「キャストも、アクションも良いが、ストーリーが荒い。」るろうに剣心 DORIさんの映画レビュー(感想・評価)
キャストも、アクションも良いが、ストーリーが荒い。
私は原作を毎週ジャンプ買ってリアルタイムに読んでいた原作の大ファンなんで以下の感想は厳しめですがご了承願います。
まずは良いところから、
佐藤健さんの剣心ははまり役でしたね。
他の出演者の方々もほぼベストチョイスだったと思います。
香川さんの観柳はイメージとは違いましたが、映画ならそれも有りかなって感じです。
殺陣もスピーディで迫力がありました。アクション映画、時代劇映画なら良いんじゃないですかね。
では、嫌だった点を、(悪口嫌いな人は以下を読まないでくださいね。)
一番の問題は、るろうに剣心って銘打ってしまったことですね。エピソードを詰め込みすぎで原作でのキャラクターの深みがどっかに飛んでいってしまっています。
映画を見ながら以下の内容を内心で突っ込んでいて、冷めた目で見てしまっていましたね。
・剣心の十字傷は清里とその婚約者あり剣心の妻である巴がつけたもので、闇乃武との戦いの中で巴を自分の手で斬殺してしまった悔いの象徴なのにそんなあっさりばらしていいのか。(この辺は事情が複雑なので分からない人は原作を是非読んでみてください。)
・剣心は神速の剣術が強いのであって、無手での体術はそれほどでもないから(優男って設定だし)。
・剣心と薫の出会いが原作と違い昼間なのに、その傷では夜回りできないってセリフは原作通りとか。
・左之助の赤報隊への思いはどこ行った。斬左の雰囲気がない、ただの喧嘩バカだし。左之助はそんな小細工しない気持ちのいい馬鹿なんだけどな~。
・恵はイロ(情婦)じゃないし。家族や医者としての思いが軽いな~。
・斎藤、「悪・即・斬」はどこ行った。壬生の狼は誰にも飼えないんじゃなかったのか。戦いで最後の最後まで牙突を使わないとか、ありえない。るろ剣の斎藤一はこの作品の中にはいないんですね。
・観柳はもっとインテリで金至上主義で、女や権力よりもスマートで悪どいけど、追い詰められると小物ぶりを遺憾無く発揮する奴なんだけど。情婦って何、観柳帝国って何?
・山県有朋、小物になりすぎでしょ。原作通りだったらとっくに斎藤に斬られてますって。
・刃衛のいいセリフがストーリーの構成上使えなくなってるし。
・外印と番神・・・スタッフロールで気づきましたよ。てっきり映画用のオリキャラかと思ってたのに。外印役の綾野さんはむしろ縁の方がはまり役なんじゃないですかね。
以上いろいろ書きましたが、キャストも映像もいいのだから、ストーリーを詰め込まずに丁寧に作って欲しかったですね。るろうに剣心って言わずにオリジナル映画としてならもっと違ったんでしょうけど。
原作のストーリーやキャラクターの人物描写が好きな方にはおすすめしません。