「あまりに荒唐無稽すぎて・・・+α」ペントハウス hormone29さんの映画レビュー(感想・評価)
あまりに荒唐無稽すぎて・・・+α
良くも悪くもよくあるアメリカの映画って感じがした。
ズブの素人がセキュリティーがものすごく厳しいマンションに泥棒に入るって話で,物語も深いものではないしあまり突っ込むのは野暮なのかもしれないけどあまりにも計画が杜撰だと思った。いくら元マネージャーでみんなの性格・行動を知ってるからといってエロ本で警備をかわすのには無理があるし,FBIをタックルで気絶させるのもどうかと思う。後ろの方はチョコケーキを無理やり口にねじ込むとかのほうが良かった。
ただ一定のどうなるんだろうっていうスリル、テンポはよかったんじゃないかなと思った。
あと友人と話していて意見が食い違ったところを。
この映画ではちらほらチェスの話が出てくる。途中でショウがクイーンを犠牲にしてキングを取ったチェスの凄い人の話をする。ショウはそれに対し「私は王道のチェスをやるタイプだ。騙し手なんか使わない」「フェラーリの一手は悪手だったな」というが私はそれすらショウの騙し手だったのではないかと思った。
そうでないとなぜショウが壁に空の金庫を埋め込んだのかの説明がつかない。隠し金庫(Qのメタファー)を取らせてフェラーリ(K)を守る,フェラーリ(Q)を取らせて裏帳簿(K)を守るというのは明らかなショウの騙し手だと思う。
そして上記の発言の後にジョシュは「騙し手を勉強します」と言っている。これもショウの騙し手を破り,自分自身もその騙し手を使ったのではないかと思う。
つまりジョシュは自らの逮捕(Q)よりジョシュの中で一番大切な仲間から失った信頼や名誉(K)を得たのではないか(年金の後にショウに会った時は全然怒っておらず,むしろドアマンの自殺未遂でフェラーリ破壊に移った点,ショウの発覚前と発覚後でジョシュが失ったものを考えると一番大切にしていたものは想像できる)