「笑い、感動、メッセージ…全ての要素が詰まっている」ヘルプ 心がつなぐストーリー 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
笑い、感動、メッセージ…全ての要素が詰まっている
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こういう映画を秀作と呼ぶ。
人種問題を扱った映画と言うと社会派映画のイメージが強いが、時に笑わせ、時に泣かせ、そして考えさせ、実に好感度と満足度が高い。
滑らかな語り口がとても心地良い。
女優たちのアンサンブル演技が非常に魅力的。
エマ・ストーン、映画の橋渡しな立ち位置で、彼女の役柄のお陰でスッと作品の世界に入って行ける。
ヴィオラ・デイヴィス、母性愛と涙を誘う名演!絶対アカデミー主演女優は彼女でしょう!
オクタヴィア・スペンサー、貫禄とユーモアと、黒人たちの不満と現状を濃縮した一番美味しい役。
ブライス・ダラス・ハワード、とにかくムカつく!!憎まれ役を堂々と演じ、最後まで嫌みで逆に潔い。
ジェシカ・チャスティン、ちょっと天然な役をキュートに演じつつも悲しい一面も見せ、その存在に救われる。
シシー・スペイセクも、エマの母親役も(この母娘物語も注目)、スキーターの家に仕えていた老メイドも、メインから脇に至るまで、全員が素晴らしい。
世間や自分たちの人生を変えるには恐れてちゃいけない、一歩踏み出す勇気が必要。
そんな勇気を教えてくれる。
確執あった母と娘の和解、人と人の対等な関係で結ばれるミニーとシーリア…爽やかな感動と希望を感じさせる。
だけどただの理想的な形だけで終わりではなく、クビになり、愛する“子”と別れなければいけないエイビリーンのラストシーンに、ほろ苦さと未だ根強く残る人種問題を忘れさせない。
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