「気休め以上の面白さ!」ジョニー・イングリッシュ 気休めの報酬 浮遊きびなごさんの映画レビュー(感想・評価)
気休め以上の面白さ!
えー、ワタクシ、前作『ジョニー・イングリッシュ』は観ておりません。
ローワン・アトキンソンも嫌いじゃないけど、大ファンという訳でも無し。
けどこのタイトルが個人的にツボで……。
久々に原題より良い邦題じゃないかしら?
さて本作、
『007』シリーズのファンなら思わずニヤリなネタが満載。
ヒロインは本家でもボンドガールに抜擢されていたロザムント・パイクだし、
秘密兵器を提供する“Q”みたいな博士も登場。
中国人の掃除屋婆さんなんて『ロシアより愛をこめて』
に登場する悪役ローザ・クレッヴをイヤでも連想させる。
最後の登場のタイミングまで似てるし(笑)。
だが『007』を知らなくてもしっかり笑えて楽しめるのが本作の良い所。
序盤こそちょいと幼稚な小ボケ連発で不安になるが、
物語が盛り上がるに連れ、割とシリアスなシチュエーションで
ド天然過ぎるボケをかます主人公ジョニーに笑わせられる。
好きなシーンは、イスの高さ調整(爆)。
あと、敵だと思ってもお婆ちゃんの頭を鉄板でひっぱたいちゃダメ!!
もうひとつは中国でのチェイスシーン。
華麗かつ大袈裟に逃げ回る敵を執拗に追い掛けるジョニー!
……ただし徒歩で。しかも追い付く(笑)。
英国紳士は決して急がないのだよ。
ジョニーよりはマトモだがなんか頼りない新米捜査官カーターも◎。
そしてこの映画、意外やサスペンスアクションとしても楽しめる。
伏線の張り方やサスペンスの煽り方は“気休め”なんてレベルじゃないぞ。
調子に乗らなければ優秀なジョニーの活躍にホレボレ。
車イスの意外な再登場に本気でワクワク。
終盤、ジョニーが○○○をグイグイ飲んじゃう所なんか、
笑いつつも「けどこの先どうなっちゃうんだよ?」とサスペンスを煽られる。
のほほんとしたタイトルに油断してたが、
ストーリーはよく練られてるし、派手では無いけどアクションも割と多め。
何より、真剣な部分と笑いをない交ぜにしてみせる感覚が絶妙だ。
最後までハラハラ&クスクスしながら観られる良作です!
もっと強烈な笑いも欲しかった気がするけど、これくらいがちょうど良いバランスなのかな。
おっと、最後にひとつ。
他のレビュアーさんも口を酸っぱくして言ってるが……
エンドロールが始まっても席はお立ちにならないようご注意を!
思わずニヤリのおまけ映像があります。出前じゃなかったのね、あの料理……。
<2012/1/22鑑賞>