「俺の知ってる「愛と誠」じゃない!」愛と誠 colt45SAAさんの映画レビュー(感想・評価)
俺の知ってる「愛と誠」じゃない!
そもそも「愛と誠」は荒唐無稽で無茶苦茶なストーリーだと思ってた。
で、その荒唐無稽さを逆手にとって映画化したのが「愛と誠」だ。
三池監督の凄いところは、最初っから原作のイメージを破壊し、「どうせ荒唐無稽なお話だから・・・」となんとミュージカルでコメデイタッチ仕立てにし、更に滅茶苦茶な映画にしている。
考えてみれば、早乙女の事を好きな秀才「岩清水」君の台詞「君のためなら死ねる」とか、早乙女が誠に対して抱くイメージが「白馬の騎士」って・・・ふざけんのもいいかげんにしろ!と言いたくなる。それを通り越して不気味ささえ感じる。
早乙女愛はブルジョアの天然なお嬢さんとして描かれ、本来太賀誠に振り回され人生を変えられるヒロインのはずが、この映画では愛に誠が振り回されてる。早乙女愛のほうが上手だ!
しかも旧作では3部作形式で「愛と誠」「続愛と誠」「愛と誠 完結編」と3本の映画が製作されたが、本作はこの1本で見事に大筋のストーリーを負踏まえて完結させている。伊原剛志演じる不良座王権太が「狼少年ケン」を歌って踊るシーン(選曲が驚かされる。)、更に岩清水君の台詞「君のためなら死ねる」の「実は死ねない事情」も説明されている。見事だ!
コメントする