マリリン 7日間の恋のレビュー・感想・評価
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マリリンを演じられる女優はいない。どんなに似せてもオーラが違う。マ...
マリリンを演じられる女優はいない。どんなに似せてもオーラが違う。マリリンの内面が伝わってこない底の浅い映画でがっかりした。そしてどうしても口元が気にいらない。
スタッフの自慢(暴露)話は勘弁してください。
不幸などんくさい奥さんを演じるのに定評がある?ミッシェル・ウイリアムズがマリリンを演じるってことで、えー!?と思って観てなかった。
うーん。
どうなんだろう?ミラ・ソルビーノ演じるマリリンよりもいいかも(byマリリンとノーマ・ジーン)?
頑張ってたかも?
でもマリリンは恋したんじゃなくて、恋されてたように思う。
俺、マリリンと7日間だけど付き合ったんだぜ!的な、元スタッフの自慢話ですが、ジュディ・ディンチとか、ケネス・ブラナーとか出てたからか、それなりのムードのあるお話になってました。
寂しいひと‥
最初は男を翻弄するひとだったんだと思って見ていたけどモンローの生い立ちが寂しさがそーさせていたのかなと感じました
私の中でのイメージもモンローは美貌で男を翻弄し3回も結婚をするが幸せだったのか?と思っていました
この映画はコリンの大スターであるモンローとの短い恋
モンローの精神的な事から撮影が進まずだんだん離れつつある映画スタッフや共演者の中コリンだけがずっと味方でい続ける
コリンとモンローの恋始まり‥
その中モンローもそれに答え撮影を乗り越えお互いの恋も終わる
私の中でのモンローが少し変わったように思えた映画でした
でも女としては衣装係の女の子が可哀想でコリン最低だと正直感じました
こーゆー美人って結構いるよね~
よく考えたら私ってモンローの映画キチンと観た事ないみたい(;゜∀゜)
地下鉄の通風口の上でスカートを吹き上げられてるシーンやその他の映画のワンシーンを見齧って彼女の事を知ってる気になってるだけで……(^-^ゞ
でもまさにそれがマリリン・モンロー!
セックスシンボルという『イメージの女優』。
みんな、それ以外に彼女の事を知らない!と言うのは言い過ぎだけど案外、私みたいな人は多いはず!(^o^;)
マリリン自身は、その事で悩んで、
演技の勉強とか色々してたらしいけど、実は周りの人間は彼女に才能がある事をちゃーんと知ってた。
その部分がキチンと描かれていて、ちょっとホッとする(´ー`)
よく考えたらマリリンはコメディエンヌなんだよね~
一番、難しいところやないですか?!
それなのに自分に自信が無くてメンへラ・かまってちゃんになってしまう。
あんなに『綺麗どころ』なのに……
私、この映画のマリリンと大竹しのぶさんの姿が
かぶってかぶって……
(ま、大竹さんは病んでないけど)
さんまさん大変だっただろ~なと気になって恋愛エピソードには感情移入しきれなかった映画でした。
て、ゆ~か、これ恋愛要素いる?!
壮大な男の夢。
マリリン・モンローの事は多分熱狂的なファンからすれば1/100も知らないと思うけど、モンローは好きだ。
マリリンを演じる女優は顔は似てないけど(いくら似せても実在の人物を知ってるとそう思う。)雰囲気は充分に出していると思う。
上手いなって感じた。
女性には向かない映画かもしれない。
これは壮大な男の夢だから…(とはいえ、実際あった話との事…)
マリリン・モンローの偉大さをあらためて実感させる映画。
楽しい時間を過ごせた。
マリリンに恋をする
この映画が登場するまで、マリリン・モンローの実像に迫った作品は無かったように思う。これは「王子と踊子」撮影期間中のみを描いた物だが、とりあえずはこれが「マリリン・モンロー」の伝記映画の決定版となるだろう。
原作が助監督のコリン・クラークによる物なので、ストーリーはコリンの視点で進んでいく。だから初めのうち、マリリン・モンローは彼にとって雲の上の存在だ。それはスクリーンの中の「マリリン・モンロー」そのものだ。しかし撮影が進むにつれて徐々に彼女を覆っていたベールがはがされていく。実際のマリリン・モンローは不安で不安で仕方なく、付き人のポーラにいつも頼ってばかり。調子が優れなかったり、気分が乗らなかったら撮影現場に大幅に遅れていく。酷いときには無断で休む。限りなくわがままなのに、コリン同様観客は彼女にどんどん惹かれていく。マリリンが持つ天性の魅力をミシェル・ウィリアムズは完璧に自分の物にしている。
彼女と対立していくローレンス・オリヴィエ役のケネス・ブラナーも素晴らしい。自分には無い若さと魅力を持つマリリンに嫉妬し、そのマリリンは全く言うことを聞かない。名優としての貫禄はたっぷりなのにどこか悲しさが漂う。「女優」になりたかったマリリン、「スター」になりたかったオリヴィエを対比させることで銀幕の中で光り輝く人々の実像を浮かび上がらせている。
この時期はマリリンの人生において一番重要な時期、とは言えないだろう。しかし彼女が一体どんな人物だったのか、どんな影響を及ぼしたのかを知るには十分だ。この映画を見た後だとたまらなく「マリリン・モンロー」が見たくなる。
(2012年4月8日鑑賞)
マリリンの内面を知って、また彼女に恋をする
何と言っても話題はマリリン・モンローを演じたミシェル・ウィリアムズ。
マリリン・モンローを演じるなんて相当なプレッシャー。コケれば大ブーイング。そんなプレッシャーをはねのけ、見事に演じ切ったと思う。
決してミシェル・ウィリアムズ自身、マリリン・モンローに似ている訳ではない。
しかし、仕事や人気者ゆえのストレスや悩み、コリンとの束の間の恋で見せるあどけない笑顔…時に繊細に、時に無邪気に演じ分け、マリリン・モンロー本人同様、見る者を魅了する。
歌や踊りも披露し、オスカー候補も納得の名演。
ミシェル・ウィリアムズばかり注目されるが、ローレンス・オリヴィエを演じたケネス・ブラナーだって特筆もの。
ケネス・ブラナーも、ローレンス・オリヴィエを演じるプレッシャーは相当なものであり特別なもの。
シェイクスピア劇を多く手掛けるケネス・ブラナーにとって、ローレンス・オリヴィエはその大先輩。
そんなプレッシャーを感じさせない、大スターとしての貫禄、マリリンに振り回されイライラする姿などをユーモアを滲ませ、絶品。
新人助監督コリン役のエディ・レッドメインもウブな青年の姿がハマっており、エマ・ワトソンもハーマイオニーの時より可愛らしい。
マリリン・モンローの秘話を描いた映画だが、終始コリンの視点で話は進められる。
映画界に憧れ、映画界入りし、束の間ながら世界の大スターと恋をする。
フィクションならまだしもノンフィクションなのだから驚き。
ある意味、映画ファンの夢を叶えてくれる映画。
マリリン・モンローを映画界が作り上げた虚像として見てきた事が多い。
本作ではそんな彼女の無垢な真の姿や複雑な内面を知り、また彼女に恋をするだろう。
最後に疑問なのだが…
本作はゴールデン・グローブ賞でコメディ・ミュージカル部門にノミネートされ、ミシェル・ウィリアムズは同賞同部門主演女優賞を受賞した。
でも、どこがコメディなのだろう?ミュージカルなのだろう?
マリリンの内面を描いた人間ドラマのハズ。
本作品だけでなく、時々ゴールデン・グローブ賞の選別に疑問を感じる。
マリリンを見つめて生きた7日間のお話
マリリンの恋、ですもの、だいぶお熱いのを想像しちゃってましたが。
芸術家同士のしのぎ合いと、いたわるような優しい恋物語という印象、興味深く素敵な作品でした。
邦題よりは原題の「My Week with Marilyn」が相応しいように思いました。新米の第3助監督コリン・クラークが、大スターのマリリンを見つめて生きた7日間のお話でした。
コリンに目配せして、楽しそうに"彼女"になった笑顔が心に残りました。マリリンでいることが、いつも楽しければ良かったのに。
ローレンス・オリビエも時代との隔たりに焦り、危うい心を抱えてマリリンと向かい合ったのでしょう。ちょっときもち悪い顔でグタグタ言ってる所、気の毒だけど滑稽でした。演じたケネス・ブラナー、さすがでした。
エディ・レッドメインも、人懐こくて感性豊かなコリンを好演でした。力のある俳優が適材適所で、沈み込みなく安心して観られました。
ちぐはぐさが面白そうなので、「王子と踊子」ぜひ観ようと思いました。
いい意味で消化不良
まず役者さん達が美しい!おしゃれ!
それだけで観る価値があると思います。
ストーリーは至って大人。
恋はせつない。せつない恋を知っている人には感じることが多いと思います。
ただ若い方々には物足りない作品かも。
埋まらない孤独
女性として、スクリーン女優として、全てを持っていたマリリン。
彼女に関わる人全て、彼女を愛す。
それなのに究極の寂しがり。
どんなに愛されても満たされない。
その究極の孤独に胸が痛かったです。
マリリンの映画は一本も通しで観た事がないので、彼女の作品を観たくなりました。
まるで『ローマの休日』のような一瞬の煌めきのなかで、マリリンの知られざる一面と出会うことでしょう
全く期待していなかったのですが、なかなかいい作品でした。
今年で没後65周年を迎えるマリリン・モンローですが、生前はセックスシンボルの面ばかりもてはやされたイメージが強いと思います。加えてケネディとの不倫や36歳での謎の死など、常にスキャンダルを追うマスコミの餌食となり、「魔性の女」に見られがち。そんなイメージで彼女の全てが明かされてきたと思っていた方が殆どではないでしょうか。
しかし若き日のマリリンと7日間の恋を当時助監督だったコリン・クラークが回顧録で告白。長い間封印されてきたロマンスが明かされました。
マリリンが初めて愛した年下の青年との恋を映画化したのが、本作です。撮影中に妊娠が発覚。それを聞きつけた夫が戻ってくることで終わったこの恋は、わずか7日間という短さを感じさせない瑞々しい純愛に満ちていました。時代のアイドルと恋に落ちるというのは、男の願望をくすぐるストーリーとして定番のメニューでしょう。いわば『ローマの休日』のような煌めきを感じさせる刹那に満ちあふれていたのです。
しかも主人公の男目線で語られるこの物語は、マリリンの本心が最後までどうだったのか定かではありません。そんなミステリアスなベールに包まれていることも映画の余韻に浸るには充分すぎて魅力的な謎といえるでしょう。
ストーリーは、ずばり不倫の一種ではあります。そんな不倫につきまとう淫らさを打ち消すくらいに、マリリンが負っていた心の機微に、思わず共感してしまうことでしょう。 主演のミッシェルが作り出したマリリンは、苦悩に満ちたか弱き女性としての存在でした。そんな弱き存在が、無理をしてメディアが作り上げたマリリン像を演じていたのです。 実際の彼女は、幼い時に精神病にかかった母親に捨てられたトラウマから、こころから愛される実感をもてずにいたのです。
本作での彼女は新婚ほやほやでした。けれども夫を始め彼女を愛する男性とは、彼女が作り上げた「マリリン」というセクシーアイドルに恋したのではないでしょうか。彼女の心の不安を理解する男は皆無だったのです。
加えて、30歳を迎えてセックスシンボルとしてでなく、演技派女優として脱皮を図るマリリンにとって、今回の撮影は大きなプレッシャーとなっていました。
本作では触れられませんが、自らプロダクションを設立。演劇界からオリビエを監督兼共演者に迎えて、背水の陣で本作の劇中劇『王子と踊り子』に取り組んでいたのです。
一方、マリリンと出会うになるコリンは、マリリンよりも7歳年下で貴族出身の映画青年。親のコネを使わず、無給の雑用係として撮影隊に参加したのでした。
恋のきっかけもスリリングです。たまたま部屋に向かったコリンは、風呂上がりのマリリンの裸体を目撃してしまうのですね。
ミシェルの役作りは、マリリンのものまねでなく、雰囲気で似ていないのにマリリンに見えてしまうことを目指したのだとか。バスタブでマリリン目線となってこちらを誘惑するように見つめられたら、コリンならずともくらくら、萌え~ときちゃいますよ。
そんな純情さが、マリリンのお気に入りとなり、彼女担当の臨時マネージャーみたいになっていきます。マリリンと親しくなるなかで、コリンは実像の彼女をそのまま受け入れて、パニックになっている彼女の心に安らぎをもたらしたのでした。マリリンもまた夫が帰国したあと孤独や不安を癒やれるたびに徐々に彼に心を開いていくのでした。
単なるメロドラマというよりも、撮影中にパニックに陥ったマリリンの心の機微をコリンの目線から、描き出すしている手法がいいと思います。
そして、コリンのサポートで彼女が立ち直っていく過程に、きっと共感を感じることができるでしょう。あくまでプライトニックなふたりの関係は、お忍びのデートも凄くロマンチック。ふたりが全裸になって泳ぐ水辺のシーンは、思わず胸キュンとなるでしょう。
こんな病める大物女優に付き合うことになった監督のオリビエの苦労も描かれて、映画製作の舞台裏も垣間見れる展開になっています。オリビエの伝統的な演技と、常にコーチが寄り添うマリリンの斬新な演技。火花を散らす2人の対立が実にスリリングで、本当に映画化完成するのか、先が読めない展開にドキドキ。このスリル感こそ映画製作の醍醐味であり、1本の映画作品が成立するまでの過程がしっかり描かれていく点で、本作もまた 『アーティスト』同様に映画愛に溢れた作品であると感じました。
遅刻や撮り直しを繰り返す傷心のマリリンの所業も、本作を見ていくと、彼女の苦しみが手に取るように分かり、それも仕方がなかったことなのだと許せるようになりました。
それにしても、体系も違うのに、マリリンを演じるミッシェルの役作りは凄すぎます。まるで魔法にかかったかのように、当時の本物のマリリンを見ているかのような錯覚に陥りました。サッチャーのコピーとなったメリル・ストリープと甲乙付けがたい演技だと思います。
震える程のマリリンの「美しさ」
とても良かったです。昨年のコクリコ坂以来の感動。
マリリン・モンローはスターとしても
一人の人間としても本当に素敵な女性でした。とても純情可憐で。
彼女の繊細さに涙が止まりませんでした。
ミシェル・ウィリアムズの演技に圧巻です。
純粋であることがどんなに素晴らしいか、
素直さがどんなに素敵なことか教えてくれる作品。
天まで登り詰めた大スターなのにも関わらず、
とても人間味のある人柄に心を打たれました。
彼女の容姿の美しさも心の美しさも本当に畏敬の念を抱くほどです。
恥ずかしながら、マリリンが出ている映画は一本も観たことがないので、
これから観ようと思います。とにかく良い映画でした。終始涙。
マリリンという大スターを教えてくれた此の映画に感謝します。
ミッシェル・ウィリアムズのマリリンだけでも、この映画を観る価値アリ。
1956年、マリリン・モンローとローレンス・オリヴィエが共演し、オリヴィエが監督した映画「王子と踊子」撮影の舞台裏でおこった、マリリンと無名の助監督の密やかなロマンス。
マリリンを演じたミッシェル・ウィリアムズは完璧。マリリンの曲を自身で吹き替え無しに歌いこなした上に、その演技のみならず、彼女の持つ心の繊細さ、危うさまでを演じきっている。マリリン以上にマリリンらしい、というのは、誉め過ぎかもしれないけれど、それほどあまりあるミッシェル・ウィリアムズの可愛さがこの映画の全て。なので、彼女の演じたマリリンだけでも、この映画を観る価値がある。
その上で、脇役陣もさらにいい。特にサー・ローレンス・オリヴィエを演じた、ケネス・ブラナー。最初、オリヴィエは演技の上の問題でマリリンと対立するが、それは後に、老いを感じつつあった名優が嫉妬心と裏腹に、一人の女優に魅せられていく。また、ドミニク・クーパー、エマ・ワトソン、そしてジュディ・リンチもGJ。
マリリンの、相手となる無名の助監督コリンを演じた、エディ・レッドメイン。どこかで見た顔だとずっと思っていたが、あとで、以前見たウィリアム・ハート主演「幸せの黄色いハンカチ」のリメイク版「イエローハンカチーフ」(2008)で、武田鉄矢がやった若者の役をやっていたことを思い出した。この映画では、英国の裕福層出身という設定。所謂、イケメンじゃないということで、ちょっとした否定的な意見もあるようだが、純情な若者のを素直に演じていて、好感が持てた。
好きな場面は、マリリンとコリンがつかの間のデートをする場面。現実に戻らなければならないその帰り道、コリンはマリリンの手をそっと握ろうとするが、彼女はそっとコリンの想いを拒否する。BGMはナット・キング・コールの「枯葉」。夕暮れがセピア色となってつつむなか、二人の短い恋の終わりを美しく描いていたのが印象的。
だれかが呟いていたけれど、もう確実にマリリン・モンローを全く知らない世代がいる中で、この物語の背景がどれだけ受け入れられるか、わからない。もちろんそれを十分知ったうえでこの作品を観れば、もっと面白いけれど、たとえそうでなくても、純粋にファンタジーとして観ることが出来るなら、誰にでも受け入れられるラブロマンスといっていい。
3月28日 角川シネマ有楽町
程よい尺で、淡い恋を楽しんで♪
良く見りゃ別人ながら
ミシェル・ウィリアムズがマリリンに化ける2時間弱
細見でひゃろっとしたエディ・レッドメイン
時々笑顔が若かりし日のジェームズ・フランコに見える時あり
役柄でしょうが、もう少し重さが出ればこれからも拝見する事多々カモ
話は邦題そのもので、想像通りの展開に目新しさはないものの
ジュディ・デンチ圧巻の存在感!!それだけで十分元が取れた気が・・・
マリリンは自分の味方がほしかったんだよね・・・
映画を観る前は秘められた恋を描いたものかと思っていたが、実際は「王子と踊り子」撮影裏側日誌みたいな内容だった。主人公の青年が映画好きでとにかく映画の仕事をしたいという気持ちが前面に出ていた。私がこの映画で一番いいなと思ったのは、マリリンではなく大女優役のジュディ・デンチだった。オリビエと違ってマリリンを理解しようとしていたし、サードの下っ端でしかない主人公にも気配りしていたことがすてきだなと思った。もちろんアカデミー賞の主演女優賞にノミネートされたマリリン役のミッシェル・ウィリアムズには感心した。はっきり言って普段はセクシーとは思わない女優なので、すごく努力したと思うし、歌も歌っているし、本人に似せようとがんばったと思う。マリリンってある種わがままかもしれないけれど、すごく感受性が豊かで、少女みたいなところがあって、かわいい人だと思った。映画の中のマリリンではなく、素顔のマリリンに触れられる、それがこの映画の最大の魅力だと思う。
主役はマリリンにあらず
モンローは、ひとりの女として愛されたい一方で、大衆の視線を感じることに歓びを感じる。天性のオーラを持ち、プライドも高いが、なにをしたらファンが喜ぶか知っている。根っからのスターなのだ。
明るく茶目っ気があるように見えて、神経は繊細で、演技することに対しても納得できるまで自分を追い詰める。
そこに初めて体験する海外での撮影のプレッシャーと、夫との確執が重なり、演技方法まで監督と意見が合わず、完全に自信を喪失する。
そんな彼女の救いが、第3助監督のコリン・クラークだった。
ここまで書くと、邦題から受ける印象も相まって、世紀の大スターのうたかたの恋を描いたスキャンダラスな物語のように思える。
だが、この作品をよく見ると、マリリンはコリンに逃避したのであり、そこに多少の愛情と感謝があったではあろうが、決して恋焦がれたのではないと分かる。
むしろ、恋する1週間を過ごしたのはコリンのほうであり、この物語の真の主人公は彼なのだ。
そのコリンを演じるそばかす顔のエディ・レッドメインが清々しくていい。どんな作品でも主役に向くほどのインパクトはないが、共演する女優に輝きを与える俳優だ。その理由はわからないが、エディが一緒だとマリリンのミシェル・ウィリアムズはもちろん、エマ・ワトソンや高齢のジュディ・デンチまで輝きを増す不思議でお得な存在だ。
ミシェル・ウィリアムズは、モンローを相当研究したのだろう。その成果はもちろんだが、表情はミシェルのほうが明るい。とくに上目遣いの彼女の表情は愛くるしい。
忘れてならない登場人物がもう一人。
マリリンとコリンを見守る、執事兼護衛のロジャー・スミスを演じたフィリップ・ジャクソンが、酸いも甘いも知る男の情を見せる演技で作品を締める。
時間(とき)が過ぎゆく。
いつまでもコリンに甘えるわけにいかない。コリンに本気で恋するわけにはいかない。ワタシは女優。
モンローの目がプロの目に変わる。と同時に、また女の幸せをひとつ失う哀しみ・・・。
そんなシーンに流れるナット・キング・コールの「枯葉」は切なすぎる。サイモン・カーティス、これが長編映画初監督作品とは思えない。
高級ブランドのポスターを思わせるスチールをエンド・クレジットに使うなど、最後まで演出が冴える。
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