと、ラストシーンで颯爽と振り返っても、その役の人ではなく「松たか子」に見えてしまう。という謎が一番の感想。どうでもいい感想ですみません。おそらくは私の目が濁っているのでしょう。
しかしコメディーのようなこの映画のことを、この監督はどう思っているのだろう。どういう気持ちで作ったのか。全体的に登場人物たちの気持ちの描写が浅い気がしたが、それもわざとな気もしたし。踏み込むようで、踏み込まない。
個人的には、安藤たまえと田中れなが印象に残る。
心理描写やっぱうまいね。 意図的ではなく、母性本能をくすぐる性格を...
心理描写やっぱうまいね。
意図的ではなく、母性本能をくすぐる性格を見抜き、それを利用してお金を借用する。でも、それをやっていくうちにサトちゃんは女としての嫉妬にかられる。
人間誰しも、寂しさという陰の部分を持つことが浮かび上がってくる。
西川監督だったら、単なる夫婦モノだとは思わなかったけど、こんな展開とは・・・。
とにかくく暗い重い そのためあんまり好きじゃない
悲しい物語!
演技には阿部さんも松たか子も言い分ない!
しかしあまりにも気持ち悪くなる。
悲しい話だった。
まさに貫也は主導権を持っている。
里子は貫也にいろんな指示を出したりするが、結局貫也が心の支えになる。
貫也に騙された女も、里子も、貫也に承認されたいだけだ。
ある意味で里子の自業自得だ。
里子の苦しみ
爽快さの無いリアルな人間臭さ。
コミカルなイメージ大の阿部サダヲと、細かい表情での演技に長けた松たか子だからこそ、この作品の良さが出せたのだろう。
大金をポンと出してしまう女たちが何人か登場するが、私には貸す余裕もあげる余裕も貢ぐ気も無いので共感できず。
お金の話が出てきた時点で、警戒して冷めてしまうのでそこでおしまいだ。
でも、そういう女性が世の中に結構いるのも事実で、私の男友達Rなんかは十何年もヒモ生活できている。
Rが言うには、女が好きな男に金を渡す時というのは以下の3つなんだそうだ。
1、必要とされたい
2、面倒臭い
3、心から助けたい
そのうち3は本当にそうか疑わしいそうで、「もっと気に入られたい」または「優位に立ちたい」などの邪念が奥にある人が多いらしい。
1は、自信の無さ。
金なんか出せなくても、本当に愛があるなら必要とされるはずなのだから。
2は、楽しい“今”に水を差されるのが嫌だから、お金の話なんて聞きたくないから。お金で解決できることなら、ってやつだ。
この映画を見て、Rの話を思い出し、なるほどなあと思った。
しかしまあ、この映画の中で一番痛々しくて苦しいのは里子なのだ。
生理のシーン、ネズミのシーン、階段のシーンなど、里子の報われない気持ちが随所に強く感じられた。
タイトルの謎が解けてからは…
なんとなく気になっていて借りたのだけど、ぐさっとくる話だった。
壊れていく妻が痛々しくて、その後のことを想像したけど、幸せになれない女は妻だけのような気がして悲しかった。松たか子
、ギリギリのところの役でも綺麗だなぁ 顔というか品なのか人間臭さが出てたからか…。
4作観た中でワースト。
西川美和監督の作品4作観ましたが1番共感しづらかった。
嘘をつくことを女性が強要してたからかも。
「嘘をついてしまう愛される男性キャラクター」みたいな描写の見事さがとても好きだし今回の阿部サダヲも説得力あるけど、この映画では騙す方も騙される方も、まわりにいる女性のキャラクターがあまり好きになれなかった。
夢を売ってしまったふたり
繁盛している小料理屋さんという同じ夢を実現させて仲良く頑張っていた夫婦が、火事で意欲喪失した夫の浮気をきっかけに、詐欺という悪い手段で再び夢を掴もうとする。浮気された怒りと悲しさを秘めた妻。情けなく従うしかない夫。最初は共謀しているが、徐々に現実から目を背け、詐欺としてカモに売っている世界に入り込んでしまう夫。ふたりはいつしかすれ違い、気持ちも素直にぶつけ合えなくなっていた。あんなに仲が良かったのに、お金のための詐欺を働き、女性達に結婚という夢を売っているようで、実はふたりの夢を売ってしまっていた。夢を象徴するかのように、夫の包丁がいまや浮気相手となった詐欺相手の家の台所に無防備に放置されている描写がとても哀しかった。松たか子ってこんなに演技が上手なんだ!と初めて気付き驚いた。
裏切られた人間のパワーは凄まじい。
松たか子の演技が凄まじい。
本来は2人とも真面目で善良な人間。
夫の裏切りをきっかけに歯車が狂い始め、決して冷静さを失うでもなく騙し取った金を、倍にして返さなきゃね、と悪びれず微笑む。
ここまではまるでゲームのような気軽さがあった。
そしてウェイトリフティング選手、ホテトル嬢、公務員と善良な人々が現れ妻の心はざわめき始める。夫の心が奪われる恐怖、人を騙す罪悪感に縛られ始める。
そしてそれでも夫との夢を叶えたかった。
おまえはなんもかんも俺に捧げてきたから、生活の厳しさも知らず好き放題やって人の亭主の上澄みだけ舐めてトローンとしてるようなのが一番カンに触るんやろ、そんな女やその女の股座に顔をつっこむ俺みたいな男もなぶり殺したいんやろ、お前は今が一番いい顔しとるという夫の台詞。妻は大きく傷つくも、それを夫に見せずとりあわない。
夫と向き合うことなく2人の溝は深まる。
最後に光は見えたのだろうか。
ずる賢さのレベルがアップ
初めてお金を貰った後で、ダッシュで妻の元へと走る阿部サダオが良い。
その夫を問い詰めて、遂にキレる松たか子が良い。
西川美和監督の演出力は、明らかに前作を遥かに凌いでいた。
だが、数々のミスリードを見ていると解る通り、そのずる賢さもとんでもない位にアップしていた。
数多くの場面で、観た人の人数分だけ解釈が出来る場面が多い。
でもそれらの場面の直前には、必ずと言って良い位に、観客の気持ちを誘導するミスリードが存在する。
とにかく観ていて楽しく無いのは間違い無いので、賛否両論五分五分。一般的には不評が多数を占めると思われる。
女性監督でありながら、これだけ登場する女性達を醜く撮る人はある意味希少価値な存在なのかも。
なにしろ!1番綺麗に映っているのは、ウェイトリフティングの彼女なんだから。
そして驚き桃の木だったのが、松たか子の“あの“場面。
いやいや“あんな事やこんな事“にはびっくりしたわ〜!
ラーメン屋で阿部サダオが浴びせる一言に納得。
子供の使い方には不快感しか湧いてこない。
店長お気持ちお察しします。
(2012年9月21日/ヒューマントラストシネマ有楽町/スクリーン1)
エンターテインメント
昔、付き合ってた男が、いい映画だと言っていて
私の中でレンタルショップに行って
見かけるたびに、胸が痛んだ作品(私事過ぎる)
やっとその男のことを吹っ切れたため、
見てみた。
真面目にやっているところが
面白くなってしまうことが何ヶ所かあった。
真面目そうに見せていて結局は
エンターテインメントなんだよなあ。
暗い
結局本当の幸せは地道に努力して得ることしかできないということがよくわかった。
主人公二人は火事でお店を失う。やり直すのに10年かかるよという話を冒頭にしていて、結婚詐欺を始めて警察に捕まり、傷害罪か詐欺罪かどちらで捕まったのかはわからないが、10年以下の服役だろう。結局はそうゆう結末になる。
人の心の隙を利用して金を巻き上げた二人は最初の支え合っていた生活もだんだん狂って行く。暗い映画だった。
ただ松たか子はこういう裏から物事を巧みに操り指示したりする役がぴったりだと思う。「告白」のイメージが強いのかな?
まぁまぁいい映画でした!
人間とは? 男と女とは?
あるきっかけから詐欺に走る夫婦ふたり。
序盤はどちらかといえば人間の汚い部分に寄り添い金を巻き上げていくので、ある意味痛快な部分もあるのだが、後半にかけてそのシナリオが徐々に崩れていく。
ウェイトリフティングの女、子持ちの公務員、チェンジされまくりの売春婦。
これらの女は心に弱い部分をもちつつも、善に属する女たち。その女に罪悪感を感じながら、寄り添う阿倍サダオと復讐し続ける松たか子に心の変化が。それぞれに登場する役者の演技が見事で、見ているこちらもドキドキしながら翻弄された。
久々に見た名作。
阿部サダヲと松たか子のための映画
結婚詐欺をする夫婦の話。
もっと暗い映画かと思っていたけど、
時々笑えるシーンが挟まっていて、
常にハラハラすることなく観れた。
松たか子の頭の良さ、憎悪が感じ取れるシーンがばかりが強く印象に残っている。
謎が残ったのはラストシーン。
だけど、きっと、「生きろ」というメッセージなのだと思う。
(ほぼ日の監督インタビューを見てそうなのだろうと思った。)
キャラが非常に分かりやすく、生き生きとしていて良かった。
また、料理が美味しそうで食欲をそそられた。
女の弱さと脆さを描いた映画だと思った。
それから、阿部サダヲと松たか子のための映画だと思った。
チト冗長
チト長いとかその割には冗長な描写が少なからずあるとか後半失速するとかこの監督さんの他の作品と共通する欠点はあるが,女性監督ならではの視点など魅力が上回る.主役二人をはじめとする出演陣の演技もすばらしい.
ズドーン
この写真、ポスターや予告編でよく見るけど、この表情が表してる通りのトーンの映画だと思う。
阿部サダヲがいろいろな女をだまして、お金をとっていく中で、夫婦の関係性も崩れっていう・・・
最後、阿部サダヲが包丁を持って出て行ってしまうけど、やっぱりああするしか終われなかったっていうことなのかな。
なんか見てる間も、見終わった後も、ズドーンと重く苦しい映画だった。
松たか子すごい。
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