劇場公開日 2011年11月3日

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「ふつうの『映画』に飽きた人におすすめ」僕たちのバイシクル・ロード 7大陸900日 MizuMotoさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5ふつうの『映画』に飽きた人におすすめ

2011年8月22日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

泣ける

楽しい

幸せ

この作品に有名スターは出ませんし、
美麗なCGもありません。
撮影も素人2名によるもので、
ストーリーに大逆転があるわけでもありません。

しかし、観賞後も各シーンが記憶に残る、
強烈な名作です。
映像からは「自由さ」があふれてきます。
パンやズームを多用しない映像は、目にやさしく
週3本ペースで映画を見る私にとってかえって新鮮でした。

中身にも、はっきりとした方向性があります。
「ジョーズ」のプロデューサー、故デビッド・ブラウン氏は
「一行で中身を伝えられない映画はヒットしない」という名言を残しました。
(じっさい「ジョーズ」の企画書は「美女がサメに襲われる映画」たった一行でした)

その点、「自転車で7大陸を渡った記録」と
一行で描写できる今作は、強い個性を持っています。
そして、その一行から想起されるイメージに応えてくれる内容です。

南極ではペンギンの脇を滑走し、
ロシアではトラックに肘をぶつけ
中国ではススで真っ黒になり、道路の崩落に引き返し、
砂漠では水不足に苦しむ。

家族が涙ぐみながら主人公たちの帰りを待つシーンは、
勧善懲悪型の安っぽいストーリーを超えた、
スケールの大きな感動を与えてくれます。
映画の定型文に飽きた方に、おすすめの作品です。

MizuMoto