「今なら言えることでも・・・」ヘルプ 心がつなぐストーリー りりーさんの映画レビュー(感想・評価)
今なら言えることでも・・・
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ケネディ大統領の葬儀が行われようとしている1963年。
今から、約50年前のこと。
場所は、南部のミシシッピ州。
ヘルプと呼ばれる黒人メイド達。
対する白人上流マダム。
自家のメイドは、見下してトイレさえ使わせないし、食事も一緒には取らないし、わずかなお金さえも貸そうとしないマダム達。
病気がうつるんだって。
そう思うなら、子供の世話なんて、とても任せられないじゃん。
食事を作らせるなんて、とんでもないことなんじゃん。
食器なんて洗わせられないじゃん。
な~んて思うけどね。
≪裕福=偉い≫と思っているそんなマダム達でも、アフリカの子供たちを貧困から救いましょうという善行はしているのだ。
自分が上にいるという優越感からか。
小さなエピソードで、各人の個性を描き出している。
皮肉の効いたシーン。
痛快なシーン。
嬉しくて思わず涙してしまうシーン。
辛く苦しいシーン。
シーリアの肌の色を気にしない心。
教授の暖かい思いやり。
それにしても、ジョニーは何て素敵な男性なんでしょう。
理不尽な差別の数々。
それでも、前を向いて歩いていこう!
そんな希望ある余韻が素晴らしい。
そう言えば、ケネス・ブラナー監督の「から騒ぎ」では、肌の色なんて関係ない配役を、とても新鮮に思ったんだった。
あれからでも、20年ほど経ちますか。
差別とは、人の心の中にあるもの。
黒人だけではなく、白人同士であっても差別はするのだから。
人間も、少しずつだけど、進歩はしているのだ。
差別するのではなく、違いを受け入れるのだと。
ミニー役のオクダヴィア・スペンサーの眼力に感服。
エマ・ストーンの意志の強い目にも好感。
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