「アメリカ南部の人種隔離政策を描くが重い所と笑える所も。」ヘルプ 心がつなぐストーリー ナイン・わんわんさんの映画レビュー(感想・評価)
アメリカ南部の人種隔離政策を描くが重い所と笑える所も。
主要登場人物のほとんどが女性で、舞台が1960年代のミシシッピなのに男性の私の心に充分に響く "お手伝いさん映画" 。2009年発売のベストセラー小説「The Help」が原作。
何人かの登場人物が一人称で語る数々のエピソードが書かれてる本らしい。
原作者の体験も一部元になっているらしく、時代を変えて脚色して描いたヒット小説を幼馴染みの映画監督に映画化権を格安であげた。
アメリカ南部の人種隔離政策を女性たちの労働面から描き、命懸けの "協力" を見せるが重圧で無くて分かりやすいキャラクターが出て、時にはコメディチックに見やすく作られている。
「白人女性が男性から差別されているが、女性はお手伝いさんを差別する事で、自分達への差別に気付いていない。」と言う町山智浩さんの意見は納得します。
第84回アカデミー賞では3部門でノミネート。
作品賞、ヴィオラ・デイヴィスの主演女優賞、ジェシカ・チャステインの助演女優賞、そしてもう1人のオクタヴィア・スペンサーが助演女優賞を受賞した。
この映画の原作者キャスリン・ストケット。
ニューヨークに住みながら雑誌出版の仕事に就き、その後9月11日の同時多発テロ後に執筆を開始。初の小説「The Help」は完成までに5年かかり、その後1000万部を売り上げニューヨーク・タイムズのベストセラーリストに100週間以上掲載され、数か月でベストセラーランキングを駆け上がったらしい。
オーディオブック版でも700万部を売り上げ、ジェナ・ラミア、バーニ・ターピン、オクタヴィア・スペンサー、カサンドラ・キャンベルがナレーションを担当。オクタヴィア・スペンサーはストケットがミニーというキャラクターの元々のインスピレーションであり、映画化でもミニーを演じた。
この映画の監督。
キャスリン・ストケットの幼なじみで、同じミシシッピ州ジャクソン生まれのテイト・テイラーが脚本・監督を務めた。
この映画のハリウッドのプレミア上映時のスペシャル・ゲストは彼を育ててくれた元お手伝いさん。(すでにお婆ちゃん)
「僕を育ててくれた人で、この人の為に監督しました」とスピーチしたとか。