「エイリアン、「ロムルス」から7本観たからもう、いいや。」エイリアン3 Mr.C.B.2さんの映画レビュー(感想・評価)
エイリアン、「ロムルス」から7本観たからもう、いいや。
「エイリアン ロムルス」観賞を機にエイリアン・シリーズをBDで振り返る。
今回は「エイリアン3」(1992)
「エイリアン2」のラストでエイリアン・クイーンを倒し、冷凍睡眠に入ったエレン・リプリーは宇宙船スラコ号の火災発生により冷凍カプセルごと脱出艇に移され射出され、惑星に衝突する。そこは囚人・管理者25名のみが暮らす流刑の惑星フィオリーナだった。脱出艇に侵入していたフェイスハガーはエイリアンとなり人間を襲い始める。流刑地のため武器はない。リプリーは如何にしてエイリアンと戦い、倒すのか。
この映画の最大の問題点は、リプリーを男性しかいない惑星という環境に置くために、「エイリアン2」のラストで生存し一緒に冷凍睡眠に入ったニュートとヒックスを脱出艇での事故死であっさり抹消してしまった事である。共にエイリアンと戦い、生き残った二人がいきなり消されてしまっては「エイリアン2」を観ている者にはガッカリな展開だ。
シガニー・ウイーバーは、本作でプロデューサーとしても名を連ねており、撮影中も監督と折り合いが悪かったらしい。監督デビッド・フィンチャーも初監督作でエイリアン・シリーズでもあり会社の要望に不満だったらしい。編集にも大分不満で、30分以上長い完全版を2003年に発表している。
例えば、劇場版では犬だったフェイスハガーに取り付かれる動物が完全版では牛である。
この星では荷物の運搬に牛を使っており、(完全版では)脱出艇の残骸を運ぶのにも牛で引いていたので脱出艇に潜んでいたフェイスハガーが牛に取り付く方が筋は通っている。牛の死体を処理した囚人がフェイスハガーの死体を「何だ、これは?」と持ち上げるカットもある。牛に寄生したため出てきて走り去るエイリアンは4足歩行である(このCGがしょぼい)。体内から出てきたカットは公開版も同じだった。
本作では説明されていない事が多すぎる。
○エイリアン・クイーンはどうやって冷凍室内に産卵したのか?
冷凍室内に卵があるカットがあり、フェイスハガーが出現し火災が発生する。その前に床が酸で溶けるカットもあるが、フェイスハガーは血液が酸でも自ら酸を射出することはないのでは?エイリアン・クイーンはスラコ号までやって来たが、リプリーと対決して冷凍室内に入る余裕はなかったはずだ。リプリーに再起動されたビショップによれば「ずっと一緒にいた」との事だが冷凍室内に産卵したのはいつ?
○何故フェイスハガーは複数?
冷凍室内には卵が一つしかなかったようだが、フェイスハガーはリプリーに取り付いたものと牛に取り付いた2匹?いた。1度取り付いたら死ぬのでは?
○何故リプリーはエイリアン・クイーンが体内にいるのに気付かなかったのか?
リプリーは体調不良を感じて体内をスキャンして初めて知る。リプリーを襲おうとしたゼノモーフは既にリプリーの体内にエイリアン・クイーンがいることに気付いて襲うのを止める。どうして判った?リプリーの体調不良の時間が長い。第1作のJハートは食事をしてすぐにチェストバスターに食い破られる。
前作までを観ているファンには、これらの事は納得出来ないのではないか。ちゃんとした説明か、判るようなカットが必要だった。
ウエイランド・湯谷社の表記で、初めて映画内で漢字表記が登場する。リプリーが脱出艇のフライトレコーダーを取り出すシーンでカバーを外すと中に「ウエイランド・湯谷」の表記が読み取れる。また、リプリーが司令室内に入った時に壁に貼ってある紙に「ウエイランド・湯谷株式会社」と印刷されている。本作では、惑星内の壁に「鉄」とか「超高温危険」という漢字が書かれている。
ノストロモ号の船内にあった青いドリンキングバードは、本作では所長室のテーブルの上に置かれている。暗い画面の中で青い色がアクセントになっている(ロムルスにも登場する)。暗いのは画面だけでなく、シラミがわくという理由でリプリーまでも坊主頭にされ、囚人を初めとする出演者は全て坊主刈りで宗教的な雰囲気も暗い。
そして、ラストシーン。前年公開の「T2」のラストを真似たとしか思えないが、自分の身に宿ったエイリアンを葬るためにリプリーは自ら溶鉱炉に我が身を落とす。公開版ではその瞬間にリプリーの腹を食い破って出ようとするチェストバスターを押さえ込むが、完全版ではその表現は無く、まるで十字架のように両腕を開いたままリプリーは溶鉱炉に消える。
「エイリアン4」に登場するのはリプリーのクローンであり、エレン・リプリーは以後2度と登場しないのだ(「ロムルス」の後に登場の可能性は残されている)。
エレン・リプリーとエイリアンの戦いは終わった。
「エイリアン」 (1979) 公開版117分 ディレクターズ・カット版116分
「エイリアン2」 (1986) 公開版138分 完全版155分
「エイリアン3」 (1992) 公開版115分 完全版145分
「エイリアン ロムルス」の後、完全版等を含めエイリアンを6本、13時間以上観た事になる。もう、疲れたからいいや。「エイリアン4」以降は、またいつかね。
私は、ロムルス見る前に復讐しておこうと、完全版も含めて10本観ました。
女房が怖いのは苦手なので、寝静まるのを待って朝まで観てました💦
ちょっと、自分で自分を褒めちゃいました😁
お疲れ様でした。
見直して無いので、思い出補正があるかもしれませんが、オチ以外は割と好きです。キャメロンが活劇に振った後で、脚本を押し付けられたフィンチャーの絵作りが好きでした。後のセブンに繋がるビジュアルがあると思います。