ヘルプ 心がつなぐストーリーのレビュー・感想・評価
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笑って泣いて
“観て良かった”それが見終わって最初の感想だった。重いテーマだが、静かに淡々と笑いあり、涙ありの中で物語は進んでいく。そして考える…自分の中に差別は無いだろうか?と。映画は黒人を差別するのが当たり前だった時代、社会全体がそういった風潮で、それを見ながら育ってくれば、きっと疑問に思うことすらなかったのかもしれない。数年前の日本の喫煙者は処構わずタバコを吸い、店でも喫煙する人のほうが多かった。ところが今では立場は逆転している。ルールが変わり、人々の意識が変われば、時代は変えられるのだ。残念ながら、私の中にも差別的感情はある。好き、嫌い。国によっては下に見がちな外国人もいる。しかし、この映画で行われるのはイジメである。差別化された社会でも、相手を人間扱いしないのは、その個人の性質によるものだ。同じ人間と認めていないのだ。虐げられた人々の悔しさは想像に絶する。しかし、虐げられてきた人の方が人としては正しい。やさしい子、賢い子、大切な子。劇中出てくるセリフだか、自分たちが虐げられながらも、汝の敵を愛することを止めない彼女たちに心から拍手を贈りたかった。ヘルプ。助けるべきは間違いに気付けない白人達なのかもしれない。
テーマは重いが一級の娯楽作に
白人で作家の卵のスキーター、それに黒人メイドのエイビリーとミニーの3人によって、“ヘルプ”と呼ばれる黒人メイドたちが置かれた劣悪な環境と、それに耐える彼女たちの心の声が描かれる。
3人とも主演、助演どちらともとれる構成になっている。
60年代のアメリカ南部が舞台で、セット、衣装、車のどれをとっても、子供の頃に憧れた大国の雰囲気がよく出た作品だ。
“Jackson”という軽快な歌に乗り、大学を卒業してミシシッピに帰ってきたスキーターが面接のため“Jackson”という地元新聞社のオフィスに吸い込まれていくところから始まる。
黒人メイドを雇うことがステイタスで、しかもメイドを人とも思わず奴隷のように扱う地域。それが当たり前のこととしか見ることができない人間が多いなか、当たり前と見ることのおかしさに気づく人間たちもいる。その代表がスキーターだ。
共用は不潔だからと、トイレまで別にしようと躍起だつ若い婦人会。リーダーのヒリーの目がひきつってコワいぐらいだ。同じ上流階級の夫人ながら、その派手なファッションや鈍臭さで婦人会のメンバーから疎まれるシーリアが、慣習にとらわれない優しさでメイドに接する姿にホッとする。
婦人会の面々が、親として子にロクにトイレの躾けもできないのに、メイドたちはトイレどころか、白人の子供たちに物事の考え方を諭し、生きる道筋さえ説く。
そんな彼女らを家族として温かく接することのできない人間が、大層にチャリティー・パーティーを開くのだから、その思考は理解し難いものがある。
ただ、この作品は人種問題を政治的または歴史的な見地で語ったりはしない。白人家庭と、そこに雇われた黒人メイドの処遇を端的に表現するに留まっている。
そこが却って、話の構図が分かりやすく善悪が明確で、感情的に同意できる人物も見つけやすい。
テーマは硬いが、随所に笑いを散りばめ、明るいタッチで一級の娯楽作に仕上げたのがいい。
凜と強い気持ちになる。
差別を受ける黒人メイド達と、一人の白人女性の勇気のお話。
…というか、それを軸とした「女性たち」のおハナシだね。
あったかくてカラッと笑えて、でもそんな爽快さの中、根深い苦しみも描かれてた。
それを通じて、観終わった後にはなんだか凜とした強い気持ちになれてたよ。
約150分もの映画だったけど、「劇中の彼女達が伝えたかったコト」を表現するには、この長さは当然。どのエピソードも必要なんだと思ったな。
敢えてちょっと意地悪な言い方をすると「群れるオンナ達」。
彼女達の、境遇も感じ方もそりゃいろいろなんだけどさ。
その姿が滑稽だったり、哀しかったり苛立たしかったり、逞しかったり…。
映画を観てそれをどう受け止めるかも…きっと人それぞれで違うんだと思うな。
ホント「いろいろ」だよね。
チキチンッ♪
心が温かくなる・・・
原作は60年代のアメリカ南部を舞台にした小説「ヘルプ」出版の危機に遭いながらも、監督の強い支持で原作は1130万部を越すミリオンセラーに!!ストーリィは人種差別が強く残るアメリカ南部が舞台上流階級の白人女性が、自身も黒人メイドに育てられ当たり前に生活してきたが、大学を出てふるさとの戻った時あることをきっかけに疑問を抱くようになるそして彼女は黒人メイド達の、厳しい現実を伝えようと奮闘する・・・そして協力してくれる黒人メイド達と遂に1冊の本を発行することに・・・当時の厳しい人種差別が、所々に描かれ住居はもちろん乗り物も、病院やその他諸々そして働く先ではトイレも別々にするという法案まで持ち上がっている・・当時多くの人がそうであったように高慢で黒人を見下す上流階級の白人女性達や黒人メイドの待遇、当時の習慣や風俗などしっかり描かれていて見応えがありました今回助演女優賞を受賞したオクタヴィア・スペンサーや主演女優賞にノミネートされたヴィオラ・ディヴィスの演技が素晴らしかったです!オクタヴィアのくるくる変わる瞳と情緒たっぷりの演技ずっと悲しみを心の中にしまって、静かに耐えてきたヴィオラの感情を抑えた演技も圧巻上流階級の意地悪で高慢なヒリーを演じるブライス・ダラス・ハワード、本当に憎らしくなるくらい適役下流階級出でいじめに遭うシーリアいたわりと優しさを持っている女性でジェシカ・チャスティンのひたむきな演技に心を打たれました二人の黒人メイド達と深い友情に結ばれて執筆を続けたスキーターのエマ・ストーン彼女の凛として活き活きとした演技もひかっていましたねどんな不遇にあっても諦めずに前を見て進んで行こう!人生にはいろいろなことがあるけれど、希望を持って歩んで行きたい・・そんなことを問いかけている映画です最後のラストシーンも静かで深い想いを感じました・・沢山の方に観て欲しい心が温かくなる作品です
涙の数だけ
ほんの50年まえは 肌の色がちがうだけでこれだけの格差があったと、時代を学ぶ作品。 また その時代を生き抜いた女性たちの強さ・その涙の数だけドラマがあり 友情も生まれる。
南部の上流階級に生まれたジャーナリスト志望のスキーターは、当たり前のように 黒人のメイドたちに囲まれて育ったが、大人になり 白人社会に置かれたメイドたちの立場に疑問を抱きはじめる。 真実を明らかにしようと メイドたちにインタビューを試みるスキーターだったが、誰もが口を閉ざすばかり。 そんな中、ひとりのメイドが インタビューに応じたことから、社会全体を巻き込んだ 大きな事態へと進展していく(作品情報より)。
スキーターを演じた エマ・ストーン。 良かったですよ、でも私が期待したほどではなかった。。 やっぱり どこか垢抜けないのはスキーターに合ってたけれど、演技力の点では 軽さが残る(泣ける演技が弱い)感じがしました。
スキーターのインタビューを受けるメイド・エイブリンを演じた バイオラ・デイビス。 彼女の静かな演技が すごく良かった! 目立ってはいけない・問題を起こしてはいけない。 けれど、その心の奥底に溜まった怒りを、自分を含めたメイドたちの痛みを 世の中に伝えて変えていかなければならないと立ち上がる姿(演技)に 感動。 後半にちらっと見せる笑顔が、さらに涙を誘いました。
エイブリンの友人・ミニーを演じた オクタビア・スペンサー。 彼女も すごく良かった! つらい状況でも自分を忘れず、たくましく生きる姿に 感動。 ちょっと滑稽な演技も、ミニーの人柄をしっかり表現していて 大好きなキャラクターです。
スキーターの幼なじみ・ヒリー役を演じた ブルース・ダラス・ハワード。 今回の悪役、良かったです。 努力を感じます。 実際にいたんでしょうね、こういうことをする女性が。 彼女はその後の人生で 何を学んだのだろうとそこまで考えさせるキャラクターでした。
ここで注目したい! セリアを演じた ジェシカ・チャステイン。 一見チャラいキャラクターのセリアですが、メイドさんとの一線を越えた距離感がとても可愛かった。 悲しみを心に抱えるも それを表に出さない健気なセリアを しっかり演じてました。 『The Tree of Life』では ブラピの奥さん役を、『The Debt』では 女性スパイを演じたジェシカ。 超美人ではないのだけれど、役ごとに変わる表情が とてもステキです。
スキーターのママ役、アリソン・ジャネイという女優さんも 後半に印象的な演技を見せてくれました。
あ、あとTVシリーズ『プライベート・プラクティス』でデル役を演じてた クリス・ロウェル。 エマの相手役、、役不足。。
黒人のことを “カラーピーポー(色付きの人たち)”と呼んだり、タクシーに“白人専用”など表示しているが 衝撃的でした。 146分と長ーいですが、ぜひ多くの方に観てもらって 学んでほしい作品です。
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