坡州 パジュのレビュー・感想・評価
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ガス爆発が轢き逃げ事故に・・・
時系列がちょっとわかりにくいし、ジュンシクがウンモの姉と結婚した理由も不明瞭。想像でしかないが、冒頭で学生運動をやっていた時に不倫(?)で付き合っていたチャヨン先輩の娘を娘に大火傷を負わせてしまった罪の償い・・・ウンスもまた背中に大きな火傷痕が残っていた事実と照らし合わせてみても、そうとしか思えない。本当は妹のウンモを愛していたのに年の差のため(当時ウンモは中学生)に敬遠してしまったのだろうか。
指名手配されたためソウルから逃れ牧師をやっている先輩の住むパジュへ引っ越したジュンシク(イ・ソンギュン)。教会職を譲りたがっている先輩の誘いを断ったのも罪深さのため。塾講師をしながら生活を始め、やがてウンモの姉ウンスと結婚。しかし新居でガス爆発によりウンスを死なせてしまった。保険金受取人が自分へと変わったことに不信感を抱いたウンモは保険会社に再調査を依頼する・・・が、実はウンモがハサミをガスパイプに偶然落としてしまったための事故だったのだ。ジュンシクは真実に気づくものの胸の内にそっとしまっておいた。
パジュでは再開発のため古い住宅地を取り壊そうとしていたが、反対派住民が最後まで粘り、ジュンシクはその対策委員長を務めていた。何のために闘っているのか、そこには贖罪としか思いつかないほど、真相は闇の中。冒頭からは女好きのスケベだとしか思えなかったのに重い十字架を背負っていたわけですね。
映像は終始暗く、田舎住まいの閉塞感が漂っていた。逃げ出したい思いと両親が残してくれた家を守りたいという思いが交錯し、ちょっとしたことでインドへと旅立ったウンモ。それが3年前の大学入学直前のこと。ダメ男だとばかり思っていたのに、最後は印象が変わるという作品だった。ただ、ウンモが原因のガス爆発を轢き逃げ事故と偽るのは無理があるなぁ。
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